気の迷い「危ないっ…!ゆうさくっ…!!」
身を、引き寄せられる。兄は顎と両腕に引き寄せた身体を包み、その頭を胸に抱え、木と木の隙間、倒れる木材と同じ方向に身を投げた。
轟音を響かせて、次々木材が倒れていく。
非番の尾形に、これまた非番だった花沢少尉。
被ってると聞いて、花飛ばしながら追いかけてくる弟をどのタイミングで撒こうかとしていた矢先だった。兵舎ではもはやなじみの光景、誰も止めはしない。
「昼飯ご一緒しませんか!あ、夜酒のみに行きますか!?買い物なら付き合います!荷物お持ちしますよ!兄様っ」
「結構ですお断りします、今日はどこにも行きません。兵舎に籠って誰とも会わない予定です。」
「せっかくいい天気ですし、甘味とか食べに行きませんか!?」
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