髪の毛の話とか高校の時の話とか「柳楽さん、いつから髪伸ばしてるんですか?何か理由とか」
「……やっぱり気になる?この頭」
「いえ、似合ってるし、柳楽さんはかっこいいです!」
(ちりかの脳裏に浮かぶ大学の友人の「ちりちゃんよくオタクっぽいおっきい人と一緒にいるよね」の台詞)
「いや、まぁ俺も気に入ってこの頭してるわけじゃないんだけどね。橘さんは俺が猿の化け物って知ってるだろ。目覚めたのはこっちに越してきてからなんだけど、前兆があってさ。」
「前兆、ですか。」
「高三のセンター試験の当日熱が出たんだ。40度。より上がった時もあった。」
「高熱じゃないですか!?だ、大丈夫だったんですか!?」
「まぁそんなコンディションじゃ試験もマトモに受けられるはずなくて、灰色の浪人生活を送ることになったってわけなんけどね。合格確実って言われてたし単願だったし私立に行く気もなかったから仕方ないんだけど。熱が3日くらい続いて、起きたら髪が伸びてたんだ。3日で40センチくらい。多分それが俺の猿の目覚めのきっかけだったんだ、今思うと。」
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