樹「ふふ、やっぱりこの季節はいいな…庭が花でいっぱいになる」
雪音「樹」
樹「はぁ…いいなぁ…」
花依斗「立花」
樹「…!はいっ!」
雪音「どうかしたか?」
樹「い、いや…花依斗くんと雪音くんとこの花たちがあまりにも絵になるなと思って…」
雪音花依斗「…」
樹「あんまり嬉しくない…?」
花依斗「…いや」
雪音「そう言われてもあまりピンとこなくてな…」
樹「えぇ〜…ああ、2人はあまりそういうの感じないのか…これが普通だから」
雪音「だが花依斗がここにいるとたしかに様になるな」
花依斗「ふん、お前こそ。俺には遠く及ばぬがお前の美しさも認めてやる」
雪音「ふ、そうか。お前に言われると何となく自信がつくな」
樹「うわぁ…2人がすっごいキラキラしてる…」
雪音「樹」
樹「は、はい!」
雪音「お前にはこの花が似合うと思う」
樹「あ、ありがとうございます…?」
雪音「お前にはこれだな」
花依斗「ふん、悪くない」
樹「ふふ、じゃあ雪音くんはこれかな」
雪音「ふ、ありがとう」
樹「…」
雪音「…どうした?」
樹「いえ、紫音くんが以前雪音くんの笑顔は一瞬時が止まる、と言っていましたけどそれは大袈裟じゃなかったですね…」
雪音「…?変な顔をしていたか?」
樹「い、いやいや!そうじゃなくて…」
花依斗「…こいつはなぜこのなりでこんなにも自己肯定感が低いんだ?」
樹「うーん…容姿が整ってる人が誰しも花依斗くんみたいに自己肯定感が高いとは思いませんが…」
花依斗「あ?」
樹「な、なんでもないです…」
雪音「花依斗は全てにおいて常に自信に溢れているな」
花依斗「ふん、当然だ」
雪音「…それが少し羨ましい」
花依斗「神崎。お前は他人に自信を持って得意だと言えることはあるか?」
雪音「戦闘」
樹「うわぁ…即答…」
花依斗「…ないと言われるよりマシだな」
雪音「ないと言ったらどうなっていたんだ?」
花依斗「お前の自己肯定感の低さに虫唾が走っていただろうな」
樹「か、花依斗くんがそう言うと冗談に聞こえませんね…」
花依斗「冗談を言ったつもりはないが?」
樹「ひえ…」
雪音「お前の得意なことは何だ?」
花依斗「その答えは苦手なことを探した方が早いかもしれないな」
雪音「ふむ、たしかにお前に得意なことを聞いたらキリがなさそうだ。苦手なこともなさそうだが」
花依斗「ああ。だろうな」
雪音「しかしお前は本当に花を持っているだけで絵になる。美しいな」
花依斗「…毎回思うが」
雪音「どうした?」
花依斗「お前は他人にそういう言葉をかけて恥ずかしいとは思わないのか?」
雪音「…?俺は思ったことを口にしているだけだ。…不快だったか?」
花依斗「…いや、それがお前のいいところ、なのかもしれないな。これからも好きなだけ口にするといい」
雪音「ああ、そのつもりだ」
樹「あ!僕も雪音くんの得意なこと見つけました!」
雪音「何だ?」
樹「その人に似合うものを選ぶことです!僕や花依斗くんに似合いそうな花をサッと見つけれくれましたから!」
雪音「…それは特技に入るのか…?」
樹「人に何かを贈る時はセンスも大事ですから!立派な特技ですよ!」
雪音「ふ…そうか。お前たちが気に入ってくれたのなら俺も嬉しい」
花依斗「神崎」
雪音「どうした?」
花依斗「…ふん、お前はそうやっていつも笑っていればいい」
雪音「…?あ、ああ…」
樹「お、おぉ〜…!花依斗くんが言うとかっこいい言葉がよりかっこよくなりますね…!」
花依斗「立花。顔がうるせぇ」
樹「す、すみません…」
雪音「…ふ。俺はお前たちにいつまでもこうして他愛もない話をしていてほしいな」