L家の受けちゃんが誘うだけ🧡
喉乾いたな...冷蔵庫になんかあったっけ。そう思いながらキッチンに向かうと暗闇で戸棚を漁る先客がいた。
「なんか食べるのダディ」
「ちょっと小腹が空いてな。...くそ、何も無いな」
唸りながらごそごそと漁り続けているヴォックスの背中を押しのけて冷蔵庫を開ける。
「ねぇ今からヤろうよダディ~」
「うーんコンビニまで買いに行くか...面倒だな」
「俺のこと食べていいよ♡なんちゃって♡」
「あ、クーポンの期限がそろそろか...」
「無視は酷いよね」
「黙れBitch、俺は腹が減ったんだ」
お互い目も合わせずに軽口を叩き合っていたらいつの間にかヴォックスは玄関に向かっていた。
「俺コーラ~!」
「ok~」
「5本!」
「後で払えよ」
ばたん。こんな会話は日常茶飯事なので可愛い恋人の誘いにBitchと吐き捨てて出ていったあいつのことはコーラ5本で許してやろう。
「ん~~~~。シャワーでも浴びるか」
ぐーっと伸びをして風呂場へ向かった。
風呂から出てパンツ一枚でリビングに戻ると、ソファでヴォックスが伸びていた。
「ん、おかえり」
「外暑すぎるだろう...」
「はは。ヴォックスもパンイチになれば?きっと朝にはベッドに2人で全裸になってるぜ♡」
「そうだな。これお前のコーラ...」
遮るように言ったかと思えばこちらを向いてレジ袋を差し出しかけ、固まった。
「?...さんきゅ」
固まっているヴォックスから受け取ろうと手を伸ばすと、
「うぇっ!?」
手首を引っ張られソファに引きずり込まれた。
「あっぶねぇなぁ...ちょっとヴォックス何して」
濡れ羽色のカーテンの中に閉じ込められて、薄く輝く秋桜色と視線が交わる
「ちょ、ちょっとダディ!タンマタンマ!
...なに?パンイチの俺に興奮しちゃったの?落ち着けって笑」
さすがに少し焦ってぐっと胸板を押すがビクともしない。知ってたけど。
「明日俺昼から配信あるし...てかヴォックスもだろ!?」
何とか逃れようとぎゃいぎゃい騒ぐが、次の瞬間には塞がれて喋れなくなってしまった。
「安心しろ、昼前にはちゃんと起こしてやる。ソファで朝を迎えることになりそうだな」
愉しそうに笑いやがって。Bitchと吐き捨てて目を閉じた。