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    eastdragon_DB

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    第16試合『Freestyle』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi

    「我流?」
    「んだ。悟空さの武術スタイル。亀仙流…神様、界王様やあの世のお偉いさんとか、今じゃあウィスさんって破壊神のお付きの天使様に修行とかつけてもらってて、その教えはあるかもしんねぇけど、ほとんど我流だべ」
    「まぁ……そうなるの、…か?」
    「なんでおめぇさが疑問形なんだべ」
    「いやー、別に嫌とかじゃあねぇけんど、なんかヘンテコかと思ってよ。チチは…亀仙流だよな」
    「んだ。おっとうからみっちりと教わった正統派亀仙流だべ」

     型見せるだか? と、腰を落とし両手を持ち上げて構えをとるチチは凛として華の如く。美しい武だ。

    「ほんっとキレイなもんだよな」
    「悟空さの構えもてぇしたもんだよ。この人にはかなわねぇって肌ぴりぴりするだよ」
    「オラおめぇにそんな気ぶつけたか?」
    「ねぇな」
    「だよな」
    「我流ってのがしっくりこねぇべか? 一応いろんな教えをたくさん持ってて、それ全部ひっくるめて修行して発展させてるってのが今の悟空さだと思うけんど。あ、言い方がちょっとカッコ悪いって思ってるんじゃねぇか、悟空さ」
    「言い方ぁ?」
    「んだ。悪くはねぇけんどちょっとなんかもうちょっとあるんじゃねぇかって感じの顔してるだ。悟飯がなんだっけか、グレートサイヤマンってやつになってはしゃいでたんだけんど、そういうところホント親子だべなぁ、似てるだよ。じゃあ、我流なくて言い方を変えればいいべ。確か……フリースタイルってやつだべか」
    「ふりーすたいる……」
    「自由って言葉がまた悟空さによく似合うしな。青くて広い空。悟の字は理解するって意味があるだよ。広い広いすんげぇ広い何かを知っている…悟っているっていう方だべかな。お似合いだべ」

     そういって笑うチチの方が、悟空にとっては空だ。
     広くて高くて、朝がくればまばゆくて、夜はどこまでも優しい眠りを守るそれ。そんな彼女が自由と称するものが自分にあるのは、ひょっとしてとても「いいこと」なのではないだろうか?

     何よりも愛しい「空」を自分の中に閉じ込めたい。
     そんな独占欲を持っているのも、きっとfreestyleだ。
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    TRAINING悟チチ版ワンドロワンライ『天下一悟チチ武道会』
    第1試合 『空』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge
    #悟チチ #Gochichi
    チチは亀仙流の使い手であり、その武は亀仙人も認める達人の域であった。
     まぁ今は孫もいる身であり、全盛期と比べればゆるやかに力量は落ちてはいるがちょっとした暴漢をこらしめるくらいは未だに朝飯前のことだ。

     とはいえ、チチは気は読めないし、気弾も打てない。夫や子供達が得意とするかめはめ波も打てないし、舞空術も使えない。

     舞空術については、悟飯からそれを学ぶ際に一緒にできるようになろうとねだらた。それよりもっと前には、悟天が生まれて少し落ち着いたころによければと、悟飯からも舞空術が使えるようになることを勧められたこともある。
     だがチチは穏やかに辞退した。
     舞空術は確かに身に着けることができれば便利だろうが、気を感じる、気を読むなどのセンスはどうも自分にはないと思ったし、夫が遺した筋斗雲があればチチだって空を移動できる。

     子供達はチチのそれに少し残念そうであったけど納得もしてくれたことがありがたかった。

     筋斗雲に乗って、空を行く。
     朝はまだ少しひんやりした空気の中。昼は、眩しい陽射しの中。夜は満点の空を見られる。
     それが自分の身ひとつでできれば、解放感はひとしおかもしれ 1609

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    TRAINING悟チチ版ワンドロワンライ『天下一悟チチ武道会』
    第2回戦 お題『マフラー』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
    年齢を重ねてきたことで、ようやく見えてきたことがある。
     自分の中に流れる戦闘本能については純血のサイヤ人のそれということでどうしようもないとしても、闘いがない日常でもそれなりに生きていけて、それを悪くないと思えるのは「地球人」としての自分の一面で、近しい者に危害が加わることは良しとはしないあたり、色濃いことだ。

     穏やかな昼下がり。
     最近自分から望んでやるようになった農作業も終えての、自由時間。悟空には瞬間移動があるので西の都にでも行ってベジータと組手などすることも多いのだが、この日はパオズ山の自宅に居る。

    「ん。大丈夫だべ、ビーデルさ。ちゃあんと出来てるだよ」
    「本当ですか…?」
    「んだ。やり始めたばかりのおらよりも、ずうっと上手だ」

     この時間は窓から入ってくる陽光で陽だまりになるソファに、ビーデルとチチが並んで座っている。
     ビーデルの手には鈎針が握られていて、彼女はいつもは勝気な眉を少しばかりハの字にしながら手を動かし、ソファ前のテーブルの上に乗せられた籠の中の紫の毛糸玉がゆっくりと回る。編み物をしているのだ。

     ビーデルは悟飯のハイスクールのクラスメイトだが、それ 1835

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    TRAINING悟チチ版ワンドロワンライ『天下一悟チチ武道会』
    第6試合 お題『アイス〜ICE〜』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
    孫家の日常は多分どちらかといえば慌ただしいイメージかもしれない。

     それは確かに事実でもある。
     なにせ、パオズ山は緑豊かといえば聞こえはいいが、実際は大型肉食獣も住まう辺境という言葉が相応しく、人が住む場所といえば限られていて村と呼べる存在は山の麓の方にあり、そこから町、都会へとなるとずっと遠くなりそれなりの移動手段が必要だ。

     そんな場所で暮らしているものだから、ハイスクールへの登校にも時間がかかってしまう。孫家の長男、悟飯は時間にルーズではないがやはり朝はばたばたしがちだし、悟飯や悟天の父親である孫悟空が現世の人として戻ってきたため家事(主に食事面)が増えたため子供達の母であり、悟空の妻であるチチも所々は慌ただしい。
     しかしながら、子供達が成長すれば各々時間の使い方はうまくなっていくし、悟空に至っては修行に出てしまえば家を不在にする時間も長くなり心配はするものの家事の負担は減る。

     あと、これは知るものは孫家の面々くらいだが、農作業が終わり昼食も終わったあとの孫家は意外とのんびりとした時間が流れる。

     茶を淹れて、ゆっくりと飲む時間。
     それはチチがひとりで家を支えてい 2050

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    TRAINING【第12試合】『ベンチ〜bench〜』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
    「お義父さんってお義母さんのこと、本当に大好きよね」
    「? いきなりどうしたの、ビーデルさん」
    「ごめんなさい、特になにかあったとかじゃあないんだけど、なんていうのかな、しみじみ分かっちゃって。お二人の子供である悟飯くんにはそんなの当たり前じゃないかってなるかもだけどね」
    「いや、息子だからこそ気付けていないところって多分あるんじゃないかな。ちなみに…ビーデルさんが思ったのってどういうの?」
    「えっとね。ほら、今日みんなでお出かけしてて、ちょっと喉が渇いたからって今このお店飲み物買おうとしてるでしょ」
    「悟天のやつはジュースもアイスもってなってて悩んでるのに付き合ってる僕たちだよね」
    「そう。で、お義母さんはちょっと疲れたからってあそこのベンチで座って待ってるってなったでしょ。それに、お義父さんが一緒に座って待ってるっておっしゃったときに思ったの」
    「父さんが母さんのことを好きだなって?」
    「うん。だって、ちょっと怒られそうだけど、お義父さんこそ悟天くんと一緒に何食べよう、何を飲もうって悩みそうなものじゃない」
    「確かに。飲み物は適当でいいっていうのは父さんっぽいけど、『疲れたから座っ 767

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    TRAINING第14試合『猿〜MONKEYサル〜』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
    ある日突然、出会ったころのような少年の姿になって自分の元に戻ってきた夫は元の姿に戻るを通り越して、スーパーサイヤ人の別の形態を得た。
     それまで髪に宿していた金色は瞳の色へと変わり、スーパーサイヤの三つ目のときほどではないが髪は背後に流れるほどの量がある。
     朱の隈取に同じ色の体毛。同色の尻尾を持つ夫は素直にかっこいいとチチは称し、その姿で近づかれても金色のスーパーサイヤ人を初めて見たときのような拒否反応は起こさない。
     それが嬉しいような、どことなく複雑なような、とは悟空の心境だ。

    「スーパーサイヤ人3んときもそんなおら嫌がらなかったべ? 髪もふもふさせてもらったもん」
    「ありゃあいい加減普通のスーパーサイヤ人とかである程度慣れてたってのもあんだろ。いっちゃん最初になって見せたときとかはまぁ不良だなんだ言われたし、悟飯のときもそうだったじゃねぇか」
    「悟空さ結構根に持つタイプだべよな。普段は黒い髪の悟空さや悟飯ちゃん、悟天ちゃんが金色の髪になっちまうと髪を染めて不良になってるってイメージになっちまってたからなぁ。我が子が非行に走るのを嘆くのは親の本能だべ」
    「オレはチチの子供じゃね 1730

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    TRAINING第16試合『Freestyle』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
    「我流?」
    「んだ。悟空さの武術スタイル。亀仙流…神様、界王様やあの世のお偉いさんとか、今じゃあウィスさんって破壊神のお付きの天使様に修行とかつけてもらってて、その教えはあるかもしんねぇけど、ほとんど我流だべ」
    「まぁ……そうなるの、…か?」
    「なんでおめぇさが疑問形なんだべ」
    「いやー、別に嫌とかじゃあねぇけんど、なんかヘンテコかと思ってよ。チチは…亀仙流だよな」
    「んだ。おっとうからみっちりと教わった正統派亀仙流だべ」

     型見せるだか? と、腰を落とし両手を持ち上げて構えをとるチチは凛として華の如く。美しい武だ。

    「ほんっとキレイなもんだよな」
    「悟空さの構えもてぇしたもんだよ。この人にはかなわねぇって肌ぴりぴりするだよ」
    「オラおめぇにそんな気ぶつけたか?」
    「ねぇな」
    「だよな」
    「我流ってのがしっくりこねぇべか? 一応いろんな教えをたくさん持ってて、それ全部ひっくるめて修行して発展させてるってのが今の悟空さだと思うけんど。あ、言い方がちょっとカッコ悪いって思ってるんじゃねぇか、悟空さ」
    「言い方ぁ?」
    「んだ。悪くはねぇけんどちょっとなんかもうちょっとあるんじゃねぇかって 882

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    TRAINING第17試合『オオカミ〜Wolf〜』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
    「悟空さはオオカミみたいだ」
    「オラ、狼牙風風拳は使わねぇぞ」
    「なんでヤムチャさが出てくるだ。おめぇさのことだべ」

     時刻は深夜。夫婦の寝室。
     このふたつの言葉で状況はなんとなく察していただきたい。

     分かち合った身体の熱もほどよくおさまった後、チチは汗を流したいと今夜二度目の風呂に入った。
     汗を流すのが目的だったのでそんなに時間もかからず出てきたチチは寝着を纏いドレッサーの前で髪を好きながら、冒頭のセリフを口にしたというわけだ。

    「鼻が利くからか?」
    「ああ、確かにそれもあるだな。でも違うだ」

     髪を梳る手を止めずチチは鏡越しに笑っている。笑ってはいるが、その中に多少の別の感情も悟空には見える気がする。怒っているというほどではないが、呆れているともまた違うような。
     彼女から香る匂いも素朴な石鹸の香りで、強く感情が高ぶっている気配はない。

    「オオカミの愛情表現って知ってるだか?」
    「あいじょうひょうげん?」
    「んだ。今日、悟天が宿題の調べものかなんかで動物図鑑出しててな。だしっぱだったもんだからおらが片付けたんだけんど、何気にぺらぺらめくっててオオカミのページ読んだん 1351

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    TRAINING第19試合『人形〜Doll〜』

    #悟チチ版ワンドロワンライ
    #天下一悟チチ武道会
    #Gochichi60minOneDrawWriteChallenge #悟チチ #Gochichi
     ビーデルの義母曰く、夫は自分を家族としての買いだしなどには付き合ってくれるが、時々ふたりで都会に買い物にでかけようというと渋るので女としての意識はもうあまりないのかもしれない、とお茶を一緒にした際に苦笑交じりでこぼしたことがあった。

     確かにビーデルの夫の父親、孫悟空の思考や行動については多少、夫の母親であるチチに同情的になることもある。
     しかしながら、ビーデルは義父である悟空を責める気持ちは皆無だ。
     
     彼なりの、彼の妻への愛情を感じることを時折目の当たりにするからだ。
     それは日常に紛れており、また、彼の妻であるチチ本人がいないところで見られることが多い。

     例えば、昨日。
     悟空の孫娘パンが、ビーデルの実父であるサタンに買ってもらったという人形を見せた時に零した言葉がある。

     精巧な着せ替え人形で、幼い女児が好むかわいらしいドレスがいつくもあるそれを眺め、本物みてぇだなぁと感心していた彼が言ったのだ。

    「この服なんかチチに似合うだろうなぁ。こっちのやつとか、あんまチチは着ねぇ色だけど案外合うんじゃねぇかな」

     きょとんとしてるパンの前で眉間に皺を寄せて考え込む義父 753