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    mya_kon

    @mya_kon

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    mya_kon

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    30歳引きこもりニートの尾が、2歳の夏を拾う話です。まあ、あの、はい、誘拐………………………( ˘ω˘ )

    #夏尾
    natsuo

    喜べ世界! 運命だと思った。今まさに欲しいと思ったものが目の前で泣き声を上げている。これは俺が保護しないといけない。世界は俺に味方しているのだ。だから俺の行いは常に正しい。
     俺は熱のこもったアスファルトに膝をついてしゃがみ、泣き叫ぶ子どもに目線を合わせる。できるだけ優しい顔を作って「どうした?」とこれまた優しい声を出す。泣いていた子どもは驚きで目を丸くして、泣くのを止めた。
     ヒックヒックとしゃくり上げたまま俺を見上げる顔のあまりの可愛さに、早く気づいて良かったと心底思う。こんなに可愛かったら、俺以外のヤツが拐っていたかもしれない。
     でも安心してほしい。今から俺はお前を全力で守るから、もう怖いことも悲しいことも辛いことも起きないぞ。俺が母親で父親になる。望むのであれば兄にも姉にも弟にも妹にもなろう。……友人は他人だから嫌だな。妻や夫なら大歓迎だ。どんな関係であれ、家族がいい。一生切れない絆、繋がり、縁。
     俺とお前は今から家族になる。
     汗と涙で顔に前髪がぐちゃぐちゃに張りついている。可哀想に。俺は優しいのでその細い髪を整えてやった。指先が額に触れると、子どもは一際大きく驚いて飛び跳ねた。ははぁ、子どもってやつは何をしても可愛いんだな。そりゃ世の中の人間どもがこぞって子作りするわけだ。
     ついでに汗と涙と鼻水でべちょべちょの顔も拭いてやる。ハンカチもタオルも持っていないから俺のTシャツの裾しかなかったが問題はないだろう。ぐいぐいと顔を拭うが全然キレイにならない。拭いた端から汗が垂れる。子どもは汗っかきだと昔聞いた気がするが、ここまでとは。
    「ままぁ……」
    「俺がママだぞ。おいで、夏太郎」
     自分のシャツの胸元を握りしめた夏太郎が首を横に振る。俺はママじゃないっていうのか? ふざけるなよ。お前のママより立派なママができるというのに。
     俺はお前のママと違ってお前を叩かないし、一人にしないし、美味しい飯もたんまりとやる。金なら幸次郎からいくらでもむしり取れるし、家だって離れとはいえ二階建ての一軒家だ。家政婦が定期的にきて家の中はキレイにされているし、料理も洗濯もしてくれる。でもお前が俺の手料理が食べたいというなら考えなくもない。
     夏太郎、悪くないだろう? 今すぐあのボロアパートからうちに来るべきだ。いや違うな、もうお前はうちに来る。俺が決めた。こんな酷く暑い日に、クーラーも入れない家の中にお前を一人残すクソアマなんて忘れるべきだ。そうだ、俺だけがお前を幸せにできる。
    「夏太郎。ママは俺だ。あの女は帰ってこない。だから、ほら」
     両手を広げて夏太郎を迎え入れる準備をした。お前が俺を選ぶんだ。あの女のことなんて忘れろ。俺が今日からお前のママでパパで兄弟姉妹で妻で夫だ。
     泣き声を上げた夏太郎が縋るように俺の手を掴んだ。転がるように腕の中に入ってくる。
     俺はその小さな体を抱きしめながら「大丈夫だ、夏太郎」と繰り返し呟いた。
     大丈夫だ、夏太郎。もう怖いことも悲しいことも辛いことも起きない。俺とお前は家族になった。
     安心しろ、俺たちは世界から祝福されている。
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    mya_kon

    DONE「吸血鬼が生きる世界には、マッチョが血液を提供するバーがあるのでは?」というフォロワーさんの呟きに反応して、爆発した結果のものです。夏太郎が吸血鬼、尾形がマッチョバー店員やってます
    もっといっぱいください!「へー、血液パックの宅配もやってんだ……」
     俺がスマホでぽちぽち見てるのは亀蔵に勧められた「マッチョバー」の公式サイトだ。何でもそこで働いているのは筋肉隆々のマッチョたちで、店ではその人たちの血液を提供しているらしい。
     男の人しかいないかと思ったけど、女の人もいるんだな。前からマッチョの血液は美味しくて栄養満点とは聞いていたけど、何だか手が伸びなかったのは気軽に買える場所に店がなかったのと、なんとなーく飲んだら自分もマッチョになりそうで二の足を踏んでいた。
     マッチョになるのが嫌っていうか、マッチョになって制限がかかるのが嫌というか……。両腕が閉じれないとか、着れる服が限られるとか、注射の針が入りにくいとか聞いていて、えー、じゃあソフトマッチョぐらいがいいなぁ、と思っていたのだ。まあ、今はソフトマッチョを目指している最中だから、多少のマッチョ成分を取り入れたところで問題はないんだけどさ。
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    mya_kon

    DONEこれは……いつか本になるから……と自分に言い聞かせて書いた夏尾……フォロワーが描いた夏尾見て書いた……わああああああああってなりながら……書いた……いつか本になるから……原稿といっても間違いではない……………
    まぐれ、気まぐれ のし、と頭に重さがかかる。確認しなくても分かる。尾形さんが俺の頭の上に手を置いたのだ。しゃがんだ姿勢のまま、俺は木の陰から一匹の鹿を見る。
     遡ること一時間前。
     俺はもっと土方さんの役に立ちたいと思い、茨戸からずっと持っているピストルの腕を上げようと考えた。せっかくなら誰かに教えてもらいたいな、と思ったのでまず最初に有古さんと都丹さんに声をかけた。普段からピストルを使ってる都丹さんや、従軍経験から有古さんなら! と考えたのだ。ところが二人は用事があったようで断られてしまった。
     そうなるととても困る。残っているのは永倉さんと牛山さんと門倉さんとキラウシさんと尾形さんだ。その中で可能性があるとしたら……尾形さんだよなぁ。もちろん尾形さんだって従軍していたし、そうでなくても狙撃の名手だ。射程距離がちょっと変わったくらいで下手くそになるとは思えない。とはいえ、尾形さんにお願いしたところで聞いてくれるとは思えない。
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