Blue eyes 正直、俺は一気に夢ノ咲のトップに躍り出た『五奇人』とやらの人と成りをよくは知らなかった。
それどころじゃなかった、と言うのが一番。あの頃の俺は、自分のこととレオくんのことでいっぱいいっぱいだった。否、自分のことばかりだったのかも。衝突と分裂と離脱を繰り返すユニットの中で、自分が両足を地面につけて踏ん張るのが精一杯だった。
だから、天祥院が起こそうとしていた大きな流れのことなんてそこまで深く考えていなかったし、「なんで?」と叫んでいる間に全てが終わっていた。
当然、外野の連中のことなんてよく知らない。
その中で、斎宮のことは何度かレオくんと話しているのを見かけているから知っていた。やたら熱心に議論をする姿は、その他の人たちの会話も比べたらだいぶ仲が良さそうに見えた。取っ組み合いの喧嘩を始めそうになった時はひやっとしたけど。
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