Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    まどろみ

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 40

    まどろみ

    ☆quiet follow

    七灰生存ifで例の二択。二人の相互理解と周りの評価が真逆だと面白いよね

    #七灰

    どっちもタイプ任務のない平日の放課後。コンビニで菓子を買い込み教室に戻るといつもはこの時間にここにはいないはずの教師と大人がいた。
    「お疲れ様です、灰原先生、七海さん」
    「ナナミン!久しぶりー!」
    「こんにちは」
    七海に懐いている虎杖が彼の元へ駆け出した。虎杖のためにここにいる伏黒としては複雑な気持ちである。そんな心境を察したのか灰原が伏黒に疑問を投げた。
    「こんな時間に教室に来るなんて珍しいね、忘れ物?」
    「いえ、二人で自習をしようと思って。小腹が空いたので始まる前にコンビニに行ってきたんです」
    「そうそう。今日の授業でわからないことがあったから伏黒に教えてもらうんだ」
    話しながら教科書を取り出し机を動かす虎杖に伏黒は胸を撫で下ろした。
    「二人はなんで教室に?」
    「最初は職員室にいたんですが、夜蛾先生の五条さんへのお説教がはじまりまして」
    「巻き込まれる前に避難して来たんだよ」
    だけど勉強の邪魔になりそうだし戻ろうかなと灰原が言うと虎杖が慌てて止める。
    「せっかくだから灰原先生も教えてよ!」
    「ええ?」
    「虎杖くん、先生の仕事の邪魔をしてはいけませんよ」
    「ナナミンもお願い!」
    「…いいでしょう」

    ***

    「さっき行ったコンビニでさー」
    自習改め勉強会が始まって一時間と少し。現状に飽きてきた虎杖が雑談を切り出した。
    「セクシーかキュートか二択を迫る歌が流れてたんだよね」
    「なつかしいね!」
    「それで、帰り道で高専のみんながどっちのタイプかって話をしてたんだけど」
    だよな!と話をふる虎杖に頷く伏黒。学生の他愛のない姿に青春だなと大人たちは目を細めた。
    「ナナミンと灰原先生はーーー」
    「七海がキュートで」
    「灰原がセクシーで」
    「ナナミンがセクシーで」
    「灰原先生がキュートで」
    「「「「えっ?」」」」
    四人の声が重なった。お互いの表情を見て聞き間違いではないことを確認する。少しの沈黙の後、最初に口を開いたのは灰原だった。
    「好きなパンを食べてる時とか、定時に帰れなくて拗ねてる時の七海って可愛くない?」
    「俺はナナミンがネクタイを緩めるのとか、相手を吊し上げる時とか大人!ってかんじでかっこいいと思った!」
    「灰原先生は笑うと童顔が際立って可愛らしいです」
    「…」
    「ナナミンは灰原先生のどこがセクシーだと思ったの?」
    無邪気に聞く虎杖に言いあぐねる七海。その耳が赤くなっていることに気づいた灰原は「ところで虎杖、二問目計算間違えてるよ」と助け舟を出すのだった。

    ***

    「セクシーな僕を思い出す時、何考えてた?」
    高専からの帰り道。隣を歩く灰原が笑いながら問いかけてくる。何とは。ナニに決まってるだろうに。
    「…服の裾で汗を拭く仕草が色っぽいと思っただけだ」
    「ふーん?」
    急拵えの回答をしどろもどろに言う七海に、教えてくれたら今夜サービスしようと思ったのになーと服を捲って見せる。
    この小悪魔め、いやそう育てたのは自分だけれどもと帰宅まで煩悩と葛藤する七海であった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😍☺☺👏👏🙏💘💞💒💘😍❤💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    まどろみ

    TRAINING七灰♀。バレンタインデーとホワイトデーの続き。ほのぼの
    可愛い君がいっぱい見たい単独任務が終わり、次の任務に行く補助監督を見送り徒歩で帰宅する。その道中で女性物の服屋にある一つのマネキンに目が止まった。正確にはマネキンが着ている服に。白のブラウスにカーディガン、ロングスカートとショートブーツという春らしい装いだ。
    (これなら灰原も着てくれるだろうか)
    頭に思い浮かべるのは愛しい恋人の姿。彼女の名前は灰原雄、高専の同級生だ。付き合いだして半年経つが七海には悩みがあった。等級違いの任務で負傷して以降、彼女が男物の服しか着ないのだ。それまで制服は通常の上着とカスタムのキュロットを着用していたのに、復帰時には上着は短ランに、キュロットは男子と同じズボンに変わっていた。私服も今までは可愛らしいものが多かったのに、最近はパーカーとジーンズのようなシンプルな装いばかりになっていた。それが彼女の好みなら文句は言わない。しかし、一緒に出かける時に同性に羨望の眼差しを向けていることを七海は知っている。だからこそやるせなかった。一度「前みたいに可愛い服は着ないのか?」と聞いてみた結果「可愛い服の似合う女の子と付き合えば?」と返され大喧嘩に発展してしまったので以降服装の話題は出さない様にしている。格好いい彼女ももちろん素敵だが、それ以上にいろんな姿の彼女が見たいというのが本音だった。
    2500

    recommended works