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    寝相が悪い鶴丸の話

    #くりつる
    reduceTheNumberOfArrows

    夢遊 大倶利伽羅が顕現する前、当初光忠は鶴丸とふたり部屋だったのだという。
     しかし鶴丸の寝相がかなり悪く、そのせいで光忠は夜に眠れなくなってしまった。光忠は朝餉の支度のため朝早く起きることが多く、鶴丸の寝相によって夜起こされるのは辛い。ごろんごろんと布団から転がり出る鶴丸に対しては呆れと心配がある。特に冬場などは鶴丸が布団から転がり出て風邪を引いてしまうのではという不安から、余計寝付けなくなってしまった。
     そんなときに顕現したのが大倶利伽羅である。大倶利伽羅は鶴丸との付き合いが長く、鶴丸が布団から転がりでれば足蹴にして布団へ戻せるくらいには遠慮がない。
     かくして光忠は鶴丸との相部屋を解消し、その代わりに大倶利伽羅がそこへ収まることになった。
     意外だよ、と光忠が苦笑する。
     相部屋になるまで、鶴さんがあんなに寝相が悪いとは思わなかった。そういうタイプには見えなかったからさ、と。
     あれはただ、探しているだけだろう。
     鶴丸は眠っている間、無意識に探している。しかしおそらくそれが見つからないであろうことを、大倶利伽羅は知っていた。
     なにを、と光忠は首を傾げた。
     大倶利伽羅は短く答えた。

     ——土の下へと帰る方法。
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    PROGRESSセンチネルバース第三話 進捗報告 後半も書き終わったらまとめて推敲してぴくしぶにあげます
    忘れ草③進捗 耳を劈く蝉の鳴き声、じめじめと肌に纏わりつく湿気、じりじりと肌を焼く灼熱の陽射し。本丸の景色は春から梅雨、そして夏に切り替わり、咲いていたはずの菜の花や桜は気付けば朝顔に取って代わられていた。
     ここは戦場ではなく畑だから、飛沫をあげるのは血ではなく汗と水。実り色付くのはナス、キュウリ、トマトといった旬の野菜たち。それらの世話をして収穫するのが畑当番の仕事であり、土から面倒を見る分、他の当番仕事と同等かそれ以上の体力を要求される。
    「みんな、良く育っているね……うん、良い色だ。食べちゃいたいくらいだよ」
    「いや、実際食べるだろう……」
     野菜に対して艶やかな声で話しかけながら次々と収穫を進めているのは本日の畑当番の一人目、燭台切光忠。ぼそぼそと小声で合いの手を入れる二人目は、青白い顔で両耳を塞ぎ、土の上にしゃがみ込んでいる鶴丸国永だ。大きな麦わら帽子に白い着物で暑さ対策は万全、だったはずの鶴丸だが仕事を開始してからの数分間でしゃがんで以来立ち上がれなくなり、そのまますっかり動かなくなっていた。燭台切が水分補給を定期的に促していたが、それでも夏の熱気には抗えなかったようだ。
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