死んだはずの五が歌のところに転がり込んでくる話おまけ こんな生業なのだからと、遺書を書くよう命じられた。
「つってもなー……」
思ったことも言いたいことも、全て、その場でそのまま吐き出して生きている。生前には胸の内に秘めた感情を、死後になってから態々伝えたいとも思わない。
日々を懸命に生きていた。
慢心などは微塵もなく、ありふれた日常にすら全力を尽くすことを旨とする。
後悔なく、生きなくては、ならないのだ。
迷いを抱えて死ぬわけにはいかない。
死地に赴き悉く敵を祓うのが僕に課された役割で、そこに僕の命は一切勘定に含まれず、最強を自負しながらも僕もまた所詮はいつか死に至るだけの生命に過ぎなかった。絶対、はありえない。万が一のその時に、呪術師のまま、訪れた死を受け入れることもまた僕の仕事である。
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