恋文驍李小話①
土木作業で長期間白圭宮を離れている李斎の元へ、1通の書状が届く。
夜、世話役の若い女が寝支度に李斎の天幕へ入ると、李斎は開いた書状に向かい、首を傾げている。
「李斎様?」
李斎は共に考えて欲しい、と女を手招きした。
「暗号文が届いた。手掛かりは文面にあると思うのだが、見当もつかない」
書状には変わりはないか、と李斎を気遣う文章から始まり、送り主の様子を簡単に記し無事に帰還する事を願うと結ばれていた。
「私もわかりかねますが……李斎様はこの書状のどこが暗号文だとお気づきになったのでございますか?」
「これが解く鍵だと思う」
李斎が指した文末には→
驍李小話②
『xo』という記号が記されていた。
女は顔を赤らめると、慌てるように李斎に問う。
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