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    other8e

    ジャンルよろずの腐。倉庫代わり。現在@8e1eにひきこもり中。
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    POIPOI 139

    other8e

    MOURNING両片想い時計が夜の9時をまわった頃、玄関の扉を遠慮がちに叩く音が聞こえた。
    その音で先日壊れたイン夕ーフォンをそのままにしていたことを蘭丸は思い出す。
    ちょうど今はベースの練習もしておらず音の鳴る機器もつけてなかった。場合によっては居留守を使おうと動きを止め、外の物音に聞き耳を立てる。
    アイドルという肩書きの身分としてはいささかセキュリティーに難のある部屋に住んでいるため、静かにしていると外の物音がよく聞こえるのだ。それはもちろん反対に外からも聞こえるということだ。身じろぎせずに外の気配を探っている間も、コンコンという音は少し間を開けながら続いている。そして周囲を気にしてトーンを下げているのか、かすかだが人の声も聞こえた。
    こんな時間に誰だよと思うも、すぐにこんな時間にアポ無しで来る人物は一人しかいないと、蘭丸はソファから腰をあげ玄関へと向かう。
    扉の前まで来ると先程よりははっきり聞こえる声に思い浮かべた通りの相手ががいることが分かった。蘭丸はこれから起こるだろう迷惑事に対する意趣返しだと、知らぬふりでドアの外に向けて声をかける。
    「どちら様ですか」
    「良かったランランいるんだね。ぼくだよ、ぼ 7567

    other8e

    MOURNING恋愛感情じゃないと思ってる嶺二。
    まえにTwitterにあげたような気もするけどみつからなかったのでこちらに。
    ランランと過ごす時間は心地良いし、楽しい気持ちになるから好きだ。それは恋愛感情とは別だったけど、ランランから告白された時に居心地の良さを取りOKした。好きって言葉は便利だ。LikeでもLoveでも使えるから。
    「ぼくもランランのこと好きだよ」
    まさかぼくからそんな答えが返ってくるとは思っていなかったようで一瞬目を見開いた後、ほっとしたような、嬉しそうな、泣きそうな顔は幸せそうな笑みへと変わった。ぎゅっと抱きしめられれば、触れ合う部分はとても熱くて、ランランの高揚が伝わってきてなんだかぼくまで嬉しくなってしまった。
    こうしてぼくとランランのお付き合いが始まった。


     付き合う前からランランが結構スキンシップは嫌いじゃないし優しい男だというのは知っていたけど、交際を始めてからはよりいっそうそれを知ることになった。
    どちらかの部屋に遊びに行った時なんか、ソファじゃ隙間を空けずにぴたりとくっついて座ったり、たまに後ろから抱きかかえられることもあるし、膝の上に座らされたこともある。さすがに最後のはちょっと恥ずかしかったけど、ランランはとっても満足そうだった。
    寝る時は隣でくっついて眠るし、いっ 2025

    other8e

    MOURNING幸せであれ
    ※しじみ食べたことないので食感は検索してみたけど実際のところ知りません
    「嶺二」
    ぼくの名前を呼ぶ声にゆっくり目を開けると、ベッドの端に腰をかけたランランの姿があった。
    「おはよう、嶺二。やっと起きたな」
    ランランはぼくの頬をそっと撫でてふわりと微笑む。少しくすぐったい。カーテンの隙間から射し込む陽の光が、ランランのまだセットしていないふわふわの髪の毛を明るく照らしてきらきらと輝いている。
    「いまなんじ?」
    身を起こしながら聞くと、7時だと教えてくれた。ちょうどいい時間だ。
    体を起こしたものの疲労の残る体はまだ少しだるくて、ベッドの上でぼうっとしてしまう。ランランの小さく笑うような声が聞こえたかと思うと、ぎしりとベッドの軋む音と唇に優しく触れる感触。それにうっとりとする間もなくランランはぼくから離れて、物足りなさを感じて見上げるぼくの髪を大きな手でくしゃくしゃとかき乱した。
    「ちょっとー!」
    「目ぇ覚めただろ?朝飯作ってあるから早く顔洗ってこい」
    「うん」


    着替えは後回しにして、顔を洗って歯を磨いてリビングに向かうと、美味しそうな匂いがぼくを待っていた。
    「わー!すっごい!和食だ…!」
    テーブルには、お味噌汁に焼き鮭に卵焼きが並んでいて、どれもまだ白い 2846