Recent Search

    nainaisokoniha

    @nainaisokoniha

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 19

    nainaisokoniha

    DONE妄想してたら出来た学パロの室志(カプ描写なし)
    志摩野鷹也ハピバの室井の話。
    学パロだから2人が少し青くさい。
    学パロハピバ室と志 誰かがプロフィール帳に書き留めていたものから始まったようだった。
     自分の手帳の日付にも彼の行動予定などと同じように記しているが、今日は志摩野さんの誕生日だった。朝から色々な生徒が彼の元に来て何かしらの贈り物を手渡している。昼食時、横に座っていた男子生徒も、「おめでと〜」とコンビニで買ったような菓子を軽く渡していた。彼はどれもにこやかに受け取り、礼を言って自分の鞄にしまっている。
     放課後は学校に用はなく、そのまま下校する予定だった。そんな中でも、志摩野さんは廊下を歩いていると何人かの生徒に呼びかけられ、言葉と共に贈り物を渡されていた。
     次々と手渡される光景に、ずっと胸の内がわずかに落ち着かない。それは焦りに似た何かだという自覚がある。自分以外の誰かは、ただひたすらに祝福の言葉をかけたり贈り物をしたりしている。そんな中で自分だけが何もしていないような感覚が、無意味に思考を包んだ。しかし、自分という立場の人間が何かを贈るなど考えもつかない。仕えている側である人間が、何かを渡そうという気にはならない。この日が来る前からずっと、そんなつもりもなかった。だから色々な生徒が彼に祝福を手渡すのを後ろからただ見ているだけでいる。
    6672

    nainaisokoniha

    DONEモブ志要素、室と志
    ワンドロライお題お借りしたもの!
    ネタバレがある
    とても捏造
    濁り 車が行き交う街の中、後部座席のドアが軽く音を立て閉められた。ハンドルを握りながら視線を左の開けた窓へ移すと、車から降りた彼はドア越しにこちらを一瞥する。
    「2時間後、また来い」
    「了解です」
     別れの合図の代わりに、彼はスラックスのポケットに軽く両手を入れ、近頃仕立てたジャケットの裾を翻し車から離れていった。その背が向かって行ったのは、パーティー等の会場としても訪れたことのあるホテルのエントランスだ。彼が予定の詳細を伝えず、高さのある白い建物へと一人で入っていく様は、初めて見るものでは無かった。


     手帳を埋める手が止まった。
    「お会いするだけ、ということですか?会合などではなく」
     彼が初めて相手方との予定を自分に伝えた時、指定した時間も内容も曖昧なものだった。新規の取引先ではなかったが、懇意にし始めた会社の取締役との予定だった。思わず彼の言葉に聞き返してしまったのは、何の話をするために二名が対面するのか、詳細を推測できず焦りもあったからだった。長い間傍で業務を支えた身に、わずかな不甲斐なさが染みた。「まあ、会社の話もするだろ」、そう触れただけで、その後も数回同じようなことが繰り返された。曖昧な内容、不規則的な時間。しかし場所はいつも変わらず同じ、目の前のホテルだった。
    3570

    nainaisokoniha

    DONEフラバの二次です。
    捏造・設定大無視・作中レベルの絞首表現有り。
    第1回ワンドロワンライ企画への参加文章です。
    万に一つも 暗闇にいる。クリニックから帰った後、何をしたかはっきり覚えていない。ここはわが家なのか。自分はまだスーツを着ていて、何かが不安で、膝を立てて地べたに座っている。今日も疲れた。ここ最近は精神的に疲弊しきって、情緒が乱れているからだ。日常の中のほんの僅かな時間でも、先生が言っていたフラッシュバックが起きただけで、夜も眠れた気がしなくなる。心臓の位置が常に上にあがっているような不快感がずっと続いている。あいつが。そうだ、あの男が、俺の頭の中にこびりついているからこんな事に。対面したこともないあの男の歩幅が、足音が、息遣いが。

    乾いた、コロコロと何かが転がる音。今この瞬間明確に聞こえた、しかし自分の口からなのか脳内の音なのか分からない飴の音。聞きたくもない響きに両耳を塞ぐ。今自分の口は開いていて、不自然な息をしているから、自分の口からの音では無い。そんな分かりきったことは認識出来る。しかし、耳を塞いでなお脳内に響く飴の音が大きくなって、同時に鎖の音が聞こえて、何が起こっているか分からない。無力感が恐怖と共に体内を渦巻いて生きている心地がしない。
    3632