Are you going to ***? 瓦礫が崩れる轟音と共に、水が形を留めずに落ちていく。
「――花牟礼さ、ん?」
引き[[rb:攣 > つ]]れるような感覚が消えない喉を動かして、名前を呼ぶ。呼びかけへの[[rb:応 > いら]]えはない。
突然細い何かが絡みつくような、冷たく嫌な感覚に足を動かす。
「はなむれ、さん」
一面の瓦礫。声を上げる。呼びかける。
深海のように暗く、閉じた夜に明かりはない。
ただ影ばかりが落ちていて、音すら帳の向こうにあって。姿は見えない。声も聞こえない。どこに居るのかも、分からない。なのに、剣は[[rb:刃毀 > はこぼ]]れもせずに輝きを残していた。
こん、と乾いた咳が、やけに息苦しい喉から落ちていく。
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