こいびとが(幼児水×麿)「恋人がサンタクロースなんだよ、水心子ぃ!」
加州が半分閉じかけの目をしてそう喚きグラスをテーブルに置く。その目の前できょとんとする幼児を眺めながら、鶴丸は引きつった笑いを漏らした。
「……また、ずいぶん派手に酔ったなあ、きみは……」
珍しくも泥酔しきった加州清光は、だって、と声を上げたあと唐突に泣き出した。子供のように声を上げてである。本物の幼児の身の水心子はびっくりしたように肩を跳ねさせたので、そっとこちらに引き寄せた。
「だって、だってさあ、せっかくのクリスマスなのに! こんな日に一人にするとか主ばかだよ~! 恋人がいなくたってせめて仲間と祝いたいのに! なんで俺だけ残して出陣なのさ~!」
びえええ、と表記するほかない泣き声に、さすがに同情心は湧いてくる。
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