【猫耳ブラネロ】奇跡に感謝を「で、どうだったよ」
「う」
フィガロのところ行ってきたんだろう、と、ブラッドリーが耳をイカ耳にした。長く綺麗な毛並みの黒い尻尾をシタン、シタン、とベッドに打ちつけながら、自分を見上げてくる男を見て、ネロは途方に暮れた。
フィガロに診てもらってくる、と伝えたのは自分だ。
結果を知りたがる彼が部屋で待ってるだろうことは予測できていた。ずっと心配をかけていたことは流石に自覚しているし。
でもまさかあんな診断をされると思ってなかったものだから、どうしたものか。
できてしまった、なんて、言ってブラッドリーはどう反応するだろう。
ぎゅう、と、胸が痛くなるような圧迫感に苦しくなる。小さく震えた唇と、力なく寝てしまう耳に、ブラッドリーが訝しげに眉を顰めた。
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