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    Satsuki

    短い話を書きます。
    @Satsuki_MDG

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    Satsuki

    CAN’T MAKEだいぶ冗長的な文章になってしまいうーんな出来になってしまった。脱走フェリの続きです。ひとまずぶち切って終わりにした感。
    捕虜設定はざじさん(@zazi_333)の素敵な捕虜フェリ創作からお借りしております。いつもありがとうございます。
    シルヴァンはしゃがみ込み、床に倒れ伏したまだ歳若い男の首に手をやった。まだ温かなその体は、昼までは食堂で勤勉に動き回っていたものだ。
    「どうだ?」
     ディミトリが静かにそう聞くと、シルヴァン首を横に振った。
    「だめですね。首を折られてます」
    「あいつ、やるな」
    「腕の力は、弱ってなかったですもんね」
    「ああ……さて、それじゃあ追いかけるか」
     どこか楽しそうに言うディミトリに、シルヴァンは立ち上がって暗い廊下を見つめた。所々に燭台があるが、この冷たく寂しい道を、フェリクスはどこまで進んでいったのだろう。

     ハァハァと荒い呼吸を吐きながら、フェリクスは床に爪を立てる。辺りの様子を確かめるために首を大きく動かさなければならなくて、体中の筋肉が悲鳴をあげていた。簡素な服はまくれ上がり、硬い石造りの床に擦れた膝や腕には無数の細かな傷ができ血を滲ませ始めている。ここはどこだ?目線の高さが変わってしまったせいで、距離感が全く掴めない。おまけに、さっきから同じような場所を延々と巡っているような錯覚に陥っている。いや、それが錯覚なのか、本当に同じ場所から動くことができていないのか、それすら分からない。
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    Satsuki

    DOODLE雪女パロ的なシルとフェリ。書いた人はフェリを美人だと思っています。
    山の天気は変わりやすい。サク、と、踏み出した足は膝までパウダースノーに埋まり、幼いシルヴァンは自分の吐き出した息の白さに視界を阻まれ途方に暮れた。
     数を教えてくれたのは兄上だった。1から1000まで数えられるようになったから、ウサギを見に連れて行ってやる。そう言う兄の温かな手に引かれて、シルヴァンは父や母に黙って家を遠く離れる不安に蓋をしていたのだが、マイクランが山の中腹で手を離したので途端にさびしくなった。
    「いいか、俺がうさぎを巣から追い立ててくるから、お前が捕まえるんだ。ここで、1000を1000回数えて、待ってろよ」
    「1000を1000回も?」
     シルヴァンはびっくりした。そんなに数えられるだろうか。両手の指は10本しかないのに。しかし泣き言を言ったら兄は怒り出してしまうかもしれない。マイクランはどうも、弟がわがままを言うのが世界で一番嫌いらしいのだ。仕方なく、シルヴァンはマイクランの背を見送って、数を数え始めた。だんだん心細くなってきて、どうして兄について行かなかったのだろうと後悔し始めた。そのうちに天気が変わって、ちらちら雪が降り始め、シルヴァンは自分がいくつまで数えたのか分からなくなってしまった。
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    Satsuki

    PROGRESS脱走フェリをお散歩させる。フリートしてた話の進捗です。そのうち続きを書くと思います。
    シルヴァンはしゃがみ込み、床に倒れ伏したまだ歳若い男の首に手をやった。まだ温かなその体は、昼までは食堂で勤勉に動き回っていたものだ。
    「どうだ?」
    ディミトリが静かにそう聞くと、シルヴァン首を横に振った。
    「だめですね。首を折られてます」
    「あいつ、やるな」
    「腕の力は、弱ってなかったですもんね」
    「ああ……さて、それじゃあ追いかけるか」
     どこか楽しそうに言うディミトリに、シルヴァンは立ち上がって暗い廊下を見つめた。所々に燭台があるが、この冷たく寂しい道を、フェリクスはどこまで進んでいったのだろう。

     ハァハァと荒い呼吸を吐きながら、フェリクスは床に爪を立てる。辺りの様子を確かめるために首を大きく動かさなければならなくて、体中の筋肉が悲鳴をあげていた。簡素な服はまくれ上がり、硬い石造りの床に擦れた膝や腕には無数の細かな傷ができ血を滲ませ始めている。ここはどこだ?目線の高さが変わってしまったせいで、距離感が全く掴めない。おまけに、さっきから同じような場所を延々と巡っているような錯覚に陥っている。いや、それが錯覚なのか、本当に同じ場所から動くことができていないのか、それすら分からない。
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    Satsuki

    DOODLEレトユリアシュのようなユリアシュのようなもの。アッシュくんがかわいそう。
    「君とベレト先生が、キスしてるのを見たって人が……それって本当なの?」
     それを聞いて、ユーリスはハハッとアッシュを笑い飛ばした。笑い声を聞いて、アッシュはカッと顔を赤くする。言うべきじゃなかった。彼の気を引きたい一心で口走ってしまったその噂話は、下品だし、本人に確認するようなことではなかった。でも、彼に振り向いてほしかったのだ。青獅子学級に来た時からピンと来ていた。ローベ伯のところにいた子でしょう、と話しかけても、どうやらユーリスはあまりその話をしたくないらしく、疎まし気な視線を寄越しただけだった。僕はロナート様のところにいたんだ、と自分の話をしても、「ふうん」「そうかよ」としか返事してくれない。一緒に草むしりをしても、馬の世話をしても、ユーリスは何故だかアッシュに冷たい。冷たいように、見える。実際彼は、青獅子学級の面々と一線を引いているようだった。アビスというところがどんな場所だか、詳しいことは知らない。だが、アッシュには想像がついた。親を亡くして、行く当てもなく兄弟と彷徨ったあの街。人々の視線。生きるために仕方なく、食べ物や金目のものを狙って盗んだ、あのときの自分。今ではとても恥ずかしい過去だけど、もしかしたらユーリスは今、そんな状況なのかもしれない。先生とキスをしていたという噂だって、ユーリスを貶めるためだけの誰かの作り話かもしれない。陰口を本人に伝えるなんて、してはいけないことだ。アッシュは急に胸がツンと痛んで、ユーリスの顔が見られなくなった。
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    Satsuki

    DOODLE猫フェリクスは可愛いというだけの話。捕虜設定はざじさん(@zazi_333)の素敵な捕虜フェリ創作からお借りしております。そろそろお借りしすぎなので自重します。
    フェリクスは猫だった。耳から尻尾にかけては月夜の森の中のような柔らかい黒色で、喉やふわふわの腹側は雪のように真っ白い猫だった。いつだっていかにも猫らしくぴんと尻尾を立てて、キッと周りを睨みつけて歩いた。天気の良い日は池のほとりで魚を眺めたり、木箱の上で日に当たったりして過ごす。気が向くと青獅子の学級でディミトリと授業を聞き、訓練場で生徒たちが剣や槍を振るったり、弓を引いたりする様を眺めていた。
     孤高で、気難しい猫なのに、生徒たちはフェリクスのことを可愛がる。アッシュはフェリクスのために魚の骨と肉とを分けてやり、メルセデスは柔らかな膝をフェリクスに貸したがった。アネットは温室でこっそり歌を聞かせてやり、ドゥドゥーはフェリクスが歌を聞いたまま、柔らかく盛った土の上で眠っているのをそっとしておいてやる。イングリットは食堂の机の下で、そっと自分の肉をフェリクスに分けてやった。ディミトリが真似をして肉を分けてやろうとすると、フェリクスはつんとして絶対に手を付けない。彼はディミトリが自分の食事を無感情に飲み下すのを、いつも気に入らな気に見つめていた。
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