miNa1423
CAN’T MAKEカブユウ(ユウリ成人済み)前回かきかけの話。
エスコートらしいエスコートはしてません。つまりかっこいいカブさんは不在です。
いや、最初からいなかったなぁ。
エスコートはいりませんお酒が飲める年齢になって参加することが多くなったけど、社交の場は未だになれない。
「よければこの後一緒に抜けない?」
露骨な夜の誘いに苦笑いを浮かべる。
隣にいたルリナさんはもっと露骨に眉間にしわを寄せ、口元を大きくゆがめていた。残念ながら私にはそれができるほどの度量はない。
男達はルリナさんの冷たい表情に気づいているのかいないのか、楽しそうに笑いながら、持っていたシャンパングラスを私たちに押しつける。淡いピンク色のお酒は、炭酸がはじける度に甘いチェリーの香りがした。
「すみませんが、私たち仕事で」
やんわり断りの言葉を紡ごうとしていたら、ルリナさんに口を塞がれる。
もごもごと、塞がれた口でルリナさんに何するのと抗議するが、細くて長い指が離れることはなかった。
5361「よければこの後一緒に抜けない?」
露骨な夜の誘いに苦笑いを浮かべる。
隣にいたルリナさんはもっと露骨に眉間にしわを寄せ、口元を大きくゆがめていた。残念ながら私にはそれができるほどの度量はない。
男達はルリナさんの冷たい表情に気づいているのかいないのか、楽しそうに笑いながら、持っていたシャンパングラスを私たちに押しつける。淡いピンク色のお酒は、炭酸がはじける度に甘いチェリーの香りがした。
「すみませんが、私たち仕事で」
やんわり断りの言葉を紡ごうとしていたら、ルリナさんに口を塞がれる。
もごもごと、塞がれた口でルリナさんに何するのと抗議するが、細くて長い指が離れることはなかった。
斑猫ゆき
CAN’T MAKE炭魘♀前提の彦魘♀。炭魘♀が結婚した世界線で今もひとりで生き続けている未亡人にょたんむと子孫の🎴彦くんのお話。真昼の空に月親戚の魘夢お姉ちゃんは、いつも黒い服を着ている。
お姉ちゃんはいつもお人形さんみたいに綺麗で、笑った顔を見せてくれる。片目が不自由で、いつも眼帯で隠しているけれど、それでも綺麗。
僕の背が何十センチも伸びる間に、お父さんが白髪が増えたなんて何回もぼやいて、お母さんがもうこの服は着られないってクローゼットの整理を何回もして、そんな時間がすぎても、お姉ちゃんは変わらず綺麗だった。お人形さんみたいに、なんにも変わらない。ずっと黒い服を着て、ずっと悲しそうな顔で笑っていた。
だから、僕は魘夢お姉ちゃんに聞いたことがある。お姉ちゃんは何歳なの、って。
そのときは、「炭彦、女の人に歳を聞くものじゃないよ」ってカナタお兄ちゃんに怒られたっけ。僕もすぐに失礼だってわかったから、お姉ちゃんにごめんなさいって謝ったんだ。だけどお姉ちゃんは怒った素ぶりも見せず、いいんだよって頭を撫でてくれた。あのとっても優しくて、それでもどこか悲しそうな笑顔で。
4099お姉ちゃんはいつもお人形さんみたいに綺麗で、笑った顔を見せてくれる。片目が不自由で、いつも眼帯で隠しているけれど、それでも綺麗。
僕の背が何十センチも伸びる間に、お父さんが白髪が増えたなんて何回もぼやいて、お母さんがもうこの服は着られないってクローゼットの整理を何回もして、そんな時間がすぎても、お姉ちゃんは変わらず綺麗だった。お人形さんみたいに、なんにも変わらない。ずっと黒い服を着て、ずっと悲しそうな顔で笑っていた。
だから、僕は魘夢お姉ちゃんに聞いたことがある。お姉ちゃんは何歳なの、って。
そのときは、「炭彦、女の人に歳を聞くものじゃないよ」ってカナタお兄ちゃんに怒られたっけ。僕もすぐに失礼だってわかったから、お姉ちゃんにごめんなさいって謝ったんだ。だけどお姉ちゃんは怒った素ぶりも見せず、いいんだよって頭を撫でてくれた。あのとっても優しくて、それでもどこか悲しそうな笑顔で。
T4Xv3
CAN’T MAKE最近ちょっと気になってるノスドラを、試しに書いてみたもの。あんまりカップリング感ないので師弟もしくはノス+ドラって感じです
結局週二で通う羽目になった 元来、吸血鬼という生き物は夜の世界の住人であり、人間よりもはるかに“あちら側”に近い存在なのだ。その性質上、人間が幽霊と呼ぶこの世の者でなくなった存在も知覚できるのは勿論のこと、より強い力を持つ吸血鬼にはそれらを祓う能力を持つような個体も存在する。
しかし、興味深いことにここで述べた“能力”というのは、よく言及される変身や幻覚といった吸血鬼の能力として知られるものとはカテゴリーが異なるのだ。つまるところこれは、吸血鬼からも「何の能力もない」と見なされる存在が実は“能力”を持っていました、という状況が起こり得ることを意味している。
閑話休題。竜の一族の末子が新横浜でトンチキに暮らす時分から、遡ること約二百年。時は、一族で最も虚弱で、何の能力も持たない子供が“氷笑卿”と呼ばれる吸血鬼に預けられた頃のこと。
3895しかし、興味深いことにここで述べた“能力”というのは、よく言及される変身や幻覚といった吸血鬼の能力として知られるものとはカテゴリーが異なるのだ。つまるところこれは、吸血鬼からも「何の能力もない」と見なされる存在が実は“能力”を持っていました、という状況が起こり得ることを意味している。
閑話休題。竜の一族の末子が新横浜でトンチキに暮らす時分から、遡ること約二百年。時は、一族で最も虚弱で、何の能力も持たない子供が“氷笑卿”と呼ばれる吸血鬼に預けられた頃のこと。