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    Deep Desire稲荷崎プリキュアパロ
    第2話 片割れの愛と秘密最近片割れの様子がおかしい。部活が終わると急いで帰ったり、恐れていたはずの主将と何やら話し込む姿を見て宮治は不審に思った。彼女でも出来たのだろうか、いやこの人でなしに限ってそれはないと考えた。プレーに支障が出ているわけでもない。それならばと知らん顔を決め込み、今日も1人帰り道たこ焼き屋に寄った。幼い頃から通い詰めているばあちゃんのたこ焼き屋。見た目は少し悪く日によってソースの量も違うが安くて美味くてばあちゃんは優しくて世界一だと思っていた。「なんや侑と喧嘩でもしたんか。仲良うせな、兄弟なんやし。家帰ったら侑にも分けたり」とおまけしてくれるばあちゃんに何も言えないまま、家に帰るまでに全部食べてしまった。そしてまた考える。最近の侑はやはりどこかおかしい。今日も遅くに帰宅した侑を問い詰めればあっさりと吐いた。「あんな、ずっと話したかってんけど、でもこれほんまは誰にも言うたらあかんねん。でもな、やっぱりサムには言っとかんと、あーでもあかんか……」「なんやねん。早よ言えや。」「誰にも言わんとってな」「わかった言うてるやん。」「実はな、俺な、プリキュアやねん。」口外してはいけないと北に強く言われていた侑だが、自分の半身のような治に黙っていることは出来なかった。「は? 俺結構真面目な話してんねんけど」「まぁそうなるわな……」そしてあの日の北の話を同じように語って聞かせた。もちろん実際にプリキュアとして戦ったことも。まるで信じていない様子だった治は、侑の真剣な口調に徐々にこの話はもしかしたら本当なのかも知れないと思った。
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