mitotte_kazu
過去のを晒すナイトさん(@haruorigin )の誕生日を祝うレドリアさん(@ryudran663 )の話。生誕祭Ⅲ 少し慣れてきた依頼をこなし、帰ってきた家の扉を開けるといやに焦げ臭い。眉間に皺を寄せたナイトが焦げ臭さの元を辿ると、台所だった。敢えてもう少し詳細を述べるならば、台所で炭化した何かを手にして泣きそうな顔をしていた英雄殿だった。
「……何やってんだよ」
どっと増した疲労感に顔を顰めると、目の前の彼は更に悲壮な表情になる。しどろもどろな彼の供述を要約すると、ケーキを焼きたかったらしい。
「卵と小麦粉と、砂糖でできるって……」
なるほどよく見ればレシピが広げられ、その周りには英雄殿が不慣れな戦場で奮闘した様子が伺えた。粉々に砕けた卵の殻と散らかった粉類、レシピの見出しからすると彼の手の上の物体はシフォンケーキになるはずのものだったらしい。思わず笑いが込み上げてきた自分に彼はまた萎縮した。
1696「……何やってんだよ」
どっと増した疲労感に顔を顰めると、目の前の彼は更に悲壮な表情になる。しどろもどろな彼の供述を要約すると、ケーキを焼きたかったらしい。
「卵と小麦粉と、砂糖でできるって……」
なるほどよく見ればレシピが広げられ、その周りには英雄殿が不慣れな戦場で奮闘した様子が伺えた。粉々に砕けた卵の殻と散らかった粉類、レシピの見出しからすると彼の手の上の物体はシフォンケーキになるはずのものだったらしい。思わず笑いが込み上げてきた自分に彼はまた萎縮した。
mitotte_kazu
過去のを晒すレドリアさん(@ryudran663 )とナイトさん(@haruorigin )が存在しない調理器具を買う話。調理器具「お、」
何気なくリムサ・ロミンサのマーケットを歩いていた時だった。ちょっと待ってろと声をかけてナイトが通り過ぎた店の前に戻る。待ってろと言われたものの自分も気になるのでレドリアがその後を追うと、調理器具の店のようだった。店員の説明を聞きながら、細かい部品のついた蓋付きの鍋のようなものを真剣な表情の彼が眺めていた。
「圧力をかけて煮込む事で、短時間で味が染み込み素材も柔らかく仕上がるんですよ」
オールドシャーレアンで研究、開発された最新の調理器具らしい。そんな研究までされていたのかと感心しながら彼と調理器具を交互に見つめる。仕組みはよくわからないが彼が悩むという事は良い品なのだろう。真剣に考え込む彼と一緒に店の前で佇む自分の背中を押すように、その鍋で作ったという塊肉の煮込みを一口分差し出された。味見を、という事なのだろう。オールドシャーレアンの研究者というよりウルダハ商人に近い手法に苦笑しながら、煮込まれた肉を口に運んだ。
3090何気なくリムサ・ロミンサのマーケットを歩いていた時だった。ちょっと待ってろと声をかけてナイトが通り過ぎた店の前に戻る。待ってろと言われたものの自分も気になるのでレドリアがその後を追うと、調理器具の店のようだった。店員の説明を聞きながら、細かい部品のついた蓋付きの鍋のようなものを真剣な表情の彼が眺めていた。
「圧力をかけて煮込む事で、短時間で味が染み込み素材も柔らかく仕上がるんですよ」
オールドシャーレアンで研究、開発された最新の調理器具らしい。そんな研究までされていたのかと感心しながら彼と調理器具を交互に見つめる。仕組みはよくわからないが彼が悩むという事は良い品なのだろう。真剣に考え込む彼と一緒に店の前で佇む自分の背中を押すように、その鍋で作ったという塊肉の煮込みを一口分差し出された。味見を、という事なのだろう。オールドシャーレアンの研究者というよりウルダハ商人に近い手法に苦笑しながら、煮込まれた肉を口に運んだ。
mitotte_kazu
過去のを晒すレドリアさん(@ryudran663 )の誕生日を祝うナイトさん(@haruorigin )の話。ちょっと昨年のとかと繋がってる部分があります生誕祭Ⅱ「そういや明日だな」
ナイトの呟きに反射的にカレンダーに目をやり、あぁ、とレドリアは納得する。予定はないよな?と当然と言わんばかりの声で問われ、勿論だと頷いて答えた。
「どこか食いに行くか?」
舌が肥えた彼のことだから提案に乗ればウルダハの中でも名店をピックアップしてくれるだろうが、首を振る。前に食べたあれがいい、と切り出してみると、目を瞑った彼は数回頷いていいぜと返してきた。胃袋掴まれてんなぁ、と揶揄うように言われ、熱くなった顔でこくりと頷く。
翌日。速やかに依頼を終えて帰宅すると早いな、とキッチンから彼の声がした。肉が焼き上がる香ばしい香りが漂う中で、彼が鍋と向き合っていた。香り高いスープの中でポポトが泳いでいる鍋を見つめていると、まだ途中、と苦々しく呟かれる。
1267ナイトの呟きに反射的にカレンダーに目をやり、あぁ、とレドリアは納得する。予定はないよな?と当然と言わんばかりの声で問われ、勿論だと頷いて答えた。
「どこか食いに行くか?」
舌が肥えた彼のことだから提案に乗ればウルダハの中でも名店をピックアップしてくれるだろうが、首を振る。前に食べたあれがいい、と切り出してみると、目を瞑った彼は数回頷いていいぜと返してきた。胃袋掴まれてんなぁ、と揶揄うように言われ、熱くなった顔でこくりと頷く。
翌日。速やかに依頼を終えて帰宅すると早いな、とキッチンから彼の声がした。肉が焼き上がる香ばしい香りが漂う中で、彼が鍋と向き合っていた。香り高いスープの中でポポトが泳いでいる鍋を見つめていると、まだ途中、と苦々しく呟かれる。