薬膳りんごカルピス
PAST旧同好会組がせつ菜のためにお披露目ライブのリベンジをする話『リベンジライブ』『今日の放課後集まれますか?』
気の抜けた通知音に促されるまま、寝ぼけ眼で画面を覗き込むと、同好会のグループチャットに新着のメッセージが入っていた。送信者はかすみちゃん。ユニットライブの打ち合わせかな?今日は同好会の活動もバイトもお休みなので予定は空いてたはず。
あれ?このグループってたしか──────
懐かしいな。まだ残ってたんだ。同好会が解散の危機に瀕していた際に、情報共有用としてかすみちゃんが作った4人だけのグループチャット。
『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』
グループ名こそ今と同じだが、招待されてるメンバーの数が明らかに少ない。メンバーはかすみちゃんにしずくちゃん、彼方ちゃんに、エマちゃんの4人。本来であればここにもうひとり、彼方ちゃん達もよく知る部員の名前があるはずなんだけど、あの時はその子の所在はおろか正体すらもわからなかったからなぁ。
3817気の抜けた通知音に促されるまま、寝ぼけ眼で画面を覗き込むと、同好会のグループチャットに新着のメッセージが入っていた。送信者はかすみちゃん。ユニットライブの打ち合わせかな?今日は同好会の活動もバイトもお休みなので予定は空いてたはず。
あれ?このグループってたしか──────
懐かしいな。まだ残ってたんだ。同好会が解散の危機に瀕していた際に、情報共有用としてかすみちゃんが作った4人だけのグループチャット。
『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』
グループ名こそ今と同じだが、招待されてるメンバーの数が明らかに少ない。メンバーはかすみちゃんにしずくちゃん、彼方ちゃんに、エマちゃんの4人。本来であればここにもうひとり、彼方ちゃん達もよく知る部員の名前があるはずなんだけど、あの時はその子の所在はおろか正体すらもわからなかったからなぁ。
薬膳りんごカルピス
PAST重めな中須の話『ぬくもり』昼休みが始まると、いつものように教室の片隅にある席に向かった。しかし、今日はいつもと違う。身体が鉛のように重く、胃のあたりに鈍い痛みが広がっている。最悪だ。よりにもよってこのタイミングで。
私は席に着くなり、そのまま机に突っ伏してしまった。
「かすみちゃん、大丈夫?」
廊下の窓際から声をかけられ、顔を上げるとそこには歩夢先輩が心配そうにこちらを見ていた。両手で抱えられた教科書やノートの類を見るに、どうやら移動教室の途中だろう。いつも笑顔の彼女が、今日は少し眉をひそめている。
「……大丈夫です あー、でもただ少し…疲れちゃって」
そう言ったものの、私の体調が悪いのは歩夢先輩の目から見ても一目瞭然なようで、無理に笑おうとする私に、歩夢先輩は優しく微笑んだ。
1022私は席に着くなり、そのまま机に突っ伏してしまった。
「かすみちゃん、大丈夫?」
廊下の窓際から声をかけられ、顔を上げるとそこには歩夢先輩が心配そうにこちらを見ていた。両手で抱えられた教科書やノートの類を見るに、どうやら移動教室の途中だろう。いつも笑顔の彼女が、今日は少し眉をひそめている。
「……大丈夫です あー、でもただ少し…疲れちゃって」
そう言ったものの、私の体調が悪いのは歩夢先輩の目から見ても一目瞭然なようで、無理に笑おうとする私に、歩夢先輩は優しく微笑んだ。
薬膳りんごカルピス
PAST同好会のみんなの夢を見た"あなたちゃん"の話『あなただけがいないまち』「どうしたの?すごくうなされてたよ?悪い夢でもみた?」
───夢を見ていた。同好会のみんなの夢。
私だけがいない部室で歩夢ちゃん達がマネージャーの女の子を囲んで、楽しそうに笑う夢。
『歩夢ちゃん…!私はここにいるよっ!歩夢ちゃん!』
近くで必死に叫んでも私の声はみんなには届かない。マネージャーの子と親しげに話す歩夢ちゃんは、心なしかいつもより楽しそうで、そんなみんなの姿を見ていると、まるで自分はこの世界に必要ないって言われてるみたいで、それが不安で、悲しくて───
「そっか。怖くなっちゃったんだね。大丈夫だよ。私はずっとそばにいるよ。」
そう言って私の頭を撫でる歩夢ちゃんの声は、いつもよりも優しい。
「ありがとう。歩夢ちゃん…」
488───夢を見ていた。同好会のみんなの夢。
私だけがいない部室で歩夢ちゃん達がマネージャーの女の子を囲んで、楽しそうに笑う夢。
『歩夢ちゃん…!私はここにいるよっ!歩夢ちゃん!』
近くで必死に叫んでも私の声はみんなには届かない。マネージャーの子と親しげに話す歩夢ちゃんは、心なしかいつもより楽しそうで、そんなみんなの姿を見ていると、まるで自分はこの世界に必要ないって言われてるみたいで、それが不安で、悲しくて───
「そっか。怖くなっちゃったんだね。大丈夫だよ。私はずっとそばにいるよ。」
そう言って私の頭を撫でる歩夢ちゃんの声は、いつもよりも優しい。
「ありがとう。歩夢ちゃん…」
擽ル/ハスガスキ
PAST記憶の彼方に消えてた画像発掘したので載せておきます。同人誌制作したいと思って練習用に描いたものでした。
アナログはデータじゃないからいつ描いたか記しておかないと何も情報が無くてわからないなと改めて感じました。
(2020/02/24以前) 2
sei__yaaa
PAST描け麻負債の小説、お気に入りのやつ看守日向と囚人狛枝の狛日
お題貰った時最高すぎてキャッキャしながら書いた
途中から何も思いつかなくて唐突に終わります!かなしい!!私が一番続きみたいのに!!
看守日と囚人狛 ドン、ガッシャァン。
木造の重い扉を開けた途端、大きな音が廊下に響いた。
日向はそれを聞き、小さくため息を吐くと特に慌てる様子もなく歩を進めた。
音が霧散した廊下は酷く静かで、規則正しい革靴の音だけが鳴る。点々と設置された明かりは弱々しく、不規則に明滅を繰り返していた。そろそろ交換しないとなぁ、とぼんやり考えながら少し歩き、一番奥の牢屋の前で足を止める。
鉄格子の向こうでは炎を思わせる白い癖毛の男が一人、額のあたりを抑えてその背を丸めている。思っていた通りの光景に日向は苦笑いを浮かべた。
「来たぞ、狛枝。今日はどうしたんだ、また頭をぶつけたのか?」
「んうぅ、日向クン……」
狛枝は小さな声でそう言うと、それきり黙ってしまった。相当痛かったのだろう。さっきは音凄かったな、と適当に言葉を投げかけてやりながらその周辺を観察する。鉄格子に、ベッド。奥にある小さな窓。頭の中で項目をなぞりながら牢屋の中を一通り確認していく。
1719木造の重い扉を開けた途端、大きな音が廊下に響いた。
日向はそれを聞き、小さくため息を吐くと特に慌てる様子もなく歩を進めた。
音が霧散した廊下は酷く静かで、規則正しい革靴の音だけが鳴る。点々と設置された明かりは弱々しく、不規則に明滅を繰り返していた。そろそろ交換しないとなぁ、とぼんやり考えながら少し歩き、一番奥の牢屋の前で足を止める。
鉄格子の向こうでは炎を思わせる白い癖毛の男が一人、額のあたりを抑えてその背を丸めている。思っていた通りの光景に日向は苦笑いを浮かべた。
「来たぞ、狛枝。今日はどうしたんだ、また頭をぶつけたのか?」
「んうぅ、日向クン……」
狛枝は小さな声でそう言うと、それきり黙ってしまった。相当痛かったのだろう。さっきは音凄かったな、と適当に言葉を投げかけてやりながらその周辺を観察する。鉄格子に、ベッド。奥にある小さな窓。頭の中で項目をなぞりながら牢屋の中を一通り確認していく。