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    とり

    しんした

    PROGRESS8月東京の七灰原稿進捗①です。
    灰原くんを亡くしたあとの七海が、灰原くんが残した言葉や文字を読み返すなかで灰原くんへの想いへ向き合うお話。ほぼ七海の独白・回想ですがハピエンです。
    でも七海がひとりなので書いていて辛いので進捗upしました。

    推敲はしていないのでおかしな部分はスルーしていただけると助かります。
    8月七灰原稿進捗①一.Re:Re:Re:Re:無題



    二年の夏。
    残暑の厳しい、いつもと変わらない何でもない八月のある日。
    灰原が、死んだ。





    開けっ放しだった窓から吹き込む風の肌寒さに、七海は手元の文庫本から顔を上げた。
    今日は午後から自習だった。自習といっても課題は出るのだが、期限までに提出すればどこで何をしていてもいいと言われたので、さっさとプリントを片付けて寮の自室へ戻っていた。
    文庫本に栞を挟んだ七海は椅子から立ち上がって、ふわりとカーテンがなびく窓際へと足を向けた。
    どうやら、しばらく積んだままでいた本の世界にすっかり浸っていたらしく、カーテンの向こうの空は随分と陽が傾いていた。昼間の日向にいるとまだ少し汗ばむ時もあるが、季節は着々と歩みを進めていたらしい。太陽という熱源を失いつつある秋の夕暮れ時の空気が、ワイシャツの薄い生地を通り抜けて身体を冷やしていく。
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    haruna_3910

    INFO6月30日JUNE BRIDE Fes2024で発行する新刊のサンプルになります。
    テスカトリポカ×ぐだ♀️の社長(人間)×人魚の現パロ本です。以下注意書。
    ●ポカニキが複数の女性と身体だけの関係を持っている
    ●人魚の肉が不老不死では無いという独自設定
    ●モブ女性が出てくる→モブにポカニキが刺される→さらにモブの自タヒした描写がある
    サンプルは最初の方とポカニキが刺た辺りとR18が少しです
    そして人魚は⬛︎⬛︎になったそれは朝から雨が降っていた日であった。無性にコーヒーが飲みたくなったが家にはインスタントコーヒーの予備すらなく、仕方なくテスカトリポカは近所の喫茶店へと向かうことにした。
    雨は嫌いだ。湿度で自慢の金糸はうねるし傘を差すなんて手間がかかる。何よりも少し出かけるだけでも服やら靴やらが濡れるのが鬱陶しくて仕方がない。それに遠くで雷の音までしだした。
    悪天候のせいで道にはほとんど人はおらず、マンションを出てすぐの国道を挟んだ先にある海はまるでこの世の果ての様に黒くうねっている。
    なんて間の悪い。誰かに買ってきてくれと頼もうかと思ったが、運が悪いことに尽く誰も捕まらなかった。最寄りのコンビニより、スーパーより喫茶店の方が近い。とりあえずコーヒーが飲めればそれでいいし、他の誘惑に流されて余計なものを買うので出来れば近づきたくないというのが正解であろうか。
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