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    また明日

    ヲしお

    MAIKING2021/02/04_2:11
    ひらブーへ投げる用。続きはまた明日~
    ★1 2021/02/04_2:11

     今週の仕事をすべて終えて、会社のビルを裏口から出た。
    「……さむ……」
     キンと冷えた空気に、思わず肩を窄める。
     昼間の日溜まりは過ごしやすくなってきたというのに、大陽が落ちればやはりこの季節は寒いのだ。
     春が立つ、なんて字面のくせに、全くもって暖かくない。
     空を見上げれば星がくっきりと輪郭を保って輝いていて、2月の始めなんてまだまだ真冬なのだと思い知らされた。

     駅へ向かう道すがら、観音坂独歩はポケットから携帯電話を取り出した。慣れた手付きでアドレス帳を開き、目当ての番号へ発信する。
     4コール目の途中でぷつりと小さな音がして、相手が電話口に出た。
    『こんばんは、観音坂さん。終電、間に合いそうですね』
    「はい、なんとか。入間さん、もしかして寝てました……?」
     普段ならもっと早く電話に出るのに……と思いながら独歩が言うと、入間銃兎は「夜勤明けなのでちょっと仮眠していました」と答えた。
     入間の勤務スケジュールを独歩ももちろん把握してはいた。しかし、不規則な時間に働く者同士、都合良く通話できるタイミングというのはこんな僅かな時間帯しかな 717

    mame

    DONEエアスケブSS⑤
    リク:「また明日」がテーマの千ゲン
    司帝国の面々と合流し、一緒に作業するようになってから、千空はこんなものは作れないだろうか、という相談を受けることが増えた。別に造船作業に支障が出るわけでもないものであれば、追加労働を対価に引き受けた。

     色付いた葉が落ち始めた秋の出口間際。その日もやらなければいけない作業を終えてから、千空はゲンを手伝わせながらラボで図面を引いていた。
     頼まれたものを作るための図面だった。気付けば日は跨いでいて、どこからか野犬の遠吠えが聞こえていて。そこへ混じったゲンの欠伸の音に千空は意識を引き戻された。集中すると時間は光の速さで過ぎていく。さすがに作業させすぎたかと、図面を引く手を止め、ゲンの方を見やる。すると、そこには半分寝ているゲンーーが、いると千空は思っていた。だが、実際にそこにいたのは。

    「ねえ、千空ちゃん。呪いかけてあげるよ」

     眠気なんて全く感じさせない、それどころか微塵も感情を読み取らせないような、涼やかな笑みを顔に貼り付けたゲンの姿があった。冷たい夜風が開放されている出入り口から吹き込んで、ゲンの横髪をかすかに揺らした。
     物騒な言葉に千空が整った眉を跳ねあげれば、ゲンがゆっく 3331