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    ダグ

    サケブンダト

    DONEちょっと前に書いてたダグキリです。特殊設定でそこまで書いてないですが、バレリーノのダグさんと人魚のキリルくんのお話で、こちらが出会い編ではなく、知ってるけどちょっと気取った挨拶をしてるようなお話です。
    『あんたと一緒に』Into the ocean, with you.
『美術館に行きたい』と彼は、誘った。

    『原石は磨くまで価値が見えない、でも磨き抜かれたものには必然と価値がつく。それらは時間が経てば経つほど価値を失うものと、価値を見出される歴史に染められるものがある。』

     そう告げられて、もう一ヶ月も経つのに耳にこびりついたみたいに拭えない。室内なのに吐く息が白く、息切れも止まらずに汗が気持ち悪いほど滴った。ダグラス・ビリガムは筋トレのマシーンから降りて、呆然と窓の外を眺める。この後待ち合わせがあって、本当なら気持ちを落ち着かせるために、早く現地へ行っておきたい。
     でも、ひどく足は重くシャワールームへ向かうのも億劫に思えた。自分のしなければいけないことは分かっていても、生きている時間に心が追いつけずに置いてけぼりを食らっているような。いや、どちらかと言えば苦手な給食の野菜が食べられなくて、周りの人間に早く食ってもらわないと困ると睨まれたまま、時間を過ぎていくような感覚に近い。
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    case669

    DONE完全にオチを見失ったレオジャミ。三日前の私は何が書きたかったんだろう。れおにゃ先輩不在でじゃみとらぎがぐだぐだしてるだけ。静まり返った夜の校舎、その食堂。
    日中は飢えた生徒で騒がしいこの場所も夜ともなれば人も寄りつかず静まり帰っていた。唯一響くのはかちゃかちゃと軽い金属がこすれる音と、紙にペンを走らせる音ばかり。
    「ジャミルくん、マジャラマジャルに沈む明星って、ゼラとギグとベベランテとあと何スか」
    「ゼラとベベランテは合ってるがギグは違う。星売り商人の項目に説明がある筈だから読み直せ」
    へえい、とキッチンが見えるカウンターに陣取り勉強道具を広げたラギーが教科書を捲る。言われた通りに見つけた項目を一から順に目を通して行けば確かに求めていた答えが細やかな説明と共に書かれていた。
    カウンターの向こうではボウルを掻き混ぜる音が止んだと思いきや、じゅわ、と高温の油に素材が落とされた音。景気良く跳ねる油の音と香りは否が応にもラギーの胃袋を刺激する。
    「カリムは、頭文字を取ってゼレベラと繰り返し唱えて覚えていたな。俺は名称よりも星の形状で記憶していたが……そのやり方は全ての星命体の形状と名称が一致していないと覚えられないだろうからまあ、参考までに」
    「俺はゼレベラ方式っスかねえ…ゼレベラゼレベラ…ゼラレグムンベベランテ 4013