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    ダツ

    mitsu_ame

    DONEくりんばの日おめでとー!
    D/sAUのふたり。伽羅ちゃんがDom、んばちゃがsub。
    まだつがいになってからそんなに経ってない頃の話。

    ※月の満ち欠けがダイナミクスに影響を及ぼす独自設定を採用してます。
    ※人間のかたちの審神者が出てきてちょっと喋る。
    そのこころ未申告につき.


    雨が続くと、どうにも眠たくなる。
    ぼぅっとすることが増えて何も手に着かない時間が目立つ。めまいが、頭痛が、不意に身体の自由を奪っていく。そうしてそれは、例え分厚い雨雲に隠れていようと満月の頃に顕著だった。

    ざぁざぁと雨音が室内に溶け込むほどの雨脚。室内灯を灯してもどこか薄暗く感じる昼日中。国広は敷布に懐くみたくぐたりと横たわっている。時折上掛けを引き寄せたり手繰ったりするほかは何もしていない。できない。眠気はあるのに、目を閉じると眠れない。めまいがするからだ。
    ぷぁぷぁと浮いているような、はたまたひたすらに落下し続けているような。そんな心地を床で味わう羽目になっている。
    「ノびてるねぇ」
    障子戸の隙間から顔を覗かせた審神者はのんびりとそう宣った。起き上がろうとすると「いい、いい」と手のひらで制された。それに甘えて再び床に就く。拳ほどの高さ頭を上げ下げしただけなのに、ぐわん、と視界が揺れる。気持ち悪い。
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    fucoshnkl

    MAIKINGいまやってるおげんこの冒頭部分。
    MP枯渇しててだいぶおつらいので、見て見てします……。

    《ご注意》
    ・言うまでもなくハヤセイですが、今まで発表した話とは別の世界線です。
     端的に言うと、まだつきあってません。
    ・現在市井に蔓延する感染症を彷彿とさせる描写が多いです。
    2021年5月

     ツツジの花の咲く季節だった。

     鉄道博物館屋上のパノラマデッキの植栽は大半がそれで、構内のソメイヨシノが萼まですっかり落ちて鮮やかな緑に包まれる頃、白やピンクの入り交じった花弁が見頃を迎える。訪れた人を懐深く迎える雰囲気を保ちつつも「JR大宮駅近辺を行き交う列車を一望する」という目的以外のものが極力排除されたこの場所で、花を愛でることができるのは一年のうち今だけだ。
     速杉ハヤトは、今日も新幹線の線路に向けて設けられた展望スペースの手すりに寄りかかり、その目的を十分に堪能していた。
    「うーん、やっぱり東北新幹線を見るなら、ここが安定だよなー。」
    初夏の心地よい風が、額にかかる髪を軽く撫でて通り過ぎていく。その横顔を少し離れたところから見ながら、セイリュウは昨年の今頃のことを思い出していた。

     ヴァルハランの事件が終わって間もなく、世界のとある地域で、ヒトが感染すると重篤な肺炎を引き起こすこともあるウイルスが蔓延し始めた。そのウイルスは、従来の同種のウイルスに比べて感染力が極めて高く、瞬く間に全世界へ拡がっていった。感染拡大防止のため、各国間のひとの行き来は大幅に 3145

    生成子

    PROGRESS☆あらすじ
    高校三年生となったランガは、有名ブランドからプロへの誘いを受ける。暦と離れるのに躊躇するランガはその思いを言えないまま、暦とともに沖縄西部の村にあるリゾートホテルへと旅行する。

    「わだつみの声」 第三話です。二日目の夜、ホテルの周囲を散策する二人。
    『わだつみの声 3』


     サトウキビ畑を抜けた先には、うっそうと茂った森があった。枝はあちこちにその体を伸ばし、葉は熱い日差しを遮るように茂っている。おそらく手入れのされていないだろう森は、周辺の様子と比べて明らかに不自然だった。ひんやりとした空気が、その場を静謐な印象に見せていた。
     生い茂る木々の下に、細いけもの道がある。暦はそこを、ゆっくりとした足取りで進んでいく。ランガは黙ってその背中を追っていたが、ほうぼうに伸びる枝や草のせいで歩きにくい。ランガの目の前に、美しい赤い花が見えた。伸びきったデイゴの枝に、花が咲いているのだ。つい、ランガは無意識に手を伸ばした。
    「取ったらダメだ」
     暦が振り向き、花をもぎ取ろうとするランガを止めた。ランガは怪訝な表情をしながら暦を見たが、彼は何も言わずに先へ行ってしまった。ここが何なのかわからず、ランガはいぶかしげな表情で暦のあとを追った。
     やがて、開けた広場のような場所に出た。広場といってもそこまで広くなく、ランガが普段通っている学校の教室ていど、といった感じだ。広場の奥まったところには、意味ありげに積まれている大きな石があった。沖縄のみ 4884