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    ダーリン

    🐓酉🐓

    DONE【熱に溶ける】 ワカ武/交際中/高校生軸 
    【話を聞いてよマイダーリン】 イザ武/交際中/中学生軸
    【こい、こい】 バジ武/中学生軸
    【花咲いたのは誰の心か】 寿武/高校生軸
    【最近の河童ってスイカ食べるんだって】 半武/中学生軸

    全て平和な世界線でお送りしています
    夏のSS詰め合わせ【熱に溶ける】 テーマ:熱中症

     雲一つない晴天。灼熱の光がコンクリートに照り返り、容赦なく体温を上げていく。額に玉のように浮かぶ汗を袖口で拭いながら、武道はジムに歩を進めていた。
     意識がぼんやりとしてきた頃、やっと見えた目的地に、武道はもうひと頑張りと気合を入れなおす。足を引きずり気味に歩き、倒れ込むように建物の扉を開けた。
     体を包み込む冷気に、生き返った心地で玄関に座り込む。良く冷えた壁に火照る頬を押し付け、気持ちよさに目を細めた。
     奥から足音が近づいてくるのに気づいたが、目を開けるのが億劫でそのまま安らぎに身を任せた。武道の目の前で止まった足音は、衣擦れの音を立てしゃがみ込む。
     何をしているのかと滲んだ意識のまま思っていると、背中と膝裏に他人の体温を感じ、浮遊感に襲われた。驚きで思わず目を開けると景色が何重にも見え、気持ち悪さから再び目を閉じる。
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    ruruyuduru

    MOURNING玖エイ。ダーリン呼び最高~~の気持ちで思うがまま書いてたら仕上がってた産物。玖夜が女に化けてる。
    ヤマもオチも意味もない遠く聞こえる活気ある市場の喧騒をBGMに、エイトは心のそこからゲンナリしていた。人目につかないように細心の注意を払っていたはずだ。目的の裏通りに入るときには、何度も周りを見渡した。近くに誰もいないことを確かめてから、不定期にひっそり営業していると噂の怪しげな露店にようやくたどり着いたのだ。
    食料の買い出しや街の見回りついでに何度か足を運んでみたが、これまではずっと空振りで無人の通りを覗き込むだけに留まっていた。
    そしてようやく訪れた念願の日。エイトはあえて店主に声をかけることも目を合わせることもせずに、雑然と並ぶ商品のひとつひとつを入念に吟味していた。
    薄汚れた敷物の上に広げられているのは、動物や植物などが彫刻されたワインの栓に似た道具、それから低温で溶ける蝋燭に柔らかな素材でできたロープなど、エイトがもといた世界でも馴染みのあった品々──もといアダルトグッズである。エイト同様なんらかの拍子で紛れ込んできたものもありそうだが、大半は異世界感のある斬新なデザインが取り入れられている。現状はニートさながらの生活を送ってはいるが、ときにインスピレーションを得たい衝動に駆られるのは職業病のようなものだろうか。
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