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    ニト

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    pano_mh

    MENU12/18発行のドルパロです。本日限定でサンプルを多めに載せております。
    いまさら多くのミスに気付いてめげております。うわぁ
    自分の中で、いろんな感情を全てぶつけた作品です。よろしければお手にとってもらえると、嬉しいです。
    Overture

     割れんばかりの歓声が聞こえていた。
     大きなうねりを作っているのはペンライトの海。会場いっぱいを埋め尽くす何万ものそれが、波に浮かぶように揺らいでいる。半分は俺の色、シーグリーン。もう半分は相方の色である、深い赤色……ワインレッドだ。互いの瞳の色にしよう、と決めたメンバーカラーは、少々マイナーなカラーリングになったが、今やファンの間にはすっかり浸透している。
     マイクを右手に持ち変える。反対の手は、強く強く、相方の手を握りしめる。オズの手を握った瞬間、己と同等か、それ以上の熱さを感じた。二人揃って、俺たちは一つの生き物であるかのような感覚がして、胸が満たされる。体中が熱い。会場の隅々まで見え、どんな小さな声だって聞こえるほど、五感が研ぎ澄まされている。指の先まで血が通っている感覚が、生きているという感覚がする。柄では無いけれど、大きな声で感謝の言葉を叫び、深く深く頭を下げた。直って、客席に大きく手を振る。この会場の全ての視線が、声が、今この瞬間は俺たちに向けられている。歓声を身に浴びるのは、心地いい。大きな会場で人前に二人で立つこの瞬間は、まるでいつまでも終わらないかのように、永遠に思える。
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    まめこ

    MOURNINGアンナちゃんと一之倉くんとミッチーのお話。CPはありません。アンナちゃんにとっての秘密基地(泣き場所)はどこだったのだろうと考える……。
    三人で色々食べる話になる予定でした。書けたところまで供養します。
    bitter twelve to sweet thirteen「冷静に考えて三日もバスケ出来なかったら死ぬぞ」
    「冷静に考えて死なないけどバスケはしたいね」

    足場の組まれた体育館から忙しなく電動工具の稼働する音が聞こえる。立ち入り禁止と書かれた看板の前で立ち尽くした三井に、工業高校では馴染みのある音たちに懐かしさを覚えながら、一之倉は「一週間前に言われただろ」と言って、この世の終わりのような横顔を一瞥した。

    「湘北近くて良かったわ」
    「湘北だって来月には予選始まるんだろ。長居は出来ないと思うけど」

    春、なんとか進学した県内の大学のバスケ部で三井を待っていたのは、広島で激闘を繰り広げた山王工業の松本稔と一之倉聡だった。インターハイで三井の執念に翻弄されまくった松本は三井の顔を見るなり便所ダッシュを決めて、一之倉はそれを見て苦笑いしていた。苦笑いしている一之倉に三井もまた苦手意識があった。松本と同じく、三井はインターハイでこの男にボロボロにされたのだ。
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