Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    ハウス

    minamidori71

    DONE現パロビョルアシェ、第三話。ルカの家にハウスキーパーとして雇われて一ヶ月、ビョルンは住み込みを決意し、ブリクストンの団地を引き払う。
    原作でのふたりの関係が、部分的に反転しているのを愉しんでいただければ、さいわいです。次回はもっと、距離が縮まる予定。
    Unknown Legend(3) ルカの家のハウスキーパーとして雇われて一ヶ月が経った、金曜日の早朝。晩秋のロンドンにしてはめずらしくよく晴れて、うすむらさきの曙光に染まった空は、高く澄んでいた。
     スーツケース一つだけを転がして、ビョルンは玄関の鍵を閉めた。鍵を管理人のポストに入れ、見慣れた風景を今一度、振り仰ぐ。雑然として、治安もあまりよろしくない地区だが、それでもこの風景を住民として見上げるのも最後かと思えば、感傷が湧いてくる。
     ――俺の人生は、……これからどうなるのだろうか。
     こうして通勤ラッシュに揉まれることも、これからはほとんどなくなる。ごったがえす地下鉄の車内で壁に寄りかかりながらも、奇妙な気分だった。あれほど自分の意思を持って仕事を選ばねばと思っていたというのに、折良く仕事の口をあてがわれ、気がつけば結局流されるままに、ビョルンの環境は大きく変わろうとしていた。しかし不思議なほどに、心は落ち着いている。むしろ古巣に戻るような懐かしさすらおぼえるのは、なぜだろう。
    4490

    猫瀬17mEq

    DONE眠れない🦁と👟のちょっとしたお話
    ナチュラルシェアハウス軸


    A little story about Luka and Shu who can't sleep.
    There is an English version in the second half of this!
    (I used a translation site, so sorry if I'm wrong.)
     まずい。これは非常にまずい。
    ベッドに横になって早1時間、明日も早い時間から準備をして出かけなければいけない予定があるのに、全くもって眠たくないのだ。時刻は夜中の2時過ぎをさし、秋に近づいた夜の冷たい空気と時計の針の音だけが、暗い部屋のほとんどを埋め始めていた。
    今から少し体を動かして疲れさせるって言っても、部屋の中で何かするには遅すぎるし、きっと寝ているであろう他の人に迷惑をかけてしまう、でもわざわざ着替えて外に出るのも面倒くさい。
     はぁ~、と深く息を吸い込み、体勢をごろんと横に向け、隣で寝かせていたライオンのぬいぐるみをぎゅっと抱きしめる。
    寒くなってきたせいもあってか、なんだか人肌が恋しい。ここまで来たらもう誰か起きていそうな人に声をかけて抱きしめてもらいにでも行こうかな。いやいやいや、さすがに恥ずかしすぎる。20を超えた大の大人(しかも肩書的には意地悪で邪悪なマフィアのボスである)が?『寝れないから抱きしめてくれない?』とでも言うのか??
    4463