Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    ハッカー

    karrruko

    PAST2022年2月発行のオズフィガ本〈おまえの名と力にかけて〉より、フィガロが見ていた夢としてのパラロイ部、オズフィガがいちゃついている部分の再録です。

    ・二人は「北の国」の孤児院で育った幼馴染みで、色々あって義兄弟になり、シティに引きとられた設定です。

    ・オズにとってフィガロの夢を叶えることが第一義で、そのためにまずはハッカーとして金を稼ぎ、それを元手にして武器商人になろうとしています。
    「おまえの名と力にかけて」より一部再録 日曜日の早朝、午前五時十五分。
     オズは滲む涙と共に目を開けた。
     視界には夢がなまなまと鮮やかで、我知らず手を差し伸べる。救いたいのは砕けた欠片、ひとりの男の残骸だ。
     ありし日そのままの微細なきらめき。きめ細やかな乳白色とくすんだ青、血の色の赤、冬の海の灰色と大地の緑。正気ではうまく知覚できない奥底に、それら破片たちは荒れすさびぶつかりあって、大きな渦を巻いている。互いに身を砕き、磨り潰しあって、少しでも早くこの世から消滅しきってしまおうとしている。
     だが、そんな凄絶さと裏腹に、あたりには何の響きも聞こえてこない。一切の介入は静寂により拒絶されている。
     無音の内に滅していくのは、望みか意地か絶望か。
    14231

    松だ祭

    DOODLE今日の配信見てたらホストくんがとんでもねぇものを書いていたのでとんでもねぇ気持ちになってとんでもねぇ妄想二次創作書かずにはいられなかった
    ホスト、匂う……。でもきっとハッカーとは違う苦しみだとは思うよ。ヲ的に。
    心の隅に浮かんだ疑問が、少しずつ大きくなって黒ずんだ沁みになる感覚に嫌悪感を覚えながら、配信が終わってディスコードのグループメンバーが少しずつ落ちていく様を、黛灰は見つめていた。
     お疲れ、お疲れ様、そんな挨拶が今日はとても形式じみた、空虚なものに思えて仕方がない。この感覚はちょっとしたズレを思い出すとやってきてしまうものだ。誕生日、好きなもの、こういった自分のことを語ることは、今の黛にとって少し苦手な部類であった。
     語りすぎたかな、と思考の淵から現実に意識を戻せば、いつもの如くマイペース故にディスコードを中々降りない不破湊のアイコンが目につく。周りが落ちたことに気づいていないのか、はたまた自分も落ちた気になっているのか。「不破くん」と声を掛ければ、生返事が返ってきた。どうやら意識は別の所にあるらしい。
     こうした彼の掴めない性格が、黛は心地よかった。彼にとって会話はほとんど連想ゲームのようなものであり、その話題の根幹も方向性も定まったものではない。でもそれでいい。意味を求め、価値を求め、動けなくなることが多い黛にとって、どこまでも「定型」に収まらない彼を見ると、どこか安心した心地が 1174