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    フェン

    miya_ko_329

    DONEED後。朝っぱらからいちゃついてるだけのアルフェンとシオン。
    TOAR/アルシオ 意識が浮上すると共に開けた視界は淡い緋に満たされていた。紗のようなその隙間から光がきらきらと踊っている。朝焼けにも似た色彩は、どこか現実離れしたうつくしさで、さてこれは夢の続きだろうかとうっかり瞼を閉じそうになったところで気付いた。
    この色は、シオンの――
    「……おはよ」
     寝起きの、乾いた喉から発せられた朝の挨拶は明瞭な発音とは言い難かった。柔らかな枕に横向きの頭を半ば沈ませながら、アルフェンは視線だけを向ける。水底の青はすぐに見つかった。
    「おはよう、アルフェン。起きてしまったのね」
     どことなく残念そうなシオンの顔が頭上にあった。その指先がアルフェンの額から頬へ、髪の生え際をなぞるように滑り落ちていく。長い髪がまるで帳のようにアルフェンの視界の端で流れ落ちている。夢ではなく、紛うことなき現実の、触れられるもの。触れたいと意識するより先に反射的に手が伸びた。指に絡ませて、癖の無い柔らかな髪の感触を楽しむ。彼女がその美しい髪を傷めないように気を遣っていることは知っていたので、しばしの手遊びの後、わずかな名残惜しさを覚えつつ解放した。
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    last_of_QED

    DONE「好きなもの」のことぐらい、わかるから。
    【ボーナスゲージ!】ヴァルバトーゼ閣下とフェンリッヒ、それからボーナスの話。全年齢。
    ※文字書き遊びのためにプロットをユスノキさん(Twitter ID:@arufurato)よりいただき書いたものです。記録用にupしておきます。
    【ボーナスゲージ!】 小気味良くノックをすれば聞き馴染んだ声で「入れ」との返答。扉を開けると、そこには複数匹のプリニーが行儀良く列をなして自分の番を今か今かと待っている。一体何がどうなって、我が主のそう広くない部屋にプリニーどもがみっちりと詰まっているのか。

    「閣下、これは一体……」
    「こやつらを表彰してやろうと思い立ってな。優秀な者は評価されて然るべきだ」
    「なるほど、それで『イワシを準備しろ』と仰せでしたか」

     フェンリッヒはようやく状況を理解する。それならそうと「プリニーへの褒美としてイワシを準備しろ」ともう一言、付け足してくだされば良いものを。主人の言葉足らずにそんな気持ちを抱いたのも束の間、罪人であるプリニーにさえ褒美を与えんとする精神性に「さすがは我が主」と胸の内で独りごちる。過去に犯した罪が消えることはない。けれど今なされる行いは善きものとして認めてやる。これが出来る者が果たしてこの世にどれだけいるだろうか。
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