公
yu.
DONEタル鍾 小説短編『寄る辺の雨』雨に降られたタルタリヤさんが鍾離先生の元を訪れる話。
※鍾離先生の自宅位置は捏造
寄る辺の雨「こんなに降るとは思わなかったな」
暗く湿った雨雲を恨めしそうに見上げていると、夕焼け色の前髪を伝った雨粒が、一滴頬に落ちてくる。眼に入るかと思い、一瞬だけ視界を閉じて、また開く。
先日まで遂行していた任務が終わり、北国銀行まで戻る道中、山の向こうから刻々と黒い雲がやってきているのを見かけた。あれは雨が降るなと予想できたため、帰路を急いだのだが、それでも目的地まで後少しというところで大雨に見舞われてしまった。忙しない雨音が辺りを包み、軽く吐いた息の音もかき消される。全身が濡れてしまったが、体を拭くものは持っていないため、雑に髪をかき上げて毛先の雫を払う。指先から手袋へ一筋の雫が伝って、手首まで透明な跡を残す。
2619暗く湿った雨雲を恨めしそうに見上げていると、夕焼け色の前髪を伝った雨粒が、一滴頬に落ちてくる。眼に入るかと思い、一瞬だけ視界を閉じて、また開く。
先日まで遂行していた任務が終わり、北国銀行まで戻る道中、山の向こうから刻々と黒い雲がやってきているのを見かけた。あれは雨が降るなと予想できたため、帰路を急いだのだが、それでも目的地まで後少しというところで大雨に見舞われてしまった。忙しない雨音が辺りを包み、軽く吐いた息の音もかき消される。全身が濡れてしまったが、体を拭くものは持っていないため、雑に髪をかき上げて毛先の雫を払う。指先から手袋へ一筋の雫が伝って、手首まで透明な跡を残す。
白流 龍
DONEタル鍾ワンライ:告白の台詞飾り気のないその言葉で。
※🧞♂任務軽くネタバレあり
※付き合ってない
※もろもろ都合いいように捏造あり
青天の霹靂
「は?」
当にこれはそれだ
開けられたドア
眼の前に飛び込む光景
そこには、脱いだ上着を椅子に掛け、脚を組み、膝で両手を組む姿
見慣れた姿
忘れようとした姿
閉じていた瞼がゆっくりと開き、石珀色の瞳が揺れる
「な…んで…」
「息災か?公子殿」
細められた瞳に微笑む唇
ここは、そんな表情が似合う場所じゃない
「…これが息災に見える訳?」
ジャラ、と両手首が繋がる手錠を見せる
アクリル板越しのこの人は、同じ場所に居るはずなのに違う場所にでもいるようだ
「てか…何で知ってんの?オレがここにいるって。ってどやって来た訳?つか何で中に入れた訳?」
平静に、冷静に
まずは椅子に座ろう
「まぁそう慌てるな。璃月で、スチームバード新聞なるものが流行っていてな。…ここだ」
2868「は?」
当にこれはそれだ
開けられたドア
眼の前に飛び込む光景
そこには、脱いだ上着を椅子に掛け、脚を組み、膝で両手を組む姿
見慣れた姿
忘れようとした姿
閉じていた瞼がゆっくりと開き、石珀色の瞳が揺れる
「な…んで…」
「息災か?公子殿」
細められた瞳に微笑む唇
ここは、そんな表情が似合う場所じゃない
「…これが息災に見える訳?」
ジャラ、と両手首が繋がる手錠を見せる
アクリル板越しのこの人は、同じ場所に居るはずなのに違う場所にでもいるようだ
「てか…何で知ってんの?オレがここにいるって。ってどやって来た訳?つか何で中に入れた訳?」
平静に、冷静に
まずは椅子に座ろう
「まぁそう慌てるな。璃月で、スチームバード新聞なるものが流行っていてな。…ここだ」
tia_10l0
DONE魔神任務の前日譚的なタル鍾。夢の中でハム子が先生に元素を診てもらう話。
奇妙な逢瀬 夢の中で、釣り糸を垂らしながら瞑想していたタルタリヤはふいに目を開けた。
「これはこれは、珍しい客人だ」
穏やかな口調で話す彼はどこか嬉しそうに聞こえる。すらっとした体格に、黄金よりも眩い石珀の瞳、そして威厳ある佇まい。夢枕に立ったのは、紛れもなく鍾離だった。
「公子殿、息災か」
「……ぼちぼち」
「切れが悪いな。どうした? 俺で良ければ話を聞くが……」
察しが良すぎるとつくづく思うタルタリヤだったが、少し経つと口を開いた。
「鍾離先生ってさ、元素力に振り回されたことはある? あ、いや、質問を変えよう」
「――元素に流れってあると思う?」
タルタリヤは揺れ動く波紋を見ながら聞いた。彼がいつもよりやや不安げに見えた鍾離は答える。
2362「これはこれは、珍しい客人だ」
穏やかな口調で話す彼はどこか嬉しそうに聞こえる。すらっとした体格に、黄金よりも眩い石珀の瞳、そして威厳ある佇まい。夢枕に立ったのは、紛れもなく鍾離だった。
「公子殿、息災か」
「……ぼちぼち」
「切れが悪いな。どうした? 俺で良ければ話を聞くが……」
察しが良すぎるとつくづく思うタルタリヤだったが、少し経つと口を開いた。
「鍾離先生ってさ、元素力に振り回されたことはある? あ、いや、質問を変えよう」
「――元素に流れってあると思う?」
タルタリヤは揺れ動く波紋を見ながら聞いた。彼がいつもよりやや不安げに見えた鍾離は答える。
umiyukisandesu
DOODLE『返景(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20084139)』のタル鍾♀が指輪を贈り合う話。別に『返景』を読まなくても大丈夫なはず。推敲したら支部にあげます。
1
鍾離には気掛かりなことがあった。
目の前に座る男がどうも挙動不審なのだ。用意した夕飯を──箸の使い方が上達したのもあり──しっかり口に運んではいるものの、鍾離が声を掛けても返事は上の空で、それでいて時折ちらちらと鍾離の様子を窺っている。それも表情ではなく、手元の方を。
「……アヤックス。一体どうしたんだ?」
「へ?」
鍾離がそう声を掛けると、彼──アヤックスは肩をびくりと震わせた。ぼとり、と箸で摘んでいた肉が重力に従ってテーブルへと落下する。アヤックスは片眉を持ち上げるとすぐさま墜落したそれを箸で摘み直し、セーフ、と呟いて口へと納める。
「いいや、何でもないよ」
「……」
アヤックスは首を振るも、鍾離からの視線の圧は弱まらない。アヤックスは眉根を寄せると咀嚼物を嚥下し、観念したように肩をすくめた。
10369鍾離には気掛かりなことがあった。
目の前に座る男がどうも挙動不審なのだ。用意した夕飯を──箸の使い方が上達したのもあり──しっかり口に運んではいるものの、鍾離が声を掛けても返事は上の空で、それでいて時折ちらちらと鍾離の様子を窺っている。それも表情ではなく、手元の方を。
「……アヤックス。一体どうしたんだ?」
「へ?」
鍾離がそう声を掛けると、彼──アヤックスは肩をびくりと震わせた。ぼとり、と箸で摘んでいた肉が重力に従ってテーブルへと落下する。アヤックスは片眉を持ち上げるとすぐさま墜落したそれを箸で摘み直し、セーフ、と呟いて口へと納める。
「いいや、何でもないよ」
「……」
アヤックスは首を振るも、鍾離からの視線の圧は弱まらない。アヤックスは眉根を寄せると咀嚼物を嚥下し、観念したように肩をすくめた。
HRAK__love
DONEタル鍾Webオンリー「冬に至る逍遥」にて展示する短編漫画です。本ページにも書きましたが、間に合わず数ページありません。
また後日手直しして完成しましたら、ポイピクかpixivにあげます。
未完成の拙い漫画を見て下さってありがとうございます(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎) 17
🍊🍊🍊
MENUタル鍾webオンリーにて頒布する予定のグッズの詳細です7/23・12:00〜に通販開始します。
それまでboothのショップは閉じているので、こちらを参考にしていただけたらと思います!
※追記
画像ではお一人様1点までと書いてありますが、2点までに変更しました。 9
be8_jacky
DONE②タル鍾展示作品P8(R15/転生現パロ/モデルx写真家)前話の続きものですが単話でもお読み頂けます
ワンクッションをお読み頂き大丈夫な方のみ閲覧の程宜しくお願いいたします 10
be8_jacky
DONEタル鍾webオンリー開催おめでとうございます!①タル鍾展示作品P12
(R15/死にネタ/転生後/血液描写あり)
ハピエンではありますが上記の描写があります。なんでも許せる方のみ閲覧の程宜しくお願い致します。
続き②https://poipiku.com/2851115/9093291.html 12
misuhaya
DONEタル鍾webオンリー開催おめでとうございます!タルが自分のお誕生日にり〜ゆえに戻ってくるおはなし。ほのぼの
とりあえずさっきの続きといこうか からりとした日差しが照り付ける。先日いたドラゴンスパインでは冬国育ちだからか特に寒さに凍えることもなかったが、その分暑さには弱く額にはじわりと汗が滲む。同乗している者は暑いと口にはするものの表情は涼しげで今の暑さはまだ序の口だと言うことに気付かされた。ぐいと乱暴に拭えば、視界に広がった鮮やかな街並み。半日ほどの距離だったものの今すぐにでも船を降りたい衝動に駆られる。離れる時はもう帰ってこないかもよなんて飄々としていたが、いざ長く離れてみるとホームシック…とまではいかないがどこか落ち着かなかったことは内緒だ。
ようやく会える。手紙も出したけれど読んでもらえただろうか。徐々にスピードを落としていく船は港で手を振る者たちの側で止まった。肩に掛けていた上着を手に取り、まってましたと言わんばかりに足早に船を降りる。きょろ、とあたりを見渡せば、目的の人物がゆるやかに手を振っていた。尾のように長くグラデーションがかった髪、切長の目を彩る石珀色、璃月人の中でもすらりと伸びた手足は久しぶりにみた姿にこくりと喉が鳴った。
7044ようやく会える。手紙も出したけれど読んでもらえただろうか。徐々にスピードを落としていく船は港で手を振る者たちの側で止まった。肩に掛けていた上着を手に取り、まってましたと言わんばかりに足早に船を降りる。きょろ、とあたりを見渡せば、目的の人物がゆるやかに手を振っていた。尾のように長くグラデーションがかった髪、切長の目を彩る石珀色、璃月人の中でもすらりと伸びた手足は久しぶりにみた姿にこくりと喉が鳴った。
yu.
DONEタル鍾小説短編『朝、空の移る港』2人で港の朝日を眺める話。『夜、月の眠る部屋』と対になる形です。
こちらは仄かに鍾離先生視点。
朝、空の移る港 暗い室内で、ふと目が覚めた。
朝日が昇る時間にはまだ遠く、夜の静まった空気が辺りを満たしている。薄青い平滑な壁と、同じく青みがかった色を被りながら、月の光をつややかに返す、焦茶色の柱が視界に映る。
横になっていた身体を起こして、枕のすぐ上に位置する窓に手を伸ばす。自身の身じろぎで生まれる、微かな衣擦れだけが聞こえる夜だ。軽く手のひらで押すと、かたん、と小さな音を立てて、蝶番が動き窓枠が畳まれる。そうして切り取って現れた紺色の空が、薄闇の中で輝く琥珀の目に映り、仄かに青い月が空にあることを認識する。しかし夜明けが近いようで、月は真上ではなく、山の向こうへと渡る道の途中であった。寝直すかどうか暫く考えたが、窓から流れ込んだ夜風で、眠気が飛ばされてしまった様だった。
3500朝日が昇る時間にはまだ遠く、夜の静まった空気が辺りを満たしている。薄青い平滑な壁と、同じく青みがかった色を被りながら、月の光をつややかに返す、焦茶色の柱が視界に映る。
横になっていた身体を起こして、枕のすぐ上に位置する窓に手を伸ばす。自身の身じろぎで生まれる、微かな衣擦れだけが聞こえる夜だ。軽く手のひらで押すと、かたん、と小さな音を立てて、蝶番が動き窓枠が畳まれる。そうして切り取って現れた紺色の空が、薄闇の中で輝く琥珀の目に映り、仄かに青い月が空にあることを認識する。しかし夜明けが近いようで、月は真上ではなく、山の向こうへと渡る道の途中であった。寝直すかどうか暫く考えたが、窓から流れ込んだ夜風で、眠気が飛ばされてしまった様だった。
yu.
DONEタル鍾小説短編『夜、月の眠る部屋』寝物語をする鍾離先生と、それを聞くタルタリヤさんの話。
『朝、空の移る港』と対になる形です。こちらは仄かにタルタリヤさん視点。
急に話が始まりますが、璃月の宿に泊まってます。2人は別部屋です。
夜、月の眠る部屋 暗い室内で、ふと目が覚めた。
窓からは月の光が射し込み、床とシーツを青みがかった白色で柔らかに照らしている。夜中だというのに、珍しく起きてしまった。寝つきや眠りの質は良い方だと思っているが、覚めてしまう事はそう無いため、我ながら不思議だった。
寝返りを何度かうってみたが、なかなか元のように意識は滑り落ちていかない。何度か体勢を変えてみるも、一向に好転する気配がないので、少し気分を変えるかと思い立つ。ベッドから身を起こし、傍に揃えて置いていた室内履きへと両足を滑り込ませる。備え付けの水差しを傾けてみたが、もう中身が無いようだった。仕方なく、タルタリヤは寝室のドアを開ける。
部屋を出ると、長い廊下が続いている。泊まっているこの宿は璃月の建築形式を取っているようで、木材の床と白壁、天井から下がっているランプと、異国の調度品ではあるが、見慣れたものとして目に入る。規則正しく並ぶ板張りの床には、窓枠の装飾で切り取られた、長方形の薄青い月明かりが等間隔で並んでいる。
3621窓からは月の光が射し込み、床とシーツを青みがかった白色で柔らかに照らしている。夜中だというのに、珍しく起きてしまった。寝つきや眠りの質は良い方だと思っているが、覚めてしまう事はそう無いため、我ながら不思議だった。
寝返りを何度かうってみたが、なかなか元のように意識は滑り落ちていかない。何度か体勢を変えてみるも、一向に好転する気配がないので、少し気分を変えるかと思い立つ。ベッドから身を起こし、傍に揃えて置いていた室内履きへと両足を滑り込ませる。備え付けの水差しを傾けてみたが、もう中身が無いようだった。仕方なく、タルタリヤは寝室のドアを開ける。
部屋を出ると、長い廊下が続いている。泊まっているこの宿は璃月の建築形式を取っているようで、木材の床と白壁、天井から下がっているランプと、異国の調度品ではあるが、見慣れたものとして目に入る。規則正しく並ぶ板張りの床には、窓枠の装飾で切り取られた、長方形の薄青い月明かりが等間隔で並んでいる。
xxxVerflucht
DONE2023 6/24-25タル鍾メリバ・バドエンwebオンリーイベント
「海底と眠る岩」での展示予定だったまんがです
当日に間に合わなくてごめんなさい💦
⚠️メリバ・バドエンが苦手な方はご遠慮下さい
⚠️捏造妄想過多、なんでも許せる方向け
⚠️R-15 軽度の拘束表現あり。閲覧は自己責任で。 28
greensleevs00
MENU【6/24お品書き】タル鍾メリバ・バドエンwebオンリー『海底と眠る岩』◆小説展示
「魂魄」
鍾離の死後、タルが鍾離に似せた人形を作る話。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20136267
◆既刊通販
『久遠の指』
サンプル
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19207139
Sou(ソウ)
DONE※流血表現ありタル鍾で夢幻紳士パロ。いきなり始まりいきなり終わる。
なお公子殿が女皇陛下の欲しているものを自分のものだと言い張るシーンがありますが、特殊空間が発する狂気にあてられての発言なので許してください(土下座) 4
sktgm_2
PROGRESS一生一緒に生きることにしたタル鍾のウルトラハッピー導入と序章とりあえず何でも許せる方向け
一生一緒タル鍾 その瞬間、氷柱が降り注ぎ、暴風が吹き荒れ、烈火が爆ぜた。
なぜだ!と少年仙人が唸るように叫んだ。
「なぜ?」
応戦する長身の男は首を傾げる。
「なぜだ、はこっちのセリフだよ!」
一閃。
「君たちは先生が大好きだったろう。なぜ俺たちの邪魔をする?」
「それが、それが我らと鍾離様の——最後の契約だからだ!」
【ここに契約を交わし】
あぁ、しくじった。タルタリヤはそう心の中で独り言ちた。
楽勝な任務のはずだった。実際その任務自体はすぐ終わったのだ。部下たちの働きもまあ次第点と言えるだろう。まさか、こんな——。
「……ちゃん。ファデュイのお兄ちゃん!」
子どもが叫ぶ声が遠くから聞こえる。何か呼ばれているということは理解できても、今のタルタリヤにはその意味を理解する力は残っていなかった。
19411なぜだ!と少年仙人が唸るように叫んだ。
「なぜ?」
応戦する長身の男は首を傾げる。
「なぜだ、はこっちのセリフだよ!」
一閃。
「君たちは先生が大好きだったろう。なぜ俺たちの邪魔をする?」
「それが、それが我らと鍾離様の——最後の契約だからだ!」
【ここに契約を交わし】
あぁ、しくじった。タルタリヤはそう心の中で独り言ちた。
楽勝な任務のはずだった。実際その任務自体はすぐ終わったのだ。部下たちの働きもまあ次第点と言えるだろう。まさか、こんな——。
「……ちゃん。ファデュイのお兄ちゃん!」
子どもが叫ぶ声が遠くから聞こえる。何か呼ばれているということは理解できても、今のタルタリヤにはその意味を理解する力は残っていなかった。