加州清光
あめお
DONE燃料補給なつるきよ(くっついている)疲れた時はお互いさま「つるまるさん」
不意に名を呼ばれ、俺は顔を上げて振り向いた。
細く開いた戸がそろそろと滑り、ひょこっと半身が覗く。やっぱり加州だ。
穏やかな昼下がり。俺は書庫に篭って過去の出陣の記録を閲覧していたが、加州は手入れ明けにわざわざ捜しに来てくれたらしい。陽の光を背にしてこちらの様子を窺っている。
「いま忙しい?」
「出陣までまだ時間はあるが……、体の方はもういいのかい?」
「それはもう大丈夫なんだけど……」加州はチラリと廊下に目を遣ると、やけに慎重に敷居を跨いで戸を閉めた。「ちょっと、お願いが」
「お願い?」
歩幅もいつもより小さい。そんなに言いづらいことなのだろうかと考えて、もしや加州の言うところの『わがまま』の類かと思い至る。
2785不意に名を呼ばれ、俺は顔を上げて振り向いた。
細く開いた戸がそろそろと滑り、ひょこっと半身が覗く。やっぱり加州だ。
穏やかな昼下がり。俺は書庫に篭って過去の出陣の記録を閲覧していたが、加州は手入れ明けにわざわざ捜しに来てくれたらしい。陽の光を背にしてこちらの様子を窺っている。
「いま忙しい?」
「出陣までまだ時間はあるが……、体の方はもういいのかい?」
「それはもう大丈夫なんだけど……」加州はチラリと廊下に目を遣ると、やけに慎重に敷居を跨いで戸を閉めた。「ちょっと、お願いが」
「お願い?」
歩幅もいつもより小さい。そんなに言いづらいことなのだろうかと考えて、もしや加州の言うところの『わがまま』の類かと思い至る。
かずちー
DONE清光とサシ飲み。場所は弊本丸の洋館2階BAR長船です。加工進捗もついでに載せておきます。個人的には、目に光を入れる前も好き。
お酒発売日に描きはじめ、仕事の合間にあーでもないこーでもないと加筆修正してようやく完成しました!
たくさん見てもらえたら嬉しいです🤭 5
kisasu2612
MAIKINGおそらく最初に書き始めた刀さに。未完成。はじめは鶴さにが多かったなぁ。
2017年に構想作ってた。何年放置してるんだ🤣
加州清光が出てこない!!!
おそらく私の最初の刀さにこの国には戦争があった。いや、「あった」ではない。現在もなお終わることなく続いている、終わりの見えない戦。
歴史修正主義者という、歴史を変えたい者と、歴史を守る者の戦い。
繰り返される歴史を守る戦いの中でわずかに生じたずれ。
それは歴史を守るために仕方のないこと。
歴史修正主義者も守る者も歴史にとって異物に変わりない。それならばそれは回避し得ないもの。
そんな取るに足らない歪みなど、いつしか歴史という大きな波に飲み込まれ、如何ともなる。
そのはずだ。
だがそれに飲み込まれ損ねた小さなずれは幾千もの時の中で大きな歪みとなるのだ。
「どうしたっ!なにが起きた」
「わかりません。ですが歴史が改変されたようです」
とたんにあわただしくなる政府主要施設の一室。
8505歴史修正主義者という、歴史を変えたい者と、歴史を守る者の戦い。
繰り返される歴史を守る戦いの中でわずかに生じたずれ。
それは歴史を守るために仕方のないこと。
歴史修正主義者も守る者も歴史にとって異物に変わりない。それならばそれは回避し得ないもの。
そんな取るに足らない歪みなど、いつしか歴史という大きな波に飲み込まれ、如何ともなる。
そのはずだ。
だがそれに飲み込まれ損ねた小さなずれは幾千もの時の中で大きな歪みとなるのだ。
「どうしたっ!なにが起きた」
「わかりません。ですが歴史が改変されたようです」
とたんにあわただしくなる政府主要施設の一室。
佐々本
DONE清「あーるじ。お疲れさま。仕事終わった?」鶴「今日も一日よく頑張ったきみに、初期刀と近侍から精一杯の可愛いツーショットをお送りしよう」
清「いや、俺の精一杯の可愛いやつは、主が本丸に帰ってきたら直接見せたげるから。今は6割ね」
鶴「おいおい、提案してきたの加州だろう?ずるいなぁ」
あめお
CAN’T MAKE鶴清がただイチャイチャしてるだけ(未完)たまにはくっつきたい 部屋に入ってもいいかと襖の外から問えば二つ返事で承諾された。
「どうした?」
壁に向かって机に肘をつき書物を読んでいたらしい鶴丸さんは、内番着の上から戦装束の羽織を羽織っている。いつものように甘やかに微笑んで迎えてくれた彼だが、俺がいつもより無愛想に「ちょっと前向いてて」と言ったらさすがに不思議そうな顔をした。
振り向く形で捻った上半身を言われるままに元に戻したその隙に、
「うおっ!?」
俺は背後から羽織のフードを掴んで鶴丸さんにかぶせ、背中に頭を押し付けた。鶴丸さんは「何だ何だ急にどうした?」と戸惑っている。
「…………ぎゅってしてもいいですか」
「えっ? それはもちろん構わないが……、というか別に訊かなくても」
2838「どうした?」
壁に向かって机に肘をつき書物を読んでいたらしい鶴丸さんは、内番着の上から戦装束の羽織を羽織っている。いつものように甘やかに微笑んで迎えてくれた彼だが、俺がいつもより無愛想に「ちょっと前向いてて」と言ったらさすがに不思議そうな顔をした。
振り向く形で捻った上半身を言われるままに元に戻したその隙に、
「うおっ!?」
俺は背後から羽織のフードを掴んで鶴丸さんにかぶせ、背中に頭を押し付けた。鶴丸さんは「何だ何だ急にどうした?」と戸惑っている。
「…………ぎゅってしてもいいですか」
「えっ? それはもちろん構わないが……、というか別に訊かなくても」
ru_za18
DONEある一人暮らしの“彼女”が、日々感じる視線や声に辟易していた。そんな中、同期である加州に声をかけられる。
“人気者である加州に声をかけられた”と喜びに浸ったのも束の間、魔の手は少しずつ迫っていた。
※ホラー
※微現パロ
※何でも許せる方向け
Twitter・pixivの再掲
とある彼女の話 彼女は辟易していた。それは、通学している大学で悩んでいるだとか、周囲の人間関係のせいではない。
近頃、彼女の身の周りでは、おかしなことが続いていた。例えば、家にいる時。カタンと何かが音を立てたり、家の中なのにヒールのような高い音が鳴ったり。果ては家の中に限らず、何かにじっと見られているような――視線を感じて辺りを見渡したのも、一度や二度ではなかった。
「それ、何かいるんじゃないの?」
休講になった時間を友人と過ごしていた彼女は、溜まっていたものを吐き出すように友人に話した。そうして返ってきた言葉がそれだったわけだが、何分彼女は認めたくはなかった。彼女の実家は地方だった為、今は大学近くの部屋で一人暮らし。そう言ったこともあり、実物が無いにしろ、『何かがいるかもしれない』ということが耐えられそうに無かったからだ。
2557近頃、彼女の身の周りでは、おかしなことが続いていた。例えば、家にいる時。カタンと何かが音を立てたり、家の中なのにヒールのような高い音が鳴ったり。果ては家の中に限らず、何かにじっと見られているような――視線を感じて辺りを見渡したのも、一度や二度ではなかった。
「それ、何かいるんじゃないの?」
休講になった時間を友人と過ごしていた彼女は、溜まっていたものを吐き出すように友人に話した。そうして返ってきた言葉がそれだったわけだが、何分彼女は認めたくはなかった。彼女の実家は地方だった為、今は大学近くの部屋で一人暮らし。そう言ったこともあり、実物が無いにしろ、『何かがいるかもしれない』ということが耐えられそうに無かったからだ。
バルサミコ
INFOモノクロで刀剣男士とお花のアイコンを描く モノクロ刀剣男士、今までのまとめてみました。(R4年 12月18日現在)これに山姥切sを足していまで20振り~100振り行けるかなー髭切 膝丸 和泉守兼定
鴬丸 三日月宗近 大包平 薬研藤四郎 鶴丸国永
小狐丸 にっかり青江 加州清光 小竜景光 白山吉光 日向正宗 不動行光
肥前忠広 南海太郎朝尊 。松井江。 これで18振り。 20
あめお
TRAINING七夕の話あいたい 役目を終えた笹の葉の隙間から細く煙が立ち、間もなく炎が顔を覗かせた。パチパチと音を立てながら色とりどりの短冊に次々と火が移っていくのを、加州清光はじっと見つめていた。
「なかなか簡単に燃えるものなんだなぁ」一文字則宗はそれを興味深げに眺めている。
「採ってきてからだいぶ経つからね」
採取した日の瑞々しさを失った笹はすっかり枯葉の様相を呈していた。短冊や華やかな色紙で華やかに飾られて、七夕の笹としては大往生ともいえるだろう。
本丸の皆が思い思いに書いた願い事が煙になって、空に上っていく。
「ちゃんと届くといいな」清光はぽつりと呟いた。
「お空の上のお星様に。天気は雨だったけど、これなら大丈夫かな」
「こちらから出向くわけだからなぁ。織姫も追い返すわけにはいくまい」
1364「なかなか簡単に燃えるものなんだなぁ」一文字則宗はそれを興味深げに眺めている。
「採ってきてからだいぶ経つからね」
採取した日の瑞々しさを失った笹はすっかり枯葉の様相を呈していた。短冊や華やかな色紙で華やかに飾られて、七夕の笹としては大往生ともいえるだろう。
本丸の皆が思い思いに書いた願い事が煙になって、空に上っていく。
「ちゃんと届くといいな」清光はぽつりと呟いた。
「お空の上のお星様に。天気は雨だったけど、これなら大丈夫かな」
「こちらから出向くわけだからなぁ。織姫も追い返すわけにはいくまい」
あめお
TRAINING果実を間引く話愛にあこがれる「愛とは何だと思う、坊主」
パチンパチンと剪定鋏を動かしながら一文字則宗は言った。
「えー? なにー?」
樹の反対側で同じく剪定鋏を操る加州清光が聞き返す。本日の畑当番である二振りは、桃の摘果作業を任されていた。より良い実を実らせるために、邪魔になるものを摘み取るのだ。
「何か言った?」
「愛とは何だろうなぁと」
「……それ今このタイミングで訊く?」
清光は一旦作業の手を止め、則宗のいる方を覗いた。「甲府でしてた話の続きなの?」その顔は訝しげだ。
「よく分かんないこと言って考えろってさ、刃生の課題みたいにしたのじじいだろ。まさかの途中経過も聞いてくるわけ?」
「そんなに重く受け止めてくれたか。嬉しいなぁ」
「別にじじいが言ったからじゃないし」
1255パチンパチンと剪定鋏を動かしながら一文字則宗は言った。
「えー? なにー?」
樹の反対側で同じく剪定鋏を操る加州清光が聞き返す。本日の畑当番である二振りは、桃の摘果作業を任されていた。より良い実を実らせるために、邪魔になるものを摘み取るのだ。
「何か言った?」
「愛とは何だろうなぁと」
「……それ今このタイミングで訊く?」
清光は一旦作業の手を止め、則宗のいる方を覗いた。「甲府でしてた話の続きなの?」その顔は訝しげだ。
「よく分かんないこと言って考えろってさ、刃生の課題みたいにしたのじじいだろ。まさかの途中経過も聞いてくるわけ?」
「そんなに重く受け止めてくれたか。嬉しいなぁ」
「別にじじいが言ったからじゃないし」
あめお
TRAININGひよこと沖田組と御前たまごかなケーキかな 卵を採るために飼育している、要するに雌鳥ばかりの集団だったはずなのだが。
ピヨピヨ鳴く可愛らしい声。
「こんなことってある?」
安定は小さなヒヨコを眺めながら言った。薄い黄色をした小さなヒヨコは足元をちょこまかと動き回っている。
「ニワトリってオスとメスで結構見た目違うはずなんだけどね……」
うーん、と清光は唸った。
どこで迷い込んだのか、騒ぎになった後で端から端まで探したがそれらしき雄鶏は見当たらず、みんなで首を傾げた。ヒヨコが生まれてしまったものは仕方ないので、相談して飼育できる環境を整えたのだった。
その甲斐あってかヒヨコは元気にピヨピヨピヨと。
「……可愛い」
清光は屈んで視線を低くする。手のひらを上に向けて差し出すと、ヒヨコは清光めがけて走ってきてちょこんと手のひらに乗った。
1284ピヨピヨ鳴く可愛らしい声。
「こんなことってある?」
安定は小さなヒヨコを眺めながら言った。薄い黄色をした小さなヒヨコは足元をちょこまかと動き回っている。
「ニワトリってオスとメスで結構見た目違うはずなんだけどね……」
うーん、と清光は唸った。
どこで迷い込んだのか、騒ぎになった後で端から端まで探したがそれらしき雄鶏は見当たらず、みんなで首を傾げた。ヒヨコが生まれてしまったものは仕方ないので、相談して飼育できる環境を整えたのだった。
その甲斐あってかヒヨコは元気にピヨピヨピヨと。
「……可愛い」
清光は屈んで視線を低くする。手のひらを上に向けて差し出すと、ヒヨコは清光めがけて走ってきてちょこんと手のひらに乗った。
あめお
TRAINING自撮りで盛る話可愛いをつくらなくても 小顔補正、色調修正、目の拡大。頬紅だって指先ひとつでまるで恋する少女のように。
「さすが、清光は覚えるのが早いわねぇ。やっぱり若い子は違うわね」
「俺いちおー主より先に生まれてるんだけど?」
笑う清光は満更でもなさそうだ。
政府から配布されたタブレットに真っ先に興味を持ったのは清光だった。機械に疎い審神者が清光に操作を任せ、好きなアプリを自由にインストールしてもよいと言うので、清光は「ずっとやってみたかったんだー」とカメラアプリをダウンロードしてきた。
審神者と自撮りして、一緒に画面を覗き込んでああだこうだと指を滑らせる。肌がつるんとして顔が縮んだり膨れたり、目が大きくなったり小さくなったり。
なるほどこれが「盛る」というやつかと楽しくなってきたところで、
1093「さすが、清光は覚えるのが早いわねぇ。やっぱり若い子は違うわね」
「俺いちおー主より先に生まれてるんだけど?」
笑う清光は満更でもなさそうだ。
政府から配布されたタブレットに真っ先に興味を持ったのは清光だった。機械に疎い審神者が清光に操作を任せ、好きなアプリを自由にインストールしてもよいと言うので、清光は「ずっとやってみたかったんだー」とカメラアプリをダウンロードしてきた。
審神者と自撮りして、一緒に画面を覗き込んでああだこうだと指を滑らせる。肌がつるんとして顔が縮んだり膨れたり、目が大きくなったり小さくなったり。
なるほどこれが「盛る」というやつかと楽しくなってきたところで、
あめお
TRAINING駄菓子屋に行く話お安い御用 買い出しに出掛けた帰り道、可愛らしい小間物屋の前で足を止めていたから、てっきり欲しいものでもあるのかと思ったのだ。
だが加州清光がそれらを眺める眼差しは、どこか憂いを帯びていた。
何か買ってやろうかと一文字則宗が声を掛けるより早く加州は再び歩き出し、則宗はそれを黙って見送った。
こまごました装飾品を好んで身に付ける彼と店先での様子がうまく結びつかず、帰城後に審神者に訊いてみた。審神者曰く、加州はあまり店というものに良い思い出は無いらしい、と。嫌いではなさそうとのことだが。
それとなく濁されたが、どうやらただの刀であった頃の記憶が関係しているらしかった。
(昔のことは、僕にはどうにもできないが……)
1826だが加州清光がそれらを眺める眼差しは、どこか憂いを帯びていた。
何か買ってやろうかと一文字則宗が声を掛けるより早く加州は再び歩き出し、則宗はそれを黙って見送った。
こまごました装飾品を好んで身に付ける彼と店先での様子がうまく結びつかず、帰城後に審神者に訊いてみた。審神者曰く、加州はあまり店というものに良い思い出は無いらしい、と。嫌いではなさそうとのことだが。
それとなく濁されたが、どうやらただの刀であった頃の記憶が関係しているらしかった。
(昔のことは、僕にはどうにもできないが……)
あめお
TRAINING畑当番をサボる御前冬ごもり終了のお知らせ「おいこら一文字則宗! 畑当番!」
スパンと勢いよく襖を開けた加州清光は声を荒げた。
「やあ坊主。威勢がいいな」
怒鳴られてもびくともしない一文字則宗はまるで高みの見物でもしているかのように呑気に笑うが、高みどころか他人事でもない。正真正銘、畑当番の当事者である。
「炬燵でぬくぬくしてる場合? 内番すっぽかさないでよ」
「坊主も入るか?」
「入るわけないでしょーが。まったく、獅子王も南泉もとっくに集合して働いてんのにさー」
「うはは。隠居のじじぃだ、大目に見てもらおう」
「獅子王の方があんたより年上じゃん……」
はあ、と加州はため息をついた。
この手のやり取りはしょっちゅうしている。もともと内番をすっぽかすじじい連中を連行する係に任命されがちだった加州だが、一文字則宗が来てから明らかに仕事量が増えた。
1032スパンと勢いよく襖を開けた加州清光は声を荒げた。
「やあ坊主。威勢がいいな」
怒鳴られてもびくともしない一文字則宗はまるで高みの見物でもしているかのように呑気に笑うが、高みどころか他人事でもない。正真正銘、畑当番の当事者である。
「炬燵でぬくぬくしてる場合? 内番すっぽかさないでよ」
「坊主も入るか?」
「入るわけないでしょーが。まったく、獅子王も南泉もとっくに集合して働いてんのにさー」
「うはは。隠居のじじぃだ、大目に見てもらおう」
「獅子王の方があんたより年上じゃん……」
はあ、と加州はため息をついた。
この手のやり取りはしょっちゅうしている。もともと内番をすっぽかすじじい連中を連行する係に任命されがちだった加州だが、一文字則宗が来てから明らかに仕事量が増えた。