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    いちや

    MOURNINGチプ闇で発行した同人誌「夜明け前」より、幕間のお話の後に残された3人の物語。
    なので闇慈の痕跡がちらほら有りますが、これ単体でも完結しております。
    書いてる人はカイソルのつもりで書きました。
    私が普段書いてるのはチプ闇ですが、ソル受けも好きだったり。
    友人に捧げた物です。

    変わってしまったからこそ、触れられる事が出来るようになった場所って良いですよね。
    幕間ーAfterー闇慈が騒がしく去って行った後、その場にはフレデリックとカイの2人が残っていた。

    「で?何しに来た」

    「ああ、様子を見に来た。あれから何かあったか?」

    「何もねえ。それこそ相当なマニアか、ただの物好きしかここには来ねえからな」

    首を竦めながら、フレデリックはそう零した。
    不満の体を装っているが、それでも今を楽しんでいる事をカイはどことなく感じ取っていた。
    商売をする気にはあまり見えないが、それも彼らしい。

    しかしこれは暗に物好きの枠に入れられているのだろうなと、カイは少々不服を覚える。

    「…そういう何か、ではなく体調は、という意味だったんだがな。その様子では何も問題は無さそうだ」

    「愚問だな」

    溜息を付きながらの言葉に、鼻で笑いながら男は返す。
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    りゅうひよこ

    PROGRESS探偵・魏嬰&助手・藍湛のクローズドサークル。書くの時間が掛かるので、邸宅に閉じ込められた3日目の途中まで。トリックは特にないので、謎解き要素には期待しないでください。ほかの原稿もあるので、時間があるときに続きを書こうと思います。
    1日目に集まった9人
    王霊嬌
    金子勲
    金光瑤
    温晁
    聶明玦
    蘇渉
    宗嵐(雇われ管理人)
    江澄
    常慈安
    2日目に合流した3人
    薛洋
    魏嬰
    藍湛
    忘羨・缶バッジAU/探偵AU■一日目

    その日、ある邸宅が宿泊施設としてはじめての客を迎えた。
    邸宅は中国内陸部、陸の孤島ともいえる場所に建っていた。

    ■二日目

    「へえ、立派なもんだな」
    車の運転席から降りた魏嬰は、建物を見上げて言った。

    黒い瓦の大きな屋根、左右対称に並んだ柱、白亜の壁。邸宅は、伝統的な中国の建築にモダンな様式を取り入れたデザインで、洒落たホテルのようにも見えた。

    藍湛も、車の助手席から降りてあたりを見回した。
    「まわりに人家も店も何もない」
    「ああ。庭の植え込みも、植樹したばっかりって感じだし。駐車場ってどうなってるんだろ。まさか藍家の高級車を、そのへんの空き地に停めろなんて言わないよな」

    空は白々と明けたばかりで、しんと静まり返っている。だからか、遠くからエンジン音が聞こえてくることに気がついた。二人の車が来たのとは逆の方向からだ。
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