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    circle_mlc

    DONE2023/04/09 TOA webオンリー「ひだまりの旋律」の展示作品です。
    ※オリジナルのモブキャラクター目線の短編小説です。
    インゴベルト私室にある幼少期ナタリアの肖像画を描いた画家が、両親に似ていない彼女を不審に思うも人柄に尊敬の念を抱いていく話です。(CP要素なし)
    ※小説やドラマCDなど未履修の作品がありますので、それらと矛盾する描写があればご容赦ください。
    この腕が支えるもの 彼女が部屋に入ってきた瞬間、空気が変わった。小声でおしゃべりをしていたメイドたちは背筋を伸ばした後、小さな少女に深々とお辞儀をする。部屋の入り口に立っている兵士も、開いた扉の隙間から敬礼している姿が見えた。この空間の主は今、この金色の髪の少女なのだ。
    「あなたが、私を描いてくださる方ですの?」
     よく通る凛とした声。真っ直ぐにこちらを見て微かに微笑んでいる。
    「その通りです、ナタリア殿下。本日はどうかよろしくお願いします」

     「私、あなたが描いたお父様とお母様の絵、大好きですわ!お父様の横顔は凛々しく、お母様は優しそうで」
     椅子に座ると、殿下は年相応の屈託のない笑顔を見せた。それでも、揃えた膝の上にきちんと手を乗せた美しい座り方で、絵を描きやすいよう気を遣っているようだ。
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    orange1000_

    PROGRESS大型旋盤の除幕式とピザの話。艦これ。半分くらい行ったら、更新止めます。
    3月5日bgm 私のリンゴ/叶



    この物語は艦娘と実在する自衛艦が同時に存在している世界線として作者の妄想を詰め込んで書いております。
    実在人物名、会社名はわざと少し変えてます!
    (大和ミュージアムは変えてないです)

    最後まで楽しんでいただければ幸いです。



    3月5日──
    今年は暖かく、そろそろ桜も早くも咲くだろうかという頃。
    俺たち提督たち、そして艦娘の間では話題になってた、大和の大型旋盤──15299機──の除幕式が、今日行われようとしている。

    他の皆は頼んでた任務に集中してもらうように伝え、秘書である赤城と一緒に鎮守府を出た。今回は一般で参加することになってる。終わったら、各自自由にとも言われてる。

    除幕式が行われる、大型旋盤がすでに収まっている透明なガラス張りの展示の場所に向かうと既にカメラを持っている一般参加者やメディアがやってきていた。まだ少ない方なので、これからもう少し増えるだろう。ちなみに少し前に見に来たときと違い、大型旋盤の展示は既に幕は外れているため大型旋盤が丸見えになっている。今日は各々の話とテープカットのみとなりそうだ。
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    asaki

    PAST2022.12.18[星々が紡ぐ旋律2]にて展示していた作品。

    卒業式後、気持ちに見て見ぬふりをする桐ケ谷と落ちてくるのを待つ刑部の話

    ※多分、今後続きます。
    【刑桐】Irresistibile/春 すうすうと無防備に寝息を立てる男の姿を、初めて見たかもしれない。
     二人掛けのソファに窮屈そうに脚を投げ出し、胸元には読みかけの参考書らしきものが伏せられている。
     ベランダの窓は開け放たれ、生成りのシアーカーテンが揺れるたびに影が揺らめく。甘い匂いを乗せた風がはらりはらりと桜を誘い込んでくるのか、室内に桜の花弁が散っていた。
    (絵になる男――)
     まるで映画かドラマのワンシーンのようで、桐ケ谷は思わず舌打ちしたくなった。


     高校を卒業したら進路は分かたれる。今までのようにつるんではいられない。
     地元の専門学校に進んだ桐ケ谷と、都内の大学に進学した刑部――どうしたって、共有する時間は減る。中学と高校時代、小学校の時よりも一緒にいた時間は少なかったが濃度が違った。ぎゅっと凝縮されていて、いつでも桐ケ谷の後ろには刑部がいるような気がしていた。事実、スターライトオーケストラとして活動している間は刑部とほぼ一緒にいたと言っても過言ではない。菩提樹寮へ通う際も、一緒にツーリングしているような気になった。
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