安置「オレんちから片道二時間すンだけど。デンジ君の高校」



　吉田の家から最寄り駅までがだいたい十五分、高校の最寄り駅から高校までも十五分、そして家の最寄り駅から高校の最寄り駅までの間が、一時間半。到底通えないというレベルではない、ギリギリ通えてしまう距離だから厄介だった。週五回、往復四時間もかけて移動なんてしたくない、しかし引っ越す程でもない。つまり公安からも引越しの金が降りてこなかったのだ。自己負担で家を探そうとするも何となく腰が重く、ずるずると始業式の日になっても引っ越さず、新学期の忙しさと移動のかったるさに参った金曜日の夜、やっと辿り着いた自宅のベッドで愚痴を零す。ちなみに昨日は帰るのがダルすぎてビジホ泊まりもした。部活動の勧誘会やら説明会やらが長引いた上、監視や友人との付き合いもあって学校を出るのが遅くなったから。そして引越しを渋ったとはいえ、高校生にしては金がある方だから。

【Shusta】又一春“啊，被炉好暖和啊——”
Mysta缩在被炉下只露出半个身子，眼睛半闭半睁看着电视里播红白晚会。迪士尼的角色们蹦蹦跳跳，Mysta看着看着就感觉大脑昏昏沉沉，有点儿犯困，源源不断的热度从桌下传过来，他觉得整个人都被熏得暖烘烘的，像一只快要冬眠的睡鼠。电视里的声音逐渐变得模糊，眼皮即将合上的时候，Mysta忽然感到嘴唇一凉——一瓣橘子贴在了他嘴唇上。
“别睡着了，待会儿还得出去的。”
Shu穿着厚厚的条纹毛衣，笑着看他，手里捏着橘瓣。Mysta清醒了一点，但困意还在，一边懒洋洋抻了个懒腰一边张嘴把橘子叼进嘴里，嚼也懒得嚼，含着橘瓣含混地嘟囔。
“我先睡会儿，到了时候你再叫我。”
“就快到了。”Shu把手机举到他快闭起来的眼睛前，“还有二十分钟，你现在睡着了会起不来的。”