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    盗賊

    salmon_0724

    MAIKING2023.3.5 日陰者の太陽へ2 展示作品ですがパソコンが水没したので途中までです。本当にすみません……。データサルベージして書き終えたら別途アフタータグなどで投稿します。
    ※盗賊団についての独自設定、オリキャラ有
    ※数百年後にブラネロになるブラッドリーと子ネロの話
    死にかけの子ネロをまだ若いブラッドリーが拾う話 雪に足をとられてつんのめるように転んだネロには、もう立ち上がる気力さえ残っていなかった。
     突き刺すような吹雪でぼろぼろになり、白く覆われた地面に叩きつけられたはずの体は、寒さで麻痺して痛みさえ感じない。
     ぴくりとも動かす気力のおきない自分の指先に、雪が降り積もっていく。
     その様子をぼんやり見つめながら、このまま死ぬんだろうな、と思った。
     他の感想は特にない。
     すっかり疲れ果てていたので、もう全部がどうでもよかった。
     誰が家族なのかもよくわからないまま出て行った生家にも、殴られたり逃げたりしながら掏りや窃盗で食いつないだ日々にも、大した感慨はない。
     最後にはとっ捕まって場末の食堂で働かされていたが、足りない材料を地下室に取りに行かされている間に食堂どころか村ごと燃やし尽くされていた。
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    雨月ゆづり

    PROGRESS「ニキくんの髪をマヨちゃが三つ編みにして、お揃いにするお話」+ナイトクラブ衣装でいただいたお題に、マヨイも盗賊衣装でプラスしてファンタジーな何かを書いています。
    燐音くんもいる。
    話は絶賛書いている真っ最中な上、オチとその手前以外あんまり決めていないので、完成版は多少展開が異なったり、加筆修正していたりする可能性があります。

    ニキくん誕生日おめでとうございました!
    完成したらぴくしぶにあげたい。
     自分は死ぬのだと思っていた。
     応急処置はしたものの、腹に巻いた包帯にはうっすらと血がにじんでいる。体温は雪に奪われて、もう一歩も歩けそうにない。
     あと少し、あと少しだけ歩ければ、街に着いたのに。街に着けば、人がいる。人がいるなら、助けを求められる。でも、歩けない以上はどうしようもない。
     最近は塀の外は物騒だからと、何か用事がない限り、それぞれの街の人たちは可能な限り塀の中に閉じこもるようになっていた。塀の外には盗賊や、獣がいる。確かに戦う術を知らない一般市民は、塀の中にいた方が安全だ。
    「あれ、おに~さん?」
     だから、こんな能天気な声が聞こえるはずがない。これは、助けを求めることさえ出来れば、きっと助かるという自分の願いが生んだ幻想だ。
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