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    花火

    cat_step0416

    DONEisrn
    にょたゆりで夏の海と花火と話です。
    サブタイトルは「心中って自殺死体と他殺死体の組み合わせだけどこの二人ってどっちがどっちだろ!」です。
    夏の儚さの隙間に、いつだってあなたを想うよ ふくらはぎの中ほどまで水につけた女は、つめて、と小さく呟いた。夏の海と言えど、水という液体は総じて冷たいものである。
     砂浜に脱がれたスニーカーの中に丸まったハイソックスがいかにも、という感じがする。ローファーの中で几帳面に畳まれた自分の靴下と並んでいたのが、遠い過去のようだった。
     潔は、伸びた髪を潮風で揺らしながら小さく鼻歌をこぼしていた。随分と調子外れで、原曲に辿り着いた時にはサビまで来ていた。数年前に流行した曲だった。
     この女は、とんと現世に興味が無い。サッカーという競技、そしてそれに付随するものにしか興味が無いのである。それを羨ましいと思うのは、自分がサッカーをしている側の人間で、彼女の目に映り込める人間だからこそ思える贅沢なことである。そういうものらしい。最近のことわかんないから曖昧に笑って流しちゃうんだよな、なんて困ったように頬をかいていた女は、今楽しそうにパシャリと水を跳ねさせてはしゃいでいる。その姿を知るのは俺だけ。そういうことに優越感を抱いた自分がいる。それを認めたくなくて、小さく漏れた溜息に、潔はどしたん、なんて気が抜ける声を出しながらこちらを向いた。
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    ya_so_yan

    DOODLE花火を見る夏のニコイチ。
    ジンウォカでもウォカジンでもいけそうかも……いやでも書いてる人間はジンウォカ思考だからやっぱジンウォカかな……

    ※兄貴がラフな格好です。彼シャツ(?)
    ※所帯染みてます
    ※いちゃいちゃです
    ※一瞬しんみりかなと思いきや、結局いちゃいちゃです
    尽きない火花「おい、まだか」
    「いま行きやす!」

     旧型の電子レンジで温め直したタコ焼きと、浅漬けのキュウリの小鉢を盆に乗せて、ウォッカは手狭な台所からいそいそと移動する。

     向かう先には、ちゃぶ台の上に缶ビールが2本。
     その傍らで、ジンは畳に胡座をかき、開け放った窓から吹き込む夜風で涼んでいる。

     何度見ても見慣れない姿だ。
     下は彼の自前のジーンズだが、上はウォッカのTシャツにわざわざ着替えている。もちろん、きれいに洗濯しているが、着古して緩んだ首周りからしっかりとした首筋と鎖骨が露わになった姿には、怠惰な色気とでもいうようなものが漂っている。
     度々この部屋にやってくるようになった兄貴分は、特に夏場、当然のように弟分の服を身につける。体の厚みや横幅でジンに勝るウォッカの衣服は、引き締まった彼の体にとって余裕があり、風を通すので涼しく感じるのだろう。
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