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    謎解き

    りゅうひよこ

    PROGRESS探偵・魏嬰&助手・藍湛のクローズドサークル。書くの時間が掛かるので、邸宅に閉じ込められた3日目の途中まで。トリックは特にないので、謎解き要素には期待しないでください。ほかの原稿もあるので、時間があるときに続きを書こうと思います。
    1日目に集まった9人
    王霊嬌
    金子勲
    金光瑤
    温晁
    聶明玦
    蘇渉
    宗嵐(雇われ管理人)
    江澄
    常慈安
    2日目に合流した3人
    薛洋
    魏嬰
    藍湛
    忘羨・缶バッジAU/探偵AU■一日目

    その日、ある邸宅が宿泊施設としてはじめての客を迎えた。
    邸宅は中国内陸部、陸の孤島ともいえる場所に建っていた。

    ■二日目

    「へえ、立派なもんだな」
    車の運転席から降りた魏嬰は、建物を見上げて言った。

    黒い瓦の大きな屋根、左右対称に並んだ柱、白亜の壁。邸宅は、伝統的な中国の建築にモダンな様式を取り入れたデザインで、洒落たホテルのようにも見えた。

    藍湛も、車の助手席から降りてあたりを見回した。
    「まわりに人家も店も何もない」
    「ああ。庭の植え込みも、植樹したばっかりって感じだし。駐車場ってどうなってるんだろ。まさか藍家の高級車を、そのへんの空き地に停めろなんて言わないよな」

    空は白々と明けたばかりで、しんと静まり返っている。だからか、遠くからエンジン音が聞こえてくることに気がついた。二人の車が来たのとは逆の方向からだ。
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    周一周

    PROGRESS小説 ホラー ささらとろしょが事故物件に住むはなし カプタグつけてるけどnot腐な旧どつ 申し訳程度の謎解き要素も入れるつもり

    2022/04/30 ver0.1
    05/01 ver0.2
    05/19 ver0.3
    05/23 ver0.4
    12/11 ver0.5
    12/17 ver0.9
    恐い間取り花園北にあるそのアパートは、利便性のみを評価するなら最高の物件だった。大阪環状線が目と鼻の先にあり、路線を越え通天閣を過ぎると、そうかからないうちにミナミの繁華街へ行くことができた。大阪の中心地に近いにも関わらず、大国町を境に家賃相場がより良心的なものに変わるため、学生や、難波の劇場を根城とする芸人たちが、少なからずその周辺に住むことを選んだ。おまけにその賃貸は、近辺にある似たような間取りのどの部屋よりも、安い価格で借りることができた。

    そんな好条件を有していながら、しかし件(くだん)の物件は、長らく住み手の見つからないままでいた。理由はひとつ明白に、その物件には居住する際の「告知事項」が存在していた。5階建てアパートの最上階、10畳ワンルーム、風呂トイレ別、バルコニーあり、ロフト付き。小洒落た造りをしたその部屋にはかつて、都心の大学へ通う女学生が住んでいた。その人は大学三年生を迎える春に突如として連絡が途絶え、様子を伺いに田舎からやってきた両親が、ロフトの柵で首を吊っている彼女の死体を発見した。警察が彼女の身辺調査を行った結果、当時その女性と付き合っていた彼氏が消息を絶っているという不可解な事実が判明したが、二人の関係は特別悪くなかったそうだ。彼女は果たして自死か他殺か、また彼氏はどうして消えてしまったのか、どちらも決定的な手がかりを掴めぬまま、自殺という仮の結論のままその事件は処理された。そうするとすぐ部屋には特殊清掃が施され、人が住む前のまっさらな状態に繕い直された。西日の多く差し込むその部屋は、今もがらんどうの口を開け、再び誰かが出入りするのを待っている。
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