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    近侍

    Lemon_yummi

    DOODLE◇◆なんでも許せる人向け◇◆
    「主を失った本丸」において、初期刀の歌仙と近侍の和泉守がそれぞれ異なる忠義と信念を抱いて衝突する話。
    いつ如何なる場合においても歴史改変は許されないのか?という率直な疑問から着想を得た。
    極同士の容赦なしの真剣勝負と、歌仙の揺れ動く心情が描きたかった気持ちも強め。
    歌仙さん暴走気味。
    『__政府からの指令です。歴史改変を阻止するため、歌仙兼定を誅伐せよ。』
    徒花の君へ【壱 崩落】
     ――主が死んだ。
     すぐ帰るから、と言って護衛も無しに万屋へ向かう道中で暴れ馬に撥ねられた。
     刀である僕たちと違って、人の身体は手入れでは元に戻らない。
     乱れた髪も、土に染みた鮮血も、折れた幾つもの骨も、何一つ。
     人の寿命は短いとわかっていた。それでも、あまりに早過ぎた。
     実を成せず、雨に打たれて志半ばで散ってゆく。
     
     ――徒花のように、呆気なく。

    ◇◆◇◆
     
    「それでは、これにて説明は以上となります。
     他の本丸への異動を希望する方は後程こちらへ、
     刀解を希望する方は所定の場所へ移ってください。」
     管狐と政府の役人の指示に従って、数多の刀剣男士が本丸を駆けていた。
     それも束の間、太陽が傾いて影が伸びてゆくうちに、一人また一人と声が消えてゆく。
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    いなばリチウム

    TRAININGhttps://poipiku.com/594323/10668650.html
    これの続き。騙されやすい審神者と近侍の長谷部の話。
    だまされやすい審神者の話2 疎遠になっても連絡をとりやすい、というタイプの人間がいる。

     それがいいことなのか、はたまたその逆であるなのかはさておき、長谷部の主がそうだった。学校を卒業し、現世を離れてから長いが、それでも時折同窓会やちょっとした食事会の誘いがあるという。ほとんどは審神者業の方が忙しく、都合がつかないことが多いけれど。今回はどうにか参加できそうだ、と長谷部に嬉しそうに話した。
     もちろん審神者一人で外出する許可は下りないので、長谷部が護衛として同行することになる。道すがら、審神者は饒舌に昔話をした。学生の頃は内気であまり友人がいなかったこと、大人しい自分に声をかけてくれたクラスメイトが数人いて、なんとなく共に行動するようになったこと。卒業する時に連絡先を交換したものの、忙しさもありお互いにあまり連絡はしていなかったこと。それでも年に一度は同窓会や、軽く食事でもしないかという誘いがあること。世話になっている上司を紹介したいと何度か打診され、気恥ずかしさはあったものの、紹介したいと思ってもらえることは嬉しかったこと。今回やっと予定が合い、旧友とその上司に会えること。
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