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    も ぶ

    DONEワンドロライ夏の企画よりお題「猫被り」お借りしました。
    七海就職1年目初夏で付き合っていない五七と家さんで飲みの待ち合わせ中に起きた出来事の話。
    ※当て馬モブ顧客ががっつり出てきます。苦手な方ご注意ください。
     証券マンよくわかってない人間が書いてるのでその辺もご了承ください。
    猫被り 場所は銀座、某デパート前。2人の男女が人待ちをしていた。

    「今向かっているそうです」
    「置いてくか?」
    「それはそれで後が面倒になるのでは」
    「確かに」

     男女、家入と七海は揃ってため息をついた。今日は社会人となった七海の息抜きと称して飲みに行こうと五条が集合をかけたのだ。当の本人が遅刻であるがいつもの事と二人は諦めていた。遅刻常習犯である五条だが、それはいつも数分のこと。そうかからずに来るだろう。七海が家入に今日行く店について確認しようとした時、後ろから声がかけられた。もちろん五条ではない。

    「あれぇ? もしかして七海くんじゃないかい?」
    「! 三井様、ご無沙汰しております」

     声をかけてきたのはいかにも成金と言った風貌の男だった。家入はその風貌と口元にのみぎこちなくうっすらと笑みをのせた七海の反応に顧客だろうと察する。
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