明日はケーキ食べよーな　夜の陰落ちるアスファルトの上を足音が二つ転がっていく。陽が沈んで随分と経った住宅街に落ち行く固い音色を奏でるのは、普段の履き慣れたスニーカーではなく新品の革靴だ。汚れ一つ無い真っ白なそれは、街灯が照らす夜道の中でほのかに光って見えた。
「パーティー楽しかったな！」
「えぇ。何より、レイシスが楽しんでくれたようですからね」
「そそ。レイシス、ずーっと笑ってたもんな」
　よっぽど楽しかったんだろうなー、と喜色に満ちた声は白を形取り、ふわりと浮かんで空へと消えていく。喜びで華やかに彩られ緩んだ頬は、うっすらと紅が滲んでいた。
　えぇ、と応える穏やかな声。その音も、普段の怜悧でシャープな輪郭を失い、わずかにとろけていた。ふ、と柔らかに吐き出した息も同じく白になり、闇夜に舞って消えた。

吸血鬼にとって月は慈愛、優しさ、愛おしさ、内包する言語である(妄想)という妄想からあの句を読み解くと、



月いでて
月が綺麗な
月夜かな





月が出て来ました
愛しいきみの、その月の様な銀髪が月明かりに白々と冴えて、
まるで第二の月のようです
あぁ、今宵は何て素晴らしい、愛の夜なのでしょうか




という熱烈なドラロナの句が生まれて来ませんか



熱烈過ぎるかな、と思ったんですが
よく考えたらお師匠さまは一瞬見ただけのキッスさんに曼珠沙華の玉唇の句を詠んでましたね
詠みますねドラちゃんも