鴉
yacky05
MEMO # 05創作 (狼鴉の戦火)*エンラ
厳格で血の気の多い紅鴉族にしては快活柔軟なヤタの叔父であり師でもあり、幼少のラゴラ・スズラも共に育てた。
敵対種族である紺狼族のナギツラとは水面下では交友関係にあり
じわじわと迫りくる大国からの侵略による北方国の危機を憂いていた。
yacky05
MEMO # 05創作「砂塵舞う黄昏」 (狼鴉の戦火編)
あらすじ
放浪の若人編より少し前、
北の地で繰り広げられた発端となるヤタやカグツラ達の過去編。
複数の民族が住まう北方の地。
そこでは紅鴉族そして紺狼族という二つの大きな力を持つ種族が
互いに対立し合っており、緊張状態が続いていた。
そんな中、紺狼族のアマツラが紅鴉族を潰すべく企てた謀により内部割れした紅鴉族は半壊滅状態へと追い込まれる。
yacky05
MEMO05創作 (放浪の若人)*ヤタ
紅鴉と呼ばれる勇ましき種族の男。故あって北方の地の多種族の集団を束ねている。
炎神のような髪色と鋭い眼を持ち、凛々しく威厳ある外見とは裏腹に温厚な一面も持つ。カグツラとは旧知であり戦友以上の間柄。
yacky05
MEMO05創作 (放浪の若人)*バルサラ
ヤタの従者の1人であり紅鴉族の男。
気まぐれで飄々とした読めない性格な為、
よく怪しまれる事がある。
同じく従者で相方のイサベラとは呑み仲間でもある。
sagami_tu_ka103
DONE都々逸ネタ壱:有名な都々逸で。本当は鬼→鴉ですが。私が妄想している煉獄家ご先祖様捏造🔥は江戸時代中期頃としているので、都々逸は江戸時代末期からなので時代は合ってません😂お布団は特注品💴枕はこの時代の枕ではないです😅都々逸ネタ弐:お店でテーブルとイスは明治になってかららしいです。時代劇は絵面的にあの演出ってことね。知らなかった🤔
都々逸ネタ参:一途な人なんです 3
銀鳩堂
PROGRESSヤンクロ第二部27話。後のクロウリー学園長=大鴉のディアヴァルの物語、美しき女王編の27話。
復讐を終えたディアヴァルは鏡の元へ。
(本文約1800文字)
ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第二部27話「闇の鏡」 ディアヴァルは女王の居室へと戻っていた。
部屋にはディアヴァルのための専用の出入り口がある。彼はそこから難なく部屋に入り込み、鏡の前に行くことが出来た。
「鏡よ鏡、戻ったぞ」
すると、鏡の中に緑の煙が渦巻き、男の顔が現れた。彼に刻まれたあの模様と同じ模様を持つ顔が。
「お前の言う通り、俺は新たな力を得た。だがこの力ではあの方を黄泉帰らせることは叶わないのだろう?」
「是である」
「では、どうすれば良いんだ?」
「黒い石を集めよ」
「こんなもの、どこで手に入れるんだ……」
「無限の時間がある」
「確かに、時間だけはあるようだな。だが、待っているだけでは石は集まらない」
「石を集めるのは貴方の役目だ」
1853部屋にはディアヴァルのための専用の出入り口がある。彼はそこから難なく部屋に入り込み、鏡の前に行くことが出来た。
「鏡よ鏡、戻ったぞ」
すると、鏡の中に緑の煙が渦巻き、男の顔が現れた。彼に刻まれたあの模様と同じ模様を持つ顔が。
「お前の言う通り、俺は新たな力を得た。だがこの力ではあの方を黄泉帰らせることは叶わないのだろう?」
「是である」
「では、どうすれば良いんだ?」
「黒い石を集めよ」
「こんなもの、どこで手に入れるんだ……」
「無限の時間がある」
「確かに、時間だけはあるようだな。だが、待っているだけでは石は集まらない」
「石を集めるのは貴方の役目だ」
銀鳩堂
PROGRESSヤンクロ第二部25.5話。後のクロウリー学園長=大鴉のディアヴァルの物語、美しき女王編の25.5話。
山火事回の前に入るべきパートです。書き忘れて山火事回を公開しちゃって、後から追加で書きました。支部に移植するときに調整します。(本文約1100文字)
ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第二部25.5話「悪の女王」 妖精の森から舞い戻ったディアヴァルは、カラスの姿で村や町、城の中を飛び回り、聞き耳を立てて歩いた。
そして、スノーホワイト姫が隣国の王子に見初められて結婚することを知った。人間たちはみな、姫の結婚の発表で祝賀ムードに包まれていた。
この国は新たな王を迎えることになるのだ。隣国の王子は、姫を娶ることでこの国の王位も継承することになる。
美しい姫とりりしい王子のカップルはお似合いだ、さぞよい治世となるだろう、と人々は口々に噂するのだった。
その一方で、ハントマンが姫を殺そうとして果たせなかったことは周知の事実となり、姫本人や小人たちの証言から、姫に毒りんごを食べさせた老婆は女王の化けた姿であろうと噂されていた。
1126そして、スノーホワイト姫が隣国の王子に見初められて結婚することを知った。人間たちはみな、姫の結婚の発表で祝賀ムードに包まれていた。
この国は新たな王を迎えることになるのだ。隣国の王子は、姫を娶ることでこの国の王位も継承することになる。
美しい姫とりりしい王子のカップルはお似合いだ、さぞよい治世となるだろう、と人々は口々に噂するのだった。
その一方で、ハントマンが姫を殺そうとして果たせなかったことは周知の事実となり、姫本人や小人たちの証言から、姫に毒りんごを食べさせた老婆は女王の化けた姿であろうと噂されていた。
銀鳩堂
PROGRESSヤンクロ第二部26話。後のクロウリー学園長=大鴉のディアヴァルの物語、美しき女王編の26話。
妖精の森から戻ってきたディアヴァルは、ある行動に出た。
(本文約2200文字/豆知識約430文字)
ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第二部26話「山火事」 山が、燃えていた。
ドワーフ鉱山を擁するモルン山。その山麓に広がる豊かな森は今、一面の炎に呑み込まれつつあった。
パチパチと音を立て熱風と煙を吹き上げる炎の前線が山を這い上がってくる。木々の間の下生えを舐めながら這い寄る炎は一見ゆっくりにも見えるが、新たな樹木に取り付くと樹皮を燻ぶらせながら幹を這い上がり、唐突に巨大な炎となって躍り上がる。そうなると生木であってももう抗うことは出来ない。木々は次々と炎の嵐に揉まれ、呑み込まれてゆく。辺り一帯を焼き尽くす業火は激しい上昇気流を生み、生命を奪う熱風が荒れ狂っていた。
ドワーフたちは坑道に逃げ込んで水魔法で入り口を塞ぎ、炎を防ごうとしていた。だが、山腹を吹き上げてくる熱風は容赦なく氷を溶かし、逃げ場のないドワーフたちを追い詰めていた。
2705ドワーフ鉱山を擁するモルン山。その山麓に広がる豊かな森は今、一面の炎に呑み込まれつつあった。
パチパチと音を立て熱風と煙を吹き上げる炎の前線が山を這い上がってくる。木々の間の下生えを舐めながら這い寄る炎は一見ゆっくりにも見えるが、新たな樹木に取り付くと樹皮を燻ぶらせながら幹を這い上がり、唐突に巨大な炎となって躍り上がる。そうなると生木であってももう抗うことは出来ない。木々は次々と炎の嵐に揉まれ、呑み込まれてゆく。辺り一帯を焼き尽くす業火は激しい上昇気流を生み、生命を奪う熱風が荒れ狂っていた。
ドワーフたちは坑道に逃げ込んで水魔法で入り口を塞ぎ、炎を防ごうとしていた。だが、山腹を吹き上げてくる熱風は容赦なく氷を溶かし、逃げ場のないドワーフたちを追い詰めていた。
銀鳩堂
PROGRESSヤンクロ第二部25話。後のクロウリー学園長=大鴉のディアヴァルの物語、美しき女王編の25話。
すべてを失ったディアヴァルは、あの森へと向かった…。
(本文約2070文字/今回は豆知識はありません)
ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第二部㉕話「翼を継ぐ者」 この森に降り立つのは十何年ぶりだろう。
ディアヴァルは、思い出の詰まったあの森に帰ってきた。
楽しいことも、大変だったこともたくさんあった。そして胸の潰れそうな悲しい思い出も……。
真実の泉の小島に、聖なる樫の巨木は今も変わらずそびえていた。
ディアヴァルは樫の木の枝に舞い降りると、木の洞に飛び込んだ。
そこにあの石があった。すべての光を吸い込むような深い闇を宿した黒い石が、昔ディアヴァルが置いたそのままに木の洞の中に安置された一対の翼の間に置かれていた。
ディアヴァルは石をそっとくわえあげた。
あの鏡は、石を飲むように言っていた。そうすれば闇の力が我がものとなる、と。
彼はためらうことなく嘴を天に向けて振り仰ぎ、一気に黒い石を飲み込んだ。石はするりと喉を通り抜け、体内へと落ちていった。
2141ディアヴァルは、思い出の詰まったあの森に帰ってきた。
楽しいことも、大変だったこともたくさんあった。そして胸の潰れそうな悲しい思い出も……。
真実の泉の小島に、聖なる樫の巨木は今も変わらずそびえていた。
ディアヴァルは樫の木の枝に舞い降りると、木の洞に飛び込んだ。
そこにあの石があった。すべての光を吸い込むような深い闇を宿した黒い石が、昔ディアヴァルが置いたそのままに木の洞の中に安置された一対の翼の間に置かれていた。
ディアヴァルは石をそっとくわえあげた。
あの鏡は、石を飲むように言っていた。そうすれば闇の力が我がものとなる、と。
彼はためらうことなく嘴を天に向けて振り仰ぎ、一気に黒い石を飲み込んだ。石はするりと喉を通り抜け、体内へと落ちていった。
銀鳩堂
PROGRESSヤンクロ第二部24話。後のクロウリー学園長=大鴉のディアヴァルの物語、美しき女王編の24話。
七人の小人に追われ、崖から落ちた女王は死んだ。亡骸の側で悲しみに沈むディアヴァルの目の前に、二羽のハゲタカが舞い降りた…。
(本文約3700文字/今回は豆知識はありません)
ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第二部㉔話「ディアヴァルとハゲタカ」 雨が降り始めた。大粒の水滴がバタバタと音を立てて天から落ちてくる。だが、ディアヴァルは雨を避けることも思いつかず、ただ呆然と女王の亡骸によりそって涙を流し続けていた。雨と涙がいりまじり、冷えた地面へと吸い込まれてゆく。
深い悲しみの底に沈んでいたディアヴァルを現実に引き戻したのは、頭の上を過る影と大きな羽音、そして全身に打ち付ける風だった。
頭を上げると、目の前に一羽のハゲタカが降り立っていた。ハゲタカの身体はディアヴァルの何倍も大きい。風はその翼が巻き起こしたものだったのだ。
一瞬、何が起きたのかわからなかった。悲しみの深みから意識が引き剥がされたばかりで混乱している彼の目の前に、更にもう一羽のハゲタカが舞い降りてきた。
3778深い悲しみの底に沈んでいたディアヴァルを現実に引き戻したのは、頭の上を過る影と大きな羽音、そして全身に打ち付ける風だった。
頭を上げると、目の前に一羽のハゲタカが降り立っていた。ハゲタカの身体はディアヴァルの何倍も大きい。風はその翼が巻き起こしたものだったのだ。
一瞬、何が起きたのかわからなかった。悲しみの深みから意識が引き剥がされたばかりで混乱している彼の目の前に、更にもう一羽のハゲタカが舞い降りてきた。
銀鳩堂
PROGRESSヤンクロ第二部23話。後のクロウリー学園長=大鴉のディアヴァルの物語、美しき女王編の23話。七人の小人たちが小屋へ戻ってくる!女王の扮する老婆は危機を告げるディアヴァルに促されてその場を逃げ出したが…。(本文約2600文字/今回、豆知識はお休みです)
ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第二部㉓話「老婆と七人の小人たち」 ディアヴァルに急かされて、老婆に扮した女王は森の中へと走り込んでいった。
ディアヴァルが空に舞い上がって偵察してみると、木立の隙間からちらちらと、小人たちが転んだり滑ったりしながらも家を目指して走っているのが見えた。あいつらあんなに足が短いくせに、なんであんなに早いんだ? それなのに、老婆の姿の女王は早く走ることが出来ない。早くも息をはずませて、苦しそうに走っている。ディアヴァルは女王の直ぐ側まで舞い降りると、枝から枝へと飛び移りながら女王の後を付いて行った。
女王は森の踏み分け道を走って戻っていく。その後ろから、大声で叫ぶ怒った小人たちの声がかすかに聞こえ始めた。このままでは追いつかれてしまう! どうすれば良いのだろうか? ディアヴァルは女王のそばを離れ、小人たちの方へと戻っていった。
2646ディアヴァルが空に舞い上がって偵察してみると、木立の隙間からちらちらと、小人たちが転んだり滑ったりしながらも家を目指して走っているのが見えた。あいつらあんなに足が短いくせに、なんであんなに早いんだ? それなのに、老婆の姿の女王は早く走ることが出来ない。早くも息をはずませて、苦しそうに走っている。ディアヴァルは女王の直ぐ側まで舞い降りると、枝から枝へと飛び移りながら女王の後を付いて行った。
女王は森の踏み分け道を走って戻っていく。その後ろから、大声で叫ぶ怒った小人たちの声がかすかに聞こえ始めた。このままでは追いつかれてしまう! どうすれば良いのだろうか? ディアヴァルは女王のそばを離れ、小人たちの方へと戻っていった。
銀鳩堂
PROGRESSヤンクロ第二部22話。後のクロウリー学園長=大鴉のディアヴァルの物語、美しき女王編の22話。老婆に扮した女王は森の小人の小屋へと向かった…。(本文約3000文字/今回、豆知識はお休みです)
ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第二部㉒話「姫と老婆」 女王とディアヴァルは、森の奥へ奥へと進んでいった。
深い森には太くねじくれた木々が鬱蒼と茂り、空はほとんど見えない。地面には分厚く苔がむし、足音も吸い込まれて響くことはない。聞こえてくるのは、どこか遠くで鳴く鳥の声と、吹きすぎる風が梢を揺らす音くらいだ。そんな風景の中に、細い踏み分けが通っている。その細い獣道か人の道かも定かではない踏み分けを、一人の老女が歩いていた。曲がった腰に長い木の杖をつき、片手に籠を抱えている。誰が見てもみすぼらしい老婆にしか見えないそれは、女王の変装した姿だった。
どれほど歩いただろうか。太陽が天高く上がりそろそろ昼も近いと見えた頃、やっと森の木々がまばらとなり、一人と一羽は開けた空き地へと歩み出た。
3100深い森には太くねじくれた木々が鬱蒼と茂り、空はほとんど見えない。地面には分厚く苔がむし、足音も吸い込まれて響くことはない。聞こえてくるのは、どこか遠くで鳴く鳥の声と、吹きすぎる風が梢を揺らす音くらいだ。そんな風景の中に、細い踏み分けが通っている。その細い獣道か人の道かも定かではない踏み分けを、一人の老女が歩いていた。曲がった腰に長い木の杖をつき、片手に籠を抱えている。誰が見てもみすぼらしい老婆にしか見えないそれは、女王の変装した姿だった。
どれほど歩いただろうか。太陽が天高く上がりそろそろ昼も近いと見えた頃、やっと森の木々がまばらとなり、一人と一羽は開けた空き地へと歩み出た。
notyokkk
TRAINING【創作企画AOG】冷慈vsニヒツさん(孤鴉ん家)
お名前だけブラッドくんも
悪敵手。 惑星アクライアのとある街角、ヤンキー漫画でよく出てきそうな倉庫の中で厚い靴底でアスファルトを踏みにじる音が一つ鳴った。
とある別の惑星の女子生徒からとんでもないデートの誘いをもらい、英雄色を好むという言葉通り、それを受け取ったアクライアの銀狼に甘い空気などはありはしないのだが。
むしろ彼から出るのは存在感だけで、そこに立っているだけでただのファッションヤンキーであれば逃げ出してしまうだろう。そんな恐ろしい空気を纏う男に怯みもせず、デートの申し込みをしてきたのはセロスファクトリー在住の同い年の女子生徒、AHEADに所属しているらしいニヒツ・グリュック・リーベルノだ。
彼女からの誘いが来た時点で面倒な予感にかられたアクライアのヤンキーアニキ満田冷慈は事前に自身の後輩であり友人であり戦友であり好敵手であるブラッド・ベロニカへと情報を求めにいった。なんでも部の部長であるあの男であれば、頼めば動いてくれるだろうとわかりきっていた。どういうわけか、いや、ブラッド・ベロニカも目をつけられていたというべきか、彼はニヒツのことを知っているようでその部分を語ってくれた。
3164とある別の惑星の女子生徒からとんでもないデートの誘いをもらい、英雄色を好むという言葉通り、それを受け取ったアクライアの銀狼に甘い空気などはありはしないのだが。
むしろ彼から出るのは存在感だけで、そこに立っているだけでただのファッションヤンキーであれば逃げ出してしまうだろう。そんな恐ろしい空気を纏う男に怯みもせず、デートの申し込みをしてきたのはセロスファクトリー在住の同い年の女子生徒、AHEADに所属しているらしいニヒツ・グリュック・リーベルノだ。
彼女からの誘いが来た時点で面倒な予感にかられたアクライアのヤンキーアニキ満田冷慈は事前に自身の後輩であり友人であり戦友であり好敵手であるブラッド・ベロニカへと情報を求めにいった。なんでも部の部長であるあの男であれば、頼めば動いてくれるだろうとわかりきっていた。どういうわけか、いや、ブラッド・ベロニカも目をつけられていたというべきか、彼はニヒツのことを知っているようでその部分を語ってくれた。
銀鳩堂
PROGRESSヤンクロ第二部21話。後のクロウリー学園長=大鴉のディアヴァルの物語、美しき女王編の21話。自ら手を下す決意をした女王は地下室で…。(約1600文字。今回もちょい短めなので、支部移植時に20話とまとめUPするかも。豆知識はおやすみです)
ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第二部㉑話「女王と赤いリンゴ」 ディアヴァルと女王グリムヒルデはいつもの地下室にいた。
彼らの目の前では大鍋が煮えたぎっている。粘り気のある液体の水面に緑の泡がごぼり、ごぼりと浮き上がっては弾けて消える。女王はドロリとした液体をかき混ぜながら、低い声で歌うように呪文を唱える。その声に連れてひときわ激しく泡が吹きあげて弾け、緑の飛沫を散らす。
「これでいい。愛しい子、よぉく見ておいで。ここにリンゴがある。これをこうして……」
女王はしなやかな細い指でリンゴのヘタをつまんでぶら下げると、その赤い果実を慎重に緑の水面へと沈めた。すると、リンゴの周りに細かな泡が立ち上り、シュウシュウと音を立てて煙が立ち上った。煙は胸の悪くなるような匂いがして、ディアヴァルは思わず顔を背けた。
1689彼らの目の前では大鍋が煮えたぎっている。粘り気のある液体の水面に緑の泡がごぼり、ごぼりと浮き上がっては弾けて消える。女王はドロリとした液体をかき混ぜながら、低い声で歌うように呪文を唱える。その声に連れてひときわ激しく泡が吹きあげて弾け、緑の飛沫を散らす。
「これでいい。愛しい子、よぉく見ておいで。ここにリンゴがある。これをこうして……」
女王はしなやかな細い指でリンゴのヘタをつまんでぶら下げると、その赤い果実を慎重に緑の水面へと沈めた。すると、リンゴの周りに細かな泡が立ち上り、シュウシュウと音を立てて煙が立ち上った。煙は胸の悪くなるような匂いがして、ディアヴァルは思わず顔を背けた。
銀鳩堂
PROGRESSヤンクロ第二部20話。後のクロウリー学園長=大鴉のディアヴァルの物語、美しき女王編の20話。
ハントマンと姫を森へと送り出した女王は、鏡を通して二人を監視していた。
ハントマンが帰還したとき、女王は……。
(本文約1200文字/豆知識約900文字)
今回ちょい短めですみません。次のパートとの幕間のような感じで読んで頂ければ。
ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第二部⑳話「女王の裁き」 女王は鏡の中の光景を食い入るように見つめていた。
鏡を覗く目は険しく、その手は爪が手のひらに食い込むのではと思うほどに握りしめられている。
そこに映っているのは、スノーホワイト姫が森の奥の小人の家に入り込み、安らかに眠りに付いた様子だった。
と、ゆらりと波立つように景色が崩れた。
鏡の面を緑の煙が覆い、その中からあの黒いレースの様な隈取模様のある男の顔が浮かぶ。
女王は片手を振って「もうよい、下がれ」とだけ言った。
再び鏡の中に緑の煙が立ち込め、それが晴れたときには男の顔はもうなかった。しかし、男が消えたあとも部屋に張り詰めた緊張は緩むこと無く、ディアヴァルは我知らず項の羽毛を逆立てていた。
2320鏡を覗く目は険しく、その手は爪が手のひらに食い込むのではと思うほどに握りしめられている。
そこに映っているのは、スノーホワイト姫が森の奥の小人の家に入り込み、安らかに眠りに付いた様子だった。
と、ゆらりと波立つように景色が崩れた。
鏡の面を緑の煙が覆い、その中からあの黒いレースの様な隈取模様のある男の顔が浮かぶ。
女王は片手を振って「もうよい、下がれ」とだけ言った。
再び鏡の中に緑の煙が立ち込め、それが晴れたときには男の顔はもうなかった。しかし、男が消えたあとも部屋に張り詰めた緊張は緩むこと無く、ディアヴァルは我知らず項の羽毛を逆立てていた。
🕯🕯🕯
DOODLEめちゃくちゃ久しぶりのまとまった休みだったのに何も進められなかった…(そしてこれもおもくそヤッチャンの尾羽が消失してた…描き足しといた…)
ところで双循の服の意味ありげな鳥の羽根模様(黒)ほんとなんなんですかね詳しく教えて欲しいんですけど
模様じゃなくてどっかの鴉と戯れてたらくっつけてきちゃったんです?
最近これ見よがしに色合わせたりお揃いアクセ付けたりして匂わせが激しいよ
七漆という名のなな7
DONEゾンビのハロウちゃんと紳士なクロさん。とにかく手のかかるアホの子とそんな脳ミソ幼女の世話を焼くのが楽しくてしゃーないおじさんみたいな感じです。←
虚→ハロウちゃん、「Halloween(ハロウィン)」と「Hollow(虚ろ)」から。
鴉→クロさん、「Crow(鴉)」と「Claws(鉤爪)」から。 2
yacky05
MEMO特には漫画や小説等で形にして纏めているわけではないですが一応2つの世界観の創作タイトルを持ってます。(脳内イメージで)
①「砂塵舞う黄昏」(総称)
=「放浪の若人」+「狼鴉の戦火」(過去編的イメージ)
1~3ページのキャラ。架空の民族戦記モノ。本当はどシリアス
②「Cyclops(サイクロプス)」
自称うら若き美少女魔法使いと謎の狼男タッグのファンタジーもの。 5
mokumark2
MEMO悪辣HO2の宮殻 鴉枸子(くがら あまね)です!!!!187cm(下駄含めて197cm)の大男です!!!!!カワイイネ
イラストはこにし様(@ sinji_524 )!!!!
SKIMAにてご依頼させていただいたものを見て見てするためにまとめました
https://skima.jp/item/detail?item_id=139002 12
Super Lucky Guy
INFO這陣子會暫停畫最協的應援圖,也不會更新這裡,吧?(有另外一個很重要的要先處理),不過應援圖停在還可以的地方,已經稍微離開前一陣子那個畫不出背景的感覺了,下次回來畫時應該又更有能力畫完了(今天的我好樂觀喔ㄏㄏ)。花了一點點時間畫塗鴉,感覺不塗點東西很難當公告嘛~(畫的是一番かっこいい人)
⁽⁽ ◟(∗ ˊωˋ ∗)◞ ⁾⁾晚安~
umatsu1031
DOODLE遊郭編まとめ⚠️設定変更前の落書き、ネームが含まれます。
抹莉は無事に蜜璃様の継子になりました。(藤の花の家紋の家に行くまでに鴉を飛ばして手紙で許可を貰うという設定になりました。) 26
銀鳩堂
PROGRESSヤンクロ第二部15話後のクロウリー学園長=大鴉のディアヴァルの物語、美しき女王編の15話です。
離宮へと「修行」に出されたスノーホワイト姫が心配なディアヴァルは、こっそり様子を見に行ってみました。すると姫は…。
(本文約2580文字/豆知識約960文字)
ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第二部⑮話「姫と願いの井戸」 ディアヴァルは姫が心配だった。生まれてからずっと愛され大切にされてそだってきた娘だ。突然厳しい世界に突き落とされてさぞ心細いだろう。彼は姫の様子を見に離宮へと飛んで行った。
辛い思いをしているのでは、と心配していたのだが、意外なことに姫は楽しげに仕事に精を出していた。石畳を磨くにも洗濯するにも、楽しげに歌を歌って清々と励む。
その姿には他心はなく、ただただ清らかでほがらかだった。しかも、姫が歌うと、いつだって小鳥やリスがあつまってくるのだ。あの小さなお茶会の、楽園のようだった日々を思い出す優しい世界がそこにはあった。
そして姫は、他の召し使いたちからも可愛がられやさしく扱われていた。
3557辛い思いをしているのでは、と心配していたのだが、意外なことに姫は楽しげに仕事に精を出していた。石畳を磨くにも洗濯するにも、楽しげに歌を歌って清々と励む。
その姿には他心はなく、ただただ清らかでほがらかだった。しかも、姫が歌うと、いつだって小鳥やリスがあつまってくるのだ。あの小さなお茶会の、楽園のようだった日々を思い出す優しい世界がそこにはあった。
そして姫は、他の召し使いたちからも可愛がられやさしく扱われていた。
銀鳩堂
PROGRESSヤンクロ第二部14話後のクロウリー学園長=大鴉のディアヴァルの物語、美しき女王編の14話です。
ついに女王は姫を下働きに貶めることにした。その背後にある想いは……。
(本文約1500文字/コラム「ハントマンは何者か?」約2000文字)
今回はコラムの方が長くなってしまいました😅
ヤング・クロウリー ~始まりの物語~ 第二部⑭話「女王の決意」 美しき女王グリムヒルデは、スノーホワイト姫を修行させるため離宮へと移した。離宮では姫の身分は隠し、ボロを着せ、召使いの仕事の中でも最も卑しい仕事……床掃除やゴミの始末、水くみなどをやらせることにした。
王城に置いたままでは、姫を召使いの身に落としたことがひと目でわかってしまう。それでは姫に同情するものも多く、良からぬ噂の元にもなるだろうという考えからだった。
公には「姫はお心がすぐれず、静養のために引きこもっている」ということになっていた。
離宮へ姫を連れて行ったのは、女王の腹心の部下ハントマン。彼は、ボロをまとった姫を伴い、ひっそりと宵闇にまぎれて城を出た。そして離宮に着くと、召使い頭に「新しい下働きを連れてきた。父無し子を女王陛下が哀れんで、職を与えよとのありがたいお申し出である」といって姫を送り込んだのだった。
3517王城に置いたままでは、姫を召使いの身に落としたことがひと目でわかってしまう。それでは姫に同情するものも多く、良からぬ噂の元にもなるだろうという考えからだった。
公には「姫はお心がすぐれず、静養のために引きこもっている」ということになっていた。
離宮へ姫を連れて行ったのは、女王の腹心の部下ハントマン。彼は、ボロをまとった姫を伴い、ひっそりと宵闇にまぎれて城を出た。そして離宮に着くと、召使い頭に「新しい下働きを連れてきた。父無し子を女王陛下が哀れんで、職を与えよとのありがたいお申し出である」といって姫を送り込んだのだった。