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    SCP

    ciff_2

    DONESCPパロのひふどです。
    ・世界観と報告書の書式はご本家からお借りしています。
    ・直接的ではありませんが、死を連想させる表現があります。
    ・はじめだけモブが語ります。
    ・いちゃいちゃしていますが終始不穏です。
    ・どちらも愛が重い。
    終末は晴れるでしょう一:

     シンジュクの一等地に建つマンションの一室。ここが私の新たな職場であり、居住地であり、管理対象オブジェクトの特殊収容施設だ。
     私はもともと財団の支社で働いていたのだが、新しい上司から辞令がくだり、本社に異動することとなった。いわゆる栄転だ。しかし素直に喜ぶことはできなかった。いくつか腑に落ちない点があったからだ。もしも私の身に予期せぬなにかが起こるとすれば、それはオブジェクトの引き起こす事象が原因ではないかもしれない。
     私の仕事は、エンジニアたちの依頼による収容設備の調整や計画の考案。そして、前任者から引き継いだSCP-123の収容維持だ。報告書で確認したところ、SCP-123とはとても美しい顔をした男性の人型実体だった。彼は社会生活に適合し、みずから衣食住をまかない、だれにも依存せずに暮らしている。良好な人間関係を築いており、留意すべき問題行動も報告されていない。趣味の料理や釣りを楽しんだり、車を運転したり、植物を育てたりすることもある。人並みに笑ったり怒ったりもする。目視や接触で予期せぬ事態が引き起こされることはない。ヒプノシスマイクの利用による異常性への影響も見られない。ひとつ問題があるとすれば、彼をめぐってしばしば女性たちの対立が発生することくらいだ。つまり、ほとんど我我とおなじどこにでもいる「ふつうの人間」といって差し支えないのだ。その異常性が発現するのは、心的外傷が刺激されたときだ。つまり、特定条件下以外で女性を近づけなければ収容違反にはならないのだ。ただ、安定した収容を維持するために要求されたことがもうひとつある。SCP-123と友達になること。簡単だが、私にはひとつ気がかりな点があった。私に仕事を引き継いだ者の言葉だ。彼はとてもあおざめた顔で「なかよくなれば、たとえあなたでもきっとうまくいくと思います」と言っていた。私はそれほど人付き合いが不得手に見えただろうか。それとも別の意味があったのだろうか。ちなみに彼は前任者の同僚だ。私は前任者の顔を知らない。前任者が直接仕事を引き継がないのは、この世界ではままあることだ。おそらく死亡か行方不明、発狂して口が聞けなくなったというところだろう。しかし前任者の同僚によると、なんとただの解雇だという。理由を尋ねてみたが、だれも知らないのだそうだ。日頃の素行に問題はなかったし、仕事でもきっちり成果を出して
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