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    沖縄

    _n_y_g_t

    DONE前に書いた、℡さんの絵から派生した妄想の完全版。それなりに長いし、なんでも許せる方向けです!

    沖縄に行って龍に会う話とかも書きたいなって思ったけど、沖縄に行ったことがないから書きようがないし、絵面が完全に犯罪なので断念しました。
     この世には非科学を前提とした宗教的支柱がある。単純で非情な本能的反復に精力を与えるためのギミックだ。それは誰も見たことがないからこそ成立している。猫の死体が隠されてるからこそ保たれている均衡なのだ。誰であろうと蓋を開けるのは許されない。死なれていたら困るし、生きていられたらもっと困る。前世も来世も運命も、いうなれば宝くじドリームみたいなものなのだ。叶わないくらいがちょうどいい。
     大真面目にこれらを語った場合、世間から貼られるレッテルは良くてカルト教祖、悪くて精神異常者だ。かくいう楽も例外ではなかった。楽は生まれたときからいまに至るまで前世の存在を主張し続けている。九歳までは夢見がちなオカルトボーイで済んだけど、年齢が二桁になると同時に周囲の目は一変し、十二歳でカウンセリングに連れて行かれた。十四歳で処方された向精神薬とは二十二歳になった今でも付き合っている。楽の病気は一向に治る兆しはない。当たり前だった。だって病気じゃない。
    11007

    生成子

    PROGRESS☆あらすじ
    高校三年生となったランガは、有名ブランドからプロへの誘いを受ける。暦と離れるのに躊躇するランガはその思いを言えないまま、暦とともに沖縄西部の村にあるリゾートホテルへと旅行する。

    「わだつみの声」 第三話です。二日目の夜、ホテルの周囲を散策する二人。
    『わだつみの声 3』


     サトウキビ畑を抜けた先には、うっそうと茂った森があった。枝はあちこちにその体を伸ばし、葉は熱い日差しを遮るように茂っている。おそらく手入れのされていないだろう森は、周辺の様子と比べて明らかに不自然だった。ひんやりとした空気が、その場を静謐な印象に見せていた。
     生い茂る木々の下に、細いけもの道がある。暦はそこを、ゆっくりとした足取りで進んでいく。ランガは黙ってその背中を追っていたが、ほうぼうに伸びる枝や草のせいで歩きにくい。ランガの目の前に、美しい赤い花が見えた。伸びきったデイゴの枝に、花が咲いているのだ。つい、ランガは無意識に手を伸ばした。
    「取ったらダメだ」
     暦が振り向き、花をもぎ取ろうとするランガを止めた。ランガは怪訝な表情をしながら暦を見たが、彼は何も言わずに先へ行ってしまった。ここが何なのかわからず、ランガはいぶかしげな表情で暦のあとを追った。
     やがて、開けた広場のような場所に出た。広場といってもそこまで広くなく、ランガが普段通っている学校の教室ていど、といった感じだ。広場の奥まったところには、意味ありげに積まれている大きな石があった。沖縄のみ 4884