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    李坂怜菜

    DONE楽トウ未満。桜の下で撮影な2人。8️⃣←🐶の淡い片想い。🐶視点。
    八乙女楽が桜の木の下で儚げな表情を浮かべる。
    それはもう奇跡のような美しさだと、容易に想像できるだろう。俺は今まさにそれを目の当たりにしている。言葉にできないこの心境をどうか察してくれ。もはや現実かどうかも怪しい。それくらい絵になる。
    今日は雑誌の撮影で、春号ということで桜をテーマに外ロケだ。グループの垣根を越えて、メンバーをシャッフルして何回かに分けて担当するということらしい。俺が八乙女と同じ回を担当するわけなのだが、どうにもソワソワする。
    八乙女のソロショットから撮影が始まり当然の如く見学しているのだが、え、俺、これの次に写るの?そして同じページに載る?正気とは思えない。

    八乙女の後に俺のソロ撮影も終了し、今は休憩時間。次はツーショットを撮ることになっている。俺のソロ撮影はどうにも酷く緊張してしまい、いろんなパターンを試してどうにかOKが出たという具合だった。自分に桜が似合うなんて微塵も思えず、八乙女と肩を並べることを考えて尚更焦ってしまった。プロ失格だと思いつつ、仕方ないとも思ってしまう。無理だろ、あんな綺麗なもの見た後で自信満々に撮影なんて。
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    PROGRESS晏沈の転生もの8話目です。

    夜の帝王の記憶なし晏無師×記憶あり沈嶠で、晏無師の記憶を戻そうと沈嶠ががんばる話です🌃

    今回は闘魚とすれ違い編です。
    転生晏沈 8 胸がざわつく。
     妙な夢を見た後、晏無師は眠ることができなかった。目を閉じる度に沈嶠の顔が瞼にちらついて仕方がない。昨夜桑景行に売り飛ばした沈嶠は、今頃奴に抱かれているのだろうか。晏無師の頭の中に、夢の中で見た乱れた沈嶠の顔が浮かぶ。あの表情を桑景行が見ているのかと思うと腹の中が煮えるような感覚に襲われる。

     不可解な感情を持て余した晏無師は苛立ち、必然としばらく吸っていなかった煙草に手を伸ばす。沈嶠がいない今、止める者もいない。摘み上げた煙草を肺一杯に深く吸い込み、余計なことを考えないよう身体中を煙で満たそうとする。しかし焦燥はおさまらない。小さく燻るような赤い火が灯る煙草の先端。灰皿の上には吸殻が積もり、時間だけが過ぎていった。晏無師は長い指で灰を弾き、艶のある髪を気だるく掻き上げる。窓の外はすっかり明るくなっていたが、まだちらちらと雪が舞っていた。風に翻弄され、熱が加えられれば儚く溶けてしまう雪。また沈嶠の顔が浮かびそうになり晏無師は煙草を揉み消した。
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