Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    じゅにあ

    asmyan

    DOODLE『特等席』2ページ目
    C翼、ジュニアユース中のお話です。
    メインは若林・翼・岬。
    森崎、石崎、三杉も出てます。カプ要素無しです。
    特等席(2/2)


    「石崎くん」
    「? 三杉か」
     宿舎の玄関先で石崎と三杉は顔を合わせた。
    「翼くんと岬くんと、若林くんの姿が見えないんだが、居場所を知らないかい?」
    「あいつらならまだピッチにいたぜ」
     溜め息混じりの、どこか苛立ったような、諦めたような、なんだかとても複雑な、普段の彼からは想像できないような雰囲気で告げられた三杉は、正直に首を傾げて見せた。
    「どうかしたのか?」
    「別に。ちょっと前に森崎から、若林のヤツが居残り練習してるって聞いてさ。……あいつ、久し振りだってのにムカつくだろ? 文句のひとつでも言ってやろうって思って。で、行ってみたら翼と岬に先越されてた」
    「……」
     そこで彼は、何かを思うように口を噤んだ。そして
    「まあ、翼がなんか言ってくれてたら、おれはそれでいいし。ってことで戻ってきたとこだったんだ」
     と、静かに言った。
    「……若林くんの言うことには、一理あると僕は思うよ」
     三杉の言葉に石崎は気色ばんだ。
    「そりゃそうかも知れねえけどよ! 言い方ってもんがあるだろ、言い方ってもんが! ったく、ヨーロッパがなんぼのもんだよ。おれたちだって日本で必死で戦っ 3982

    tamu_999

    DOODLE汗を流すジュニアを見て、えっち中のジュニアの姿を思い出してしまい、一人でドキドキする兄さん。
    #お題ガチャ #いちゃいちゃちゅっちゅ
     日差しが夏の気配を感じさせるようになってきたある日、日課となりつつあったつばめとの組み手を終えたはとは風呂場で軽く汗を流した後、自室へ戻ろうと廊下を歩いていた。

     ふと中庭を見ると、設置された水道に頭から水をかぶる剣道着姿が見える。

    「東海道」
    「ン、あ、兄さん!お疲れ様」
     すぐさま水を止めて振り返ったのははとの弟、東海道本線。
    「今日も随分勝負を挑まれていたな」
    「え、見てたの?」
    「すこし」
     はとの居た柔道場のとなりには剣道場が併設されている。開け放たれた窓や扉からは剣道場からの覇気のある声がよく聴こえてくるのだ。
     それを聞かされた東海道は「恥ずかしいな」とはにかんだ。

    「そんなことより、早く拭かないと風邪を引くぞ」
    「あ、そうだね」
     東海道は首にかけていた手ぬぐいで頭と顔を雑に拭った。
     水道の水と、それが流しきれなかった汗が額や首筋を伝う様に何故か既視感を感じたはとは思わずそれを注視してしまう。

    「兄さん」
     不意に呼ばれた声が先程とは違う色を乗せていて、はとの心拍数が上がる。

    「こんな所でそんな顔したら駄目だよ」
     そう声を掛けながら、東海道は優しくはとの 683

    asmyan

    DOODLE『特等席』1ページ目
    C翼、ジュニアユース中のお話です。
    メインは若林・翼・岬。
    森崎、石崎、三杉も出てます。カプ要素無しです。
    特等席(1/2)

     練習時間が終わり、選手たちは三々五々フィールドを後にしている。その中でひとり、ぽつんとゴールマウスに立つ影がある。
     彼はキーパーグローブをしっかりと両手に嵌め、リストバンドを適度な圧力で締め直し、ぱん、と気合いを入れるように両手を打ち合わせた。
     おもむろに腰を下ろす。それからゆっくり体を伸ばし始める。練習後のクールダウンというよりも、これからが本番だというように。
     念入りに準備をし、ようやく立ち上がると、片方のゴールポストに近付いて手のひらを当て、それから反対側のポストへ向かい、そこにも手のひらを当てた。仕上げにぴょんと跳び上がりゴールバーを掴んでぶら下がる。右、中央、左。跳び下りて深呼吸。これは彼がゴール前に立つ時のルーティンだ。
     左右の肩を回してほぐし、サッカーボールの入ったカゴを引き寄せる。と、誰かの気配を感じた。
    「若林さん、自主練付き合います!」
    「森崎」
     名前を呼ばれた彼があまりに嬉しそうに笑うので、ついつられて破顔しそうになった若林はトレードマークのキャップを被り直す。
    「俺に構わずさっさとあがれ」
    「いえ、付き合わせて下さい。若林さんの動 6408