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    ガリ

    Rahen_0323

    DOODLEヒスイ帰りカキツバタその6です。目的を果たすパート。
    シリーズ物なので「置き去った男」の1〜5を先に読むことをオススメします。捏造過多でなんでも許せる方向け。諸々ポマとは繋がり無い。
    もっと身近な人に救って欲しい気持ちもあったけど今作に於ける彼にとっての全てを考えた結果ですね。次回で一旦完結ですが、呟いていた通り続編も書く予定です。ちゃんと幸せにしてあげたいし掘り下げるところ掘り下げたい感情。
    置き去った男 6なんだかんだ、カキツバタと再会した日から三ヶ月以上もの時が流れた。
    相変わらずの調子である元先輩は、しかし身体の方は殆ど元気で。怪我も治り一人でも歩けるくらいには回復した。病院の皆さんはそれはもう震えるほど驚いていて。

    「それで、カキツバタさんはこれからどうされたいですか?」

    ともあれもういつでも退院出来るだろうということで、トップが問い掛けたが。
    カキツバタの答えは変わらなかった。

    「ノボリさんとショウの家族と会いたい。……その後は、別になにも」

    ……元々「将来とか考えられない」って言うようなヤツだったけど、最早本気で楽しく生きる気すら無い様子に頭を抱えた。
    何事も楽しく、じゃなかったのかよ。今が楽しけりゃいいんじゃねえのかよ。なにがお前をそうさせたんだよ。
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    明幸(日月)

    DONE(横)秀の字(&藤吉郎)と2人の少年の話。暗影篇終了〜旭光篇開始の間らへん(前作『殿からの褒美と近江の城』の続き)から始まるけど前作との繋がりはほとんど無し。夢路篇の台詞やバトルをはじめ色々と改変しているので注意。秀の字の性別は決まっていないけど身長は藤吉郎より頭1つ分以上高いイメージ。書きたい場面だけ書いたので話の内容が全体的にツギハギ気味かもしれない。※過去作再掲
    二本の青き槍 天正元年(一五七三年)。
     陽光をうつし輝く水面みなもをふたりは半刻ほど見つめていた。
    「…さて、茶屋でも寄って帰るか」
     やがてひとりは腰を上げ、いそいそと歩き出す。隣に座っていたもうひとりも立ち上がりそれに続く。

     琵琶湖。
     近江国の中心に存在する湖の名である。その規模は小国ひとつ分に匹敵し、内陸地に突如あらわれた海かと見まごうほどであった。
     ここから東に位置する今浜の町を長浜と改め、湖畔への築城を企てる新たな領主がふたり。
    「水門を作って、船で直接城に出入りできたら面白いと思わねえか?」
     軽い足取りで熱弁をふるうは藤吉郎。それを横目にもの言わず首を振るは秀千代。
     〝秀吉〟と称された、織田信長配下の武将たちである。
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