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    トロール

    とーい

    DONE1日1ロールタグ五周年とハピエンロルのコラボ企画用作品。
    お題が「夏の花とロール」とのことだったので、いろいろ調べてみてクレオメという花で書いてみました。密かに両片想いなロールです。話に出てくる花は、物語のなかで実際の花とは少し違う不思議な花として描写しています。
    宵に舞う蝶の秘密 そろそろか、とグラスを置き視線を動かしたローに、ルフィもスプーンを動かしていた手を止めた。
    上陸するときは目を開けていられないくらい眩しかった太陽も、この島で一番うまい食事を出すと連れてこられた宿の一階にあるレストランで飲み食いしている間に、水平線へとその緋色の体を沈めようとしていた。
     ただ、ローがそろそろだといったのは、何も活動しやすい時間になったという理由だけではない。風を取り入れるために開け放たれた窓の下に視線を向ければ、色合いを変えた街のなかを歩く人々が同じ方角に歩いているのが見える。目深にかぶった濃紺のローブも、手に掲げた小さなランタンも同じものだ。
     行くか、とたちあがったローの手にも、小島に入る際に火を入れると説明されたそれがある。もう一方の手を差し出されたルフィは、これから始まるという祭りに胸を躍らせながら、麦わら帽子の上からローブをかぶせ、その手を取った。
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    おかゆ

    DOODLEパトロール終わりのビリグレ 五月某日。最近のニューミリオンは、季節外れの好天が続いている。それに伴って今日もこの時期の平均気温よりも大幅な最高気温を記録している。
     
    「あっつ……」
    「本当にね……ビリーくん、お疲れさま……」
    「グレイもネ」
     そんな日でももちろんヒーローの仕事は待ってくれない。本日午後のパトロールは、グリーンイーストの海岸地区。日差しを遮るものは無い。潮風と自分の汗でベタつく。一方で、ビーチには楽しそうにはしゃぐ住民や観光客。パートナーがグレイだということ以外、コンディションは最悪だ。
     まあ、マジックを披露した時に、バケーション気分で財布の紐が緩くなった見物客から飲み物の差し入れをもらったのは悪くなかったけれど、パトロールを終えてエリオスタワーに帰還する頃には、摂った水分もすっかり汗になってしまった。
    「はぁ……早く部屋に戻ってシャワーを浴びたいヨ」
     汗でしっとりしてしまったシャツの襟をつまんで風を入れる。全館空調で適温に保たれているから身体が冷えすぎることはないだろうが、このままでいるのは耐えられるはずもない。
    「そうだね。あ、シャワー、ビリーくんが先でいいからね」
     タイミング良く降 1732