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    レクト

    gt_810s2

    TRAINING※銀時の架空の母親・ネグレクト表現あり※

    本編の銀時の家族を否定する意図はありません。
    死体の中に放置された子供、現代で言うなら捨て子に等しいのでしょうが、彼が同じ境遇に置かれた時に今の感覚であれば確実に児童養護施設に預けられるのが妥当です。
    その場合、彼は護られて生きることになります。それが腑に落ちなかったので、本当の母親なのかもわからない顔も知らない女性を彼の母親役として宛がいました。
     暗愚で怒りっぽい父だった。だが、厳格故に人の信頼を得、俺が家を出るまで質のいい服を着て母親の作った美味い食事を腹に入れることが出来たのは、父親が臆病とも言えるほどに権力に忠実だったためだ。否定するつもりはない。強い者に媚び、弱い者を厳しく叱れば己とその家族の安全は護れるのだから。ひょっとしたら父親なりの愛情表現が、俺を常識という名の秩序で縛り圧することだったのかもしれない。ただ俺とは合わなかっただけだ。
     それは今世に限った話ではない。妙に太い眉も、怒鳴った時に肩を上げる仕草も、感情的になっても手を挙げない姿勢も、記憶の中の父親と全く同じだった。

     夢を見てから三日が経った今、記憶の中の俺と、俺自身の境目は限りなく薄くなっていた。まるでひとつの体を二人で分け合うようだ。それでいて、記憶の中の俺は別の人間ではない。まるで俺という人間が、記憶と人格それぞれ生き別れ、ようやく出会い一つになったように。
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    JjtGhs

    MAIKINGぱろ五伏をちまちま書いている
    伝統芸能の当主五とねぐれくとされためぐ
    ブルーホールのような瞳をした子供が、どんな過程で絶望や諦観を宿すに至ったのか。
    はじめは、純粋な興味と好奇心だった。
    けれどいまは、深淵からすくいあげたいと、半ば本気で願ってやまない。

    日本の伝統芸能を継承する家に生まれた五条は、物心がつく頃にはすでに初舞台を踏んでいた。
    日夜厳しい稽古に耐え、表では天才ともてはやされる日々のなかで歪んだ性格を知る者はそう多くない。
    誰にだって表裏はあるものだろう、と静かに微笑み、五条の歪みを肯定してくれた親友がいなければ、今ごろもっと歪んだ大人になっていた。
    家を継ぎ、襲名披露も終えてようやく訪れたわずかな休みを利用し、五条は海まで車を走らせる。
    家が所有している別荘とは別に、由比ヶ浜近くの古民家を購入して以来、休みが取れるとそこへ向かう。
    家に縛られず、ただの五条悟という人間に戻れる気がするからだ。
    海沿いをドライブする時用に編集した洋楽のプレイリストを流しながら、時おり曲にあわせて口ずさんだりする時間は五条の心を慰めてくれる。
    梅雨の中休みだろうか、数日続いた雨も昨日止み、今日は快晴がひろがっていて海が太陽光を反射させ、きらきらと眩しく光ってい 2622

    @7_kankankan_100

    MOURNINGこれは中学生のにょた一二三と独歩。
    一二三がネグレクト受けてて、独歩が一二三の家族になりたいと思う話。
    続きが全然浮かばなくて断念したやつ。独歩、一二三を幸せにしてやってな。
    一二三の置かれた家庭環境がおかしい事に気付いたのは小学五年生の頃で、そのおかしさが重大な問題だと気付いたのは中学一年生の頃。
    小さい頃は友達の家庭について考える事なんてなかったけれど、成長すれば知恵も見識もついて、物事を深く掘り下げるようになる。そうして気付いた一二三の家の重大なおかしさは、中学一年の夏休みに一緒に宿題をやる為に俺の家に来た一二三が「お風呂を貸してほしい」と言ってきた時だった。多分これが小学生のうちだったら気付けていなかったと思う。

    その日一二三は家には中々入ってこずに、俺を玄関の外まで呼び出した。一二三は俺と少し距離を保って俯いて、あのね、と何か言いたげに何度も繰り返してはそれでも中々話しだそうとはしなかった。いつもだったら近すぎて俺に注意されるのに。
    小さい頃からくっつきたがりの一二三だったが成長してもその距離は変わらず、クラスメイトたちからは付き合っているとよく囃し立てられたりした。でも俺たちは決して付き合ってはいない。一二三の事は可愛いと思うけれど、開けっぴろげに明るい話し方やちょこまかと少し落ち着きのない感じが子犬にそっくりで、一緒にいると友達として楽 4114