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    ブーム

    taronono

    DONEいまさら月鯉尿瓶ブームがきたので自家製産しました
    付き合ってない月鯉です
    尿瓶が公式は勝利「傷が開くといけないので、小用の際はこちらをご使用くださいね」
    「う……」
    差し出された瓶の、つるりとした輪郭に眉を寄せる。厠くらい歩いて行けると言い返したかったが、優秀な医者の言葉だ。妙な意地を張って回復が遅れでもしたら困る。鯉登は頷くでも首を振るでもなく、大人しく尿瓶を受け取った。

    訓練で怪我をすることはあれど、ここまでの重症を負うのは初めてだった。持ち前の運動神経を発揮し、飛行船から落ちた時だって、次の日には通常通り任務に当たっていたほどである。つまり、鯉登は今まで尿瓶というものを使ったことがなかった。
    悪あがきで水を飲む量を減らしてみても、いずれ限界は訪れる。
    一人になった病室でしばらく太ももを擦り合わせてから、やがて観念し、渋々尿瓶を持ちあげた。しかし、ひやりとした感覚が伝わるのみで動けない。鯉登にはその使い方が分からなかったのである。家永に聞いてみるかと思ったが、体調に異変があるとき以外、不用意に家永を呼び出すなと月島から言われている。同物同治の思想持ちが排泄物にまで興味があるとは思えなかったが、補佐に余計な心配をかけるわけにもいかない。
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    Yuki_co828

    MAIKING恋仲になったのに、文の事が好き過ぎるあまり、いい雰囲気になるのがどうしても恥ずかしくて耐えられず、逃げたり手を出しちゃう超ウブな留が、何とかいちゃいちゃできるようになりたいと、文はもちろん、それぞれの同室の二人を巻き込んで頑張る、きゅんきゅんでえちちなもんけまのお話を書きたい♡

    と夕方ツイートしてたお話の出だしだけ。
    一年後ぐらいにまた自分の中でブームが来たら続き書くかも…???
    二人で過ごす休日。
    鍛錬という名目でやって来たのは、山奥のまた奥。
    道なき道をかき分けて進む文次郎の後に続くこと半刻ほど、突然、留三郎の目の前に一面の桜色が広がった。
    「ここは…」
    林立する満開の桜に留三郎は目を奪われる。
    その様子を見ながら文次郎は満足げに微笑むと、一本の大きな桜の木の下に筵を敷いた。
    幹を背にして並んで座り、文次郎が用意してきた団子を食べる。
    柔らかな春の陽気と心地よい風、時折はらりと落ちる花びらに、鳥の鳴き声。
    何をするでもなく、二人でただ黙って美しい光景を全身で味わう。
    留三郎がうっとりとため息をついた。
    「……極楽浄土って、こんな感じなのかもな」
    ピクリと文次郎が反応した。
    別に留三郎の発言に深い意味はなく、今この瞬間がとても心地よいと感じての事だと分かっている。
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